第四話〜蘭と桜と稲穂と〜
「桜!!」
「あ、蘭々……」
「んもう!どこ行ってたの!?急に走り出すから……」
「ご、ごめん、ちょっと急いで済ませなきゃいけないこと思い出しちゃって……」
あれから黒薔薇様……野薔薇さんが言った通り、雨が降ってきたため私は結局空き部屋でお弁当を食べた。
思っていたよりも時間が経っていたため、急いで教室に戻ってくると蘭々が心配そうに駆け寄ってきた。
(でも、結局野薔薇さんのことはわからないままだったな……)
明日も屋上に言ってみれば、何かわかるのだろうか。
「ごめん蘭々、穂乃果。ちょっと行くところがあるから……」
「……あぁうん……ねぇ桜」
「どうしたの?」
「……最近、ずっとどこ行ってるの?危ないこと、してないよね?」
「ちょっと蘭々ちゃん、それは聞かないって……」
「だ、だって心配じゃん!」
昼休みごとに屋上に行くようになって一週間ほど経った頃、蘭々と穂乃果がとても心配そうにそう聞いてきた。
(ど、どうしよう……本当のこと、言ってもいいかな……でも……いや……)
「えっと、その……実はね」
「はぁ!?黒薔薇さ……んぐっ!」
「ちょ、蘭々ちゃん静かに!」
二人に心配させたくなかった私は、結局野薔薇さんのことを話してしまった。
「……はぁ、まぁ事情はわかった。わかったけどぉ……」
「あの黒薔薇様が、ねぇ……黒薔薇様を悪人扱いするつもりはないんだけど……桜ちゃん、大丈夫?何かされたりしてない?」
「う、うん。というか……」
「の、野薔薇さん!」
「……今日も来たの」
「えっと……だめ……でした?」
「……別に私一人の場所じゃないもの。勝手に来なさいと言ったのは私だし」
「……」
「……」
「っていう感じで……なんかずかずか踏み込んじゃっていいのかもわからないし、かと言って話題があるわけでもないからほんとにただ黙ってお弁当食べて帰ってきちゃってるんだけど……」
「……なるほどね。要するにまとわりついているのは桜の方と……」
「う……やっぱり迷惑かなぁ……」
痛いところをつかれ、少し落ち込んでしまうと穂乃果が優しく否定してくれた。
「それはないんじゃないかな、黒薔薇様は桜ちゃんに近づかないほうがいい、って言っただけで拒否はしてないんでしょう?だったらきっと大丈夫」
「……そうかな」
「うん、そうだと思うな」
「まー心配されて嫌な人間なんてあんまりいないだろうしね〜、桜みたいな純粋な子からだったらなおさら」
呆れたように肩をすくめたものの、二人とも私の行動については否定しなかった。
それどころか、一緒になって考えてくれた。
(私はいい友達に恵まれたな……)
「じゃあ行っておいで、なんか進展あったら聞かせてねー」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
春休みが明けたので、またこれからちまちまと更新していきますのでよろしくお願いします。
それでは次回もまた読んでいただけると嬉しいです!




