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第1章[表]・授業初日ver魔法戦闘学



授業初日の2時間目

はじめての基礎戦闘学を終えたAクラスの生徒達は次の授業、魔法戦闘学の授業を受けるべく教室に1人だけを除いて全員が揃っている

この場にいない1名は言うまでもないが勇斗だ

先程の授業にて魔精力の具現化を失敗したことによって大怪我を負ってしまった勇斗であるが、運良く場所がこの学校であったがために素早い手当を受けることが出来たおかけで今はすやすやと保健室で眠っている

とどのつまり最初の魔法戦闘学を受けることができないということでもある

いきなり出足をくじかれたってことになるわけで、勇斗がこれに懲りて無茶をしなくなることを願っているのが約3名いたりいなかったり

ちなみに優奈と夏菜も最初は勇斗に付き添って保健室に居るつもりだったが、この学校では補講などは基本的にしないので授業は休むことがないようにと璃沙に言われたため悩んだ末に授業を受けるべく教室で待機している


そして現在クラスの雰囲気は良いとはいえない

なんせ基礎戦闘学の授業にていきなり差を見せつけられたことにより落ち込む者、自爆したアホ1名のせいでこれからの授業に対して不安を抱く者、最後にその自爆したアホを気にするあまりそわそわしている者がいるからだ

そんな微妙な空気に包まれている教室のドアがチャイムの音ともに開かれ1人の教員が教室に入ってきた


「おはよう、Aクラスのみんな。あたいがこの学年の1年次の魔法戦闘学について教える教員のうちの1人の田所奏たどころそうだ。これから1年間よろしくなっ!」

そう言いながら黒板に自分の名前をかく奏

璃沙とは少し性格が異なりとてもフレンドリーな雰囲気を醸し出している奏は早速授業をはじめる


「さて、いきなりだけど授業はじめてくぞー。っと、その前に軽く自己紹介でもしておくよ」


「あたいの名前はさっきも言ったとおり奏っていうんだ。それで年齢や身体的数値を聞きたいやつは手を挙げてごらん?……あとでたっぷりサシでO・HA・NA・SHIしてあげるからさ。そんであたいの担当は魔法を使った戦闘方法、簡単に言うなら魔精力を使っての魔法の発動の仕方を教える感じだね。まぁもちろんそれ以外にも沢山あるけど当面の目標は基礎的な魔法の習得だよ。それと明日ある精霊学と体育という名のバトルロワイヤルみたいな授業も、今日やった基礎戦闘学も全部繋がっているからどれも真面目に受けるんだよー。残念なことにさっそく1人いない子がいるみたいだけどね。あと最初に言っとくことは…特にないかなー、みんな頑張って授業についてきて欲しいってくらいかな。それで質問ある人いる?もちろんさっき言った内容以外でね」

あっけらかんとした様子でペラペラ自己紹介をすました奏は教室内をぐるっと見渡して誰も質問が無さそうなのを確認すると言葉を続けている


「質問もないみたいだね。じゃあさっそく授業をはじめていこー!」

そう言うと黒板に大きな文字で魔法と書く奏

そして黒板に書かれた文字を手で指しつつ生徒達に問いかける


「魔法、この言葉を知らない子はこの場にはいないと思う。じゃあ魔法とはいったいどんなことなのか詳しく分かる子はいる?」

奏がそう問いかけると生徒達は皆それぞれ考え出す

魔法マジック

魔精力を使って発動できるもの、ということは知ってはいるが詳しくと言われたら知らない

生徒の中には魔法の中の種類や効果、その他にも色々知っている者はいるかもしれないがそれは魔法というそのものの説明にはならない

じゃあいったいなんのことを魔法と言うのだろうか?

そんな事を考えている生徒達を前に奏は授業を進めていく


「まぁ難しいだろねー。魔法って言われたら魔精力を使って起こせる現象、っていうのがみんなが認識していることだと思う。逆にそれ以外に何があるのかって思った子もいるだろうね。でもそれだけじゃあ説明出来ないこともあるんだよ」


「例えば魔精力を使用して発動させるのが魔法なら魔精力を使用せずに発動できる非物理的な現象は魔法じゃないのか?って聞かれたらどうする?いやまぁ実際のところどっちも魔法なんだよね。ここで大事なのは魔精力を必ず使うのが魔法ってわけじゃないこと、つまり魔精力だけじゃ魔法についての説明はできないんだ。それにそもそも魔精力についてもみんなは詳しく知らないでしょ?ならまずはそこから説明していこうか」

少し早口になりつつ説明をしていく奏

今度は魔精力と大きな字で黒板に書く


「それじゃあまずは魔精力について説明するよ。みんなが魔精力について知っていることっていえば多分定められているランクと魔法の発動に必要なもの、あとはほぼ全員が誰でも生まれつき持っているものだっていうことぐらいかな。じゃあはじめにランクについて説明するけど魔精力のランクがFからSSまであることは当然知ってるよね、多分この学校だとだいたいD〜Bの人が多いんじゃないかな。まぁ世間一般だとほとんどの人がC以下だけどね、特にEやFランクの人が多いだろうね。ここで各ランクについてちょっと書くからメモするなりして覚えとくといいよー」

そう言うと黒板にFランクからSSランクまでの特徴を書き始める奏であるが、その淀みない行動に生徒達がちゃんとついてこれているかと言えば微妙だ

いきなり説明をはじめて、更にメモまでするようになんて言われてもそう簡単に対応できるものではなく大半の生徒達は慌ててメモをとる準備をしている

生徒達のなかにはメモする準備を最初からしている者やそもそもメモなんてしないといった者もいるが極一部だ

璃沙しかり奏しかり、この学校の教師達は基本的に自分の役目である教師の仕事=自己満足(8割)+その日の気分(2割)で考えていたりする教師おバカが多数いる

特にこの学校特有の教師達はその分野を司る人間としては申し分ないのだけれど良い教師であるか?と問われれば……まぁ良い教師なわけないよねって感じで答えられる人達ばかり

