プロローグ:平均年齢七十九歳
地上から数十メートル下層。マグマが赤く煮たぎり、巨大な鍾乳石が牙のように垂れ下がるダンジョン最深部。
かつて世界最強を目指し、気づけば五十年の歳月を冒険に捧げた四人の老人がいた。
【パーティーメンバー紹介】
『剣士』ジョンソン(80歳・男性/Swordsman)
パーティーのリーダー。剣を杖代わりにするほど腰が限界を迎えているが、持ち前の度胸で仲間を引っ張る。
『魔法師』ベネット(77歳・男性/Mage)
白髭の老魔術師。強力な魔法を操るが、詠唱のたびに魔法アレルギーを訴えくしゃみと鼻が出るのが玉に瑕。
『狙撃手』ジュピター(77歳・女性/Sniper)
弓の名手……だった。老眼と近眼が同時に押し寄せ、手前も奥も何も見えていない。
『忍者』清蓮(82歳・女性/Assassin)
最年長の暗殺者。気配を消す技術は一流だが、膝が完全に終わっているため走れない。
四人は最深部に鎮座する伝説級の魔獣『深淵竜アビス・ドラゴン』と相対していた。
黄金色に輝く謎の魔法陣の上で、限界を超えた死闘を繰り広げ——そして、全滅した。
……はずだった。
目覚めた先で待っていたのは、自らもだいぶ老いぼれた「神」との出会い。
四人は神の手によって現世へと引き戻されることになる。
しかし、ひとつだけ重大な問題があった。
肉体はそのまま残っているものの、彼らは「すでに死んでいる状態(幽霊)」だったのだ。
「死んだのに、死ねない」
その体に与えられたのは、首がもげても元通りになるという、なんとも雑で強烈な不死身の力。
こうして、幾多の魔獣や凶悪な盗賊団と相まみえながら、切られても潰されても「だって最初から死んでるし」と突き進む、世界初・老兵幽霊パーティー『ゴーストフェニックス』の破天荒な旅が幕を開けるのであった。




