平和な戦場XII~異常な家Ⅵ~
それから少し歩き、左にドアが見えるとアダムが言った。
「ここがパソコンルームです」
パソコンルームに入ると同じ部屋にスーパーコンピューターがあるわけではなく分厚いガラス越しに置いてあった。身長と同じぐらいの高さのパソコンがヅラーっとガラスを垂直に6列ほど並んでいて圧巻だ。となりにいる幼馴染はとても興奮した様子だ。
ただ、見てもパソコンに関しては何も解らない。ただ、普通のパソコンに比べてとても静かだ。個人的にはパソコンのCPUが増えるから音もうるさくなると思っていたのだが、どうやらそれは勘違いらしい。コレに関しては聞かないと解らないのでアダムに聞いた。
「何で普通のパソコンみたいにうるさくないんだ?」
「アンサー。説明するために水冷という冷却方式を説明します。水冷という冷却方式は簡単に言ってしまえば冷却水というのでCPUの熱を吸い上げ高温の冷却水をラジエーターというファンで冷やすそしてそれをポンプでCPUにまで冷却水を上げるという仕組みです」
「そのラジエーターというのをうるさくないようにもっと地下に巨大なのを設置したということです」
「へぇー」
正直言って俺はそれしか言えなかった。確かに内容は理解できたのだがそれが凄いのか一般的かが解らない。そこで、幼馴染が言う。
「水冷というのは普通のパソコンにも使われている方式なのに、それで京を越えるパソコンを動かしているの!?」
「そうだけど?」
何か今の幼馴染のセリフはわざとらしい感じがした。もしかしたら、俺に説明をさりげなくしてくれているかもしれない。湯川さんはそれに気づかなかったのかわざとらしい驚き方に疑問を覚えたらしい。そんなことはどうでも良いのかアダムが言った。
「ただ、見ているだけではアレですから、ちょうどスーパーコンピューターの裏にある机のノートパソコンでちょっと体験してみましょう」
そう言った直後にノートパソコンが{ヒュイーン、ヒューン、ヒュイーン}一番ポピュラーなOSであるWINDとは違ったまるで空間を移動しているかのような起動音が鳴る。
{ヒューーーーン}と音が下がって完全に起動した。そして青い色の球が出て、そこから文字が飛び出してくる。それと同時に書かれている文と同じのをアダムが読んだ。
「アダム2です。これから一般的なPCと同じスペックを持つこのノートPCとあのスーパーコンピューターS.Hとの処理速度の差を比べることによって凄さを体感してもらいます」