ここがAクラスであるというのも多少はあるかもしれないが毎年授業について来れない生徒達が多数出てくるのは基本的にこいつらのせいである

もちろん教師達にその自覚はあるが改善するつもりはほぼないのが現実だ


そんなわけでサクッと魔精力のランクごとの特徴を黒板に書き終える奏

そのまま黒板を指さししながら説明をはじめる


「最初にFランクから説明してくよー。Fランクの人は基本的に精霊契約が出来ない、だから精霊契約での大きなメリットである属性魔法の使用は出来ないね。それに普通の魔法にしてもようやく発動出来るか出来ないかってところだよ。そんで次にEランクだけどEランクなら精霊契約出来る人がごく稀にいるね。といっても所詮Fランクに毛が生えた程度のもんだからそこまでFランクとEランクは差がないかな。お次はDランクで何故かDランクになってくると急激に変わってきて精霊契約はほとんどの人が出来るようになる。だから使えない魔法の種類は基本的に無くなるね。もちろん個人差によるけど。それでDランクの上のCランクとBランク、更にAランクになってくるともう精霊契約が出来ないなんてことはほんと逆の意味で奇跡としかいいようがないレベルでしかみられないらしいよ。まぁ中には何故か精霊から毛嫌いされる体質の人もいたりするからそこら辺はまだまだ謎が深いところだね。あとはCとB、BとAのランクの間ではそこまで差がないから訓練次第ではランクを上げることも出来るよ、といってもその訓練はかなりキツいし才能がないと無駄になるらしいけどね。それでここから上の2つのランクだけど正直言って格が違うと考えていい。Aランクの人がSランクに上がることなんて有り得ないとされているぐらいだからねー。それにSランクなんて実際人間なの?って疑いたくなる人ばかりだよ。一応確か璃沙ちんがSランクのはずだけど実際に日本の中では最強TOP3のうちの1人だしね、残りの2人もほぼ間違いなくSランクのはずだよ。それで残る1つだけど…SSランクは正真正銘の化け物、あたいとしては人間やめていると言ってもいいと思ってる。ちなみにSSランクは基本的に各属性の精霊王と契約することが出来る人しかいないはずだからまずお目にかかることはないかな。確か今生存が確認されているのは4人くらいだったはず。とまぁ魔精力のランクごとのだいたいの説明についてはこんな感じかな。そんなわけでこれである程度の説明はおしまい。じゃあ次に魔精力そのものについて話していくよー」

そう言うとさっさと黒板に書かれた文字を消して別の言葉を書き始める奏

早口に加えて躊躇ない行動に既に遅れをみせはじめる生徒がちらほら

それを関係なしとばかりに授業を進めていくのだからもはや鬼畜の所行である

そんな奏が次に黒板に書いたのは魔精力についてのざっとした説明、それに加えて説明を受けないと理解が出来ないような言葉が書かれている


「今から言うことはそこそこ大事だからよく聞いてね!魔精力っていうのはほとんどの人が生まれつき持っているもの、つまり生まれつき持っていない人もいるわけなの。だけど少しでも生まれつき魔精力を持っていれば運と才能、それと努力次第ではランクをある一定ぐらいまではあげられるんだよー。それで魔精力がどうやって生み出されて身体のどこにあるかって話だけど…実はそれについては未だによく分かっていないそうなんだ。なんせソティシアの人だけが使えるならまだしも今まで魔精力の存在なんて知らなかった日本に住んでた私達ですら持っているうえに少しの訓練するだけで使えるようになるってんだからね、そりゃ理解出来ないに決まってるよ。だから魔精力の性質について分かっていることといえば限界まで使用しても1日もたてばほぼ全快すること、あとは具現化できるうえに魔精力をエネルギーとして利用することも出来るってことぐらい。あとはこれから話す事のメインになる魔法という少し前までは非現実的とされていた現象を引き起こせるってことだけかな」


「ここでなんで魔精力が魔精力って呼ばれているかただの雑学だけど教えとくね。普通なら魔法を発動するために必要なものなんだら魔力的な名前でいいんじゃないの?って思う人もいると思う。だけど実際に人が持つ魔精力だけだと使える魔法なんてほとんどないんだよ。もう精霊契約したみんななら分かると思うけど精霊の力を借りないと使えない魔法ばかりなんだ。例えば属性魔法や回復魔法、更には固有魔法や特殊魔法なんかもね。だから魔力じゃなくてその2文字の間に精霊から一文字とって魔精力にしたらしい。そんなことをソティシアの偉い人が決めたらしいよー。精霊についての詳しいことは明日やる精霊学で話すと思うから私はこれ以上話さないけどね。さてとそれじゃ早速本題の魔法について詳しく話していくよー!みんなメモの用意をしてねっ」

わちゃわちゃと手を振りながら生徒達にメモの用意をさせる奏

そんな奏の話を真剣に聞くべく一生懸命に腕を動かす者もいれば余裕ありげにのんびりと授業を受けている者いる

生徒達からすればこの奏の授業はかなりキツいだろう

なんせ早口のうえに生徒達のことをほぼ考慮していない授業ペースなのだから

といっても90分間フルで座学なのは今回だけであり基本的にはアリーナや訓練場で軽く説明したあとに実技をメインにやる授業だったりするのだが


そんなわけで自分の話したいことだけを早口で話し続ける奏と、そんな奏の授業を一生懸命に受ける生徒達49名のの構図はこのあと1時間近く続けられたのであった






……To be continued

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