2話
「…はい。」
「何で切るの?」
低い声で、呟く…。
「あ…あなた…だ…れ?……新…は…?新はどうしたの……?」
必死に声をひしらせる優香。
その声を聞き、鼻で笑った。
「…それ誰?あのムシケラの事?」
腹の底から楽しげに笑いながら言った。
「ムシケラが、心配なのか?ムシは、殺さないと駄目だろ?…お前は、俺のものだ!」
その言葉を聞き、新は、殺されたのだと知る……。
体中から血の気がひき、手足が震え、思うように動かない。
「君が、付き合う奴は、みんな殺す!付き合わなければ、誰も死なないんだよ…。」
ククク…と笑い電話が切れた。
次の日、新が切り刻まれた死体が見つかった。
その事件が落ち着いても、恋愛する気には、なれなかった。
また、同じ事が繰り返されるのではないかと思うと、誰とも付き合えなくなっていた。
……そんな時、心の支えになってくれる男性が現れ、ダメだと分かっていながらも、好意を抱くようになっていた……。
……そして……、付き合ってしまった……。
過去にあった事も、何もかも話ても彼は、大丈夫だと言い、付き合うようになった。
新が死んでから、8ヶ月……。
彼が、自分のせいで、死んだ事…。忘れる事なんてできない……。
今の彼と付き合うようになって、関係を持ったが、前みたいな事件は、起こる事はなかった……。
しだいに新の事を思い出さなくなり、彼とも、うまくいっていた……。あれから…1年。 彼は、優しい…。…だけど何で、この人の事を殺しにこないのだろう?不思議だったけど、自分なりに殺人犯は、諦めたと思うようになった。……そして、結婚の約束……。
だけど、新の前に付き合ってた人の時みたいに、不満がでてきて、別れる事にした……。支えになってくれてたが、怒らないし喧嘩もない…。…それが不満で…
「あなたに支えられて、心強かったけど、怒らないし、喧嘩もしないし…結婚しても幸せには、なれないと思う…。別れましょう。」
そう言うと彼は、立ち上がった…。
「君は…僕だけのものだって……ムシケラの携帯で……言ったろ…?」
「え!?」
「また、僕を捨てるのか?顔まで変えたのに…?」
いきなりの事に理解していない事は、多かったが、その場を逃げる事ができた。
必死で自宅まで走り帰る。
新を殺した彼は、楽しそうに追い掛けてくる。部屋に入りドアを閉め、鍵をかけても、ドアを叩き続ける…。
何で、こうなるの!?
疲れ果てて、眠ってしまって、気がつけば、朝になっていた……。
ドアを叩く音は、しない……。
「朝は、仕事いってるんだ……。逃げなきゃ…。」
いそいで必要最低限の荷物を鞄に詰め込む……。
ここから逃げれば大丈夫…。
今なら…。
そう思いながらドアを開けようとした時、視線を感じドアの近くにある格子つきの窓を見る……。「ヒッ!」
彼は窓から見ている…。
狂ったように笑いながら…楽しそうに…。
「何処にいくのかな?逃げれないよ。ずっと…ね。」
そう言いながらドアを叩く…。
「開けてよ。」
ククク……。
笑いながら叩く…。
逃げ場は…ない。何日たっても、にげられない。
いつまで、こうしてればいいの?
誰か助けて!!
……きっと……ずっと逃げられない……。
…あの日。
あの時……。
別れたばかりに、こんな事……。
どこまで耐えれば、この地獄の日々が終わるの……。
「だれか!!…助けて…!」




