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布良自動車
かつて、某賞に応募した作品。
時代設定:2000年代初頭
「布良自動車は17日、乗用車の「ポラリス」「ヴェガ」の生産を来週にも中止すると発表発表した。自動車業界では2002年にいすゞ自動車が乗用車市場から撤退した。いすゞの場合自主生産撤退後、他社からのOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けていたが、布良の場合このまま乗用車市場からの撤退となる可能性が高い。なお、SUV車の「アリオス」は引き続き生産販売される。
山陽重工業の自動車部として発足した同社は戦後の財閥解体によって、山陽自動車として分社独立し、その後戦中に分社化されていた山陽航空機と合併し、布良自動車となった。
60年に初の乗用車「ポラリス」、63年に小型車「ヴェガ」を発売した。同社の乗用車は元航空機メーカーらしく特色に溢れ流麗なGTカーの「カノープス」(67~72)、世界選手権レースにも活躍した「ナスール」(71~89)など高い評価を博したが最近は低迷を続けていた。
同社の乗用車市場からの撤退は昨今の「若者の車離れ」「車が売れない」を象徴する出来事であろう。」
公園のベンチで、男は経済欄の記事を読み終えると、
「ナスールが戦ったのはラリーだよ」呟くと、丸めた新聞を傍らのゴミ箱に突っ込んだ。




