44. 新生児を食べる人
消滅の前には、ある種の静寂がある。
現実の構造さえも息を呑むような静寂だ。
そしてその静寂の中で――私は動いた。
私は考えなかった。息をしなかった。
ルーシーと私は一つになった――融合したのではなく、同調したのだ。私たちの精神は同期し、私たちの力は計り知れないレベルで共鳴していた。
「ルーシー。」
「既に分析中。」
「イヴァリーのオブリタレーション・デストロイヤーを無効化。」
「完了。エントロピーを反転。反撃開始。」
私は突進した。
いや。
私は速度を超えて――運動そのものを超えて――加速した。
量子加速:私はもはや動かなかった。
私は亜原子レベルで自らの位置を変え――原子が許す場所に現れた。
斬る、斬る、斬る、斬る、斬る、斬る
アイヴァリーの体は、私の位置を理解する前に引き裂かれた。
神のような彼の体がよろめきながら後ずさりし、黒と金の霊液が噴き出した。
しかし、二番目の神が襲いかかった。
オリジネム――白衣の者、自らを全ての物語の根源と称する者――が、万物創造を放った。
純粋な法則の光線。
銀河の誕生が、一つの法則に凝縮された。
「ルーシー!」
「もう準備完了よ。」
彼女は私の前に立ち、その姿はダイヤモンドのフラクタルのように揺らめいていた。
「究極防御――現実封鎖!」
光線は彼女のバリアに砕け散った。
「私の番よ。」彼女は囁いた。
そして、これまで知られていない炎とは異なる炎が燃え上がった。
肉体ではなく、存在の意味を焼き尽くす破壊の炎。
オリジネムはたじろいだ。
感じた。
終わり。
終わりを超えた瞬間。
「終わらせよう。」
ルーシーは頷いた。
「執行:強化グランドイーター - [神形式終了]。」
彼女が掌を開くと、そこから肉ではなく概念的な飢餓から形成された口が、オリジネムを丸ごと飲み込んだ。
悲鳴も、破裂もなかった。ただ虚無だけが残った。
彼は消えた。
私はイヴァリーの方を向いた。
彼の最終兵器、凝縮された存在ビッグバンが、私に向かって崩れ落ちた。
無限の始まりと終わりを宿した球体。私のすべてを消し去るために。
私はひるまなかった。
私は前に歩み寄った。
「あなたは間違いを犯しました。」魂の倍音を重ねた声で言った。
「あなたは私を消し去るべき存在だと思ったのね。」
私は手を挙げた。
「新生喰らい ― 永遠を貪り食う」
私はそれを喰らった。
ビッグバン。
存在核。
そしてアイヴァリー。
彼の概念を飲み込んだ。
彼の存在、彼の機能、彼の神性。
消え去った。
静寂が戻った。
ただ、今は平和だった。
私はまだ存在していない星々の間に立っていた。
ルーシーは腕を組み、穏やかで神聖な様子で私の傍らに浮かんでいた。
「終わったわ」と彼女は囁いた。
「ああ…」私は息を吐いた。
そして、戦場へと戻ると…
他の神々はすでに震えていた。
彼らは今、知っていたからだ。
カイロライダーは神々に逆らっただけではない…
彼は、一体となることの意味そのものを書き換えた。




