三賞発表。えっ私!?
今場所の全ての取組が終わり、あとは表彰式を残すのみになった。
土俵の上では親方がマイクを握り、優勝した若泉関にインタビューをしている。
流石に元極悪ヒールのプロレスラーだけあって、マイクパフォーマンスはお手の物だ。
若泉関も2場所連続優勝で、自信に満ち溢れた表情である。
「えーっと、続いて三賞の発表にいくぞ。まず殊勲賞は、優勝した若泉を倒した愛里女!」
客席からワーッと歓声が上がり、続いて、キャーッと、オーバーなリアクションの愛里女関が土俵に上がった。
「アリガトゴザイマース!」
たどたどしい日本語でお礼を言うと、また、ワーッと客席が盛り上がる。
こういうときの愛里女関は愛嬌を振りまくのが本当に上手い。
流石欧州人。
実に自然にやってのける。
「続いて、技能賞。技能賞は、まあ、色々と意見はあると思うんだが、今場所初めて勝ち越したんでご褒美の意味も込めてこいつにくれてやる。桃優奈!」
エッと思った私の戸惑いは、ワーッという一際大きな歓声にかき消された。
キャーッ、キャーッ、キャーッと外国人よりもオーバーなリアクションをしながら、桃優奈が土俵に上がった。
桃優奈は変化だけであったが、今場所勝ち越したのだ。
「わ、わ、私、勝ち越せるだなんて思ってなくて、本当に、嬉しいです。これも、応援してくれた皆さんのおかげです。あ、ありがとう。みんな、愛してる!」
ヒューッという歓声が上がり、桃優奈は四方八方に投げキッスを送った。
やはりこの女だけは許せない。
くそっ、私がこいつに勝っていれば………!
私がこいつに勝っていれば…………………!!
「えーっと、じゃあ、最後に敢闘賞の発表な。あたしはさあ、今場所でニューヒロインが誕生したと思ってるんだよ。よくやった、褒めてやる。敢闘賞は、玉桜!」
ワーッという歓声と、オオーッというどよめき。
エッ?
玉桜って、私?




