表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/52

第2話 誤解と不安?

 ダンジョン探索については少し思うところがある。

 俺の言葉が信じられないと驚いた表情をしている真奈さんに、俺は追加で説明をした。


「ぶっちゃけ俺も一人だと寂しいし、前々から一緒にと思っていたんだ」


 一人で黙々と探索するのもいい。ただ、それではダンジョン探索を全力で楽しめていないと思うのだ。やはりダンジョン攻略と言えば、パーティーだろう。

 一人での探索は一個目のダンジョンで既に経験したので、どうせならパーティーを組んでの挑戦もしてみたい。前々から考えていたし、どうせなら真奈さんと行きたいと思っている。


 知り合いが彼女しかいないからなぁ……。


 そんなことを思いつつ話すと、おじいさんの顔が急に輝きだした。


「なんとぉ! そうか、そうであったか! ……真奈ちゃんや、わしは安心したぞ」


「違うよおじいちゃん!? たぶん無名さんはそう意味で言ったんじゃ……」


「おや、まだ「さん」呼びなのかい? たしかもうそろそろ出会って一年になるだろう、もっと親しい名で呼び合わんと」


「ほんとに! そうゆうのじゃないから!!!」


 真奈さんはなにやら必死で話しかけており、おじいさんは嬉しそうに笑っていた。二人のやりとりを見ていると、何か自分だけ噛み合っていないような感じがする。


 そこで、俺はようやく気付いた。自分の言葉足らずに。


「あぁ、いやすみません。真奈さんとダンジョン行くのは是非とも、という意味でして……」


「分かっておる分かってる! 君も真奈ちゃんの事は「さん」呼びかぁ、先は長いのぅ」


 しまった、大きな誤解を生んでしまった。彼女と異性としての関係だと思われている……。

 どうにか解こうと思考を巡らせていると、真奈さんが小さな声で話しかけてきた。


「こうなると全然話を聞いてくれないんです……すみません」


「いや、俺が誤解を生むような言い方をしたから……」


 おじいさんは、真奈さんのことになると暴走することがあるらしい。年上相手に強く言う事も出来ず、仲が良いな、とさらなる誤解を重ねてしまう。

  おじいさんは思い込みが激しいタイプのようだ。これからはおじいさんの前で、迂闊に彼女に関することを話さないようにしようと思う。

 

 その後、誤解を解こうとなんとか頑張ったが、結局解くことができずにその日は諦めて帰ることになった。









 家に帰った俺は、一通のメールが届いているのに気が付いた。

 内容は、家について何か要望はあるかというものだった。既に簡単な要望は伝えているので、確認も兼ねているのだろう。


 詳細な要望を伝えてから数日後、俺は家が決まり、そこに引っ越すことになった。




 当日。

 引っ越し先は家具備え付け、というか手配して貰っていたのですぐに住める状態だった。前のマンションよりも、一軒家の分広く、開放的ですごく気に入った。


 今もなお運び込まれてくるダンボールには、俺がマンションで使っていた物と、新しく買った物の二種類ある。

 まぁまずは掃除かな、と色々詰め込まれたダンボールを眺めていると、ポケットから携帯の通知音が聞こえてきた。


 相手は真奈さんのおじいさん。先日連絡先を交換して頂いてから初めてのメールだ。

 急ぎのメールなのだろうか、内容は簡潔に送られてきた。


『~無名君へ 孫をよろしく頼む。』

 

 真奈さんに何かあったのだろうか……とりあえず連絡してみよう。

 メッセージか電話か迷ったが、電話にしようと決めた丁度その時、真奈さんから電話が掛かってきた。


『もしもし真奈さん? おじいさんから連絡来たけど、何かあったのか?』


 おじいさんから連絡が来るくらいだ、もしかしたら一大事かもしれない。

 自分の背中に汗が流れるのを感じる。ついこの前彼女が危険な目に合ったので、最悪な予想ばかりが思い浮かんでしまう。


 頭を切り替え、俺は彼女の返答を待った。

 














『む、無名さん……。一緒に住まわせてもらえませんか……』



 むむ???

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 【衝撃】主人公のニブチンさは作者さんから来ていた!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