36. 五大外神
戦いが終わった瞬間…
ついに圧倒的な勝利を祝えると思った瞬間…
それは現れた。
空間に波紋が広がった。混沌とした色彩がきらめくポータル。赤、紫、黒、白――あらゆるスペクトルが不自然に歪んだ。それが開いた瞬間、私の魂は悲鳴を上げた。幾百もの戦いを生き抜いてきた私の本能が、ただ一つ告げた。
「逃げろ。」
しかし、私は逃げなかった。
なぜなら、私は愚かだからだ。あるいは、何とかできると思っていたのかもしれない。
そして…彼が歩いてきた。
砕け散った銀河のようにきらめく外套をまとった男、あるいは男のような形をした何か。彼の存在そのものが空気を歪めた。大地は彼を拒絶した。空は揺らめき、私の魔法陣は理由もなくひび割れた。
「私はイヴァリーだ」と彼は言った。声は幾重にも重なり合った。
「混沌の神。そしてお前は…私と共に来る。」
「そんなわけないでしょ!」
後ずさりしようとしたり、あらゆる防御策を講じようとしたり、瞬間移動の準備をしたり、命令を叫んだりしようとしたが、何もできなかった。
彼は動かなかった。
彼はすでに目の前にいた。
額に手が置かれた。
「眠れ。」
バキッ。
痛み。鋭く、眩しい。
そして――
暗闇。
体が崩れ落ちるのを感じた。仲間たちの叫び声も聞こえた。
「カイロォォォ!!」
「誰か止めて!!」
「セツナ、待って――!!」
しかし、遅すぎた。彼の腕の一振りで、ザイロスさえ吹き飛ばされた。フレイヤのバリアはガラスのように砕け散った。ヴィクトリアは突進したが、見えない壁にぶつかったように空中で止まった。ライラの目は悪魔のようだったが、彼女でさえ私に届かなかった。
そして――
私は目を覚ました。
白い。
果てしない白い世界。まるで虚空のように。壁のない部屋、隅のない空間。
「…一体ここはどこなの?」
「ルーシー?」
返事がない。
地面も天井もない。出口もない。
「まさか、異世界に…自分の異世界に…飛ばされてしまったのか?」
思考が渦巻いた。体は軽く感じたが、頭はズキズキと痛んだ。
その時…
足音がした。
そして、神様のような…イヴァリー…が、両手を背中に組んで、まるでお気に入りのおもちゃをさらったかのように微笑んで現れた。
「さて、カイロライダー…話しましょうか?」
私はそこに立っていた。独り、虚空の中に。
膝がかすかに震え、心が叫びを上げていた。
こんなの現実じゃない。夢に違いない。そうだろう?
しかしその時――彼らは現れた。
一人ずつ、まるで天上の巨人が宇宙の舞台に足を踏み入れるように。
ポータルは開かなかった。彼らはただ現れた。まるで宇宙が彼らの意志に屈するかのように。
[死神 – ニヒル]
絶対的な黒に覆われた彼の存在は、静寂の前の最後の息吹のようだった。
鼓動も、温もりも感じられなかった。
虚空は彼に従った。
[精霊神 – エルーン]
彼女は千の魂のようにきらめき、その体は霧のように柔らかな色に輝いていた。私は囁き…魂、祈り、後悔…が彼女の周囲から聞こえた。
[概念神 – ゼフリオン]
彼の姿は絶えず変化した。言葉、思想、法則、そして感情さえも――思考の構成要素そのものが――彼から溢れ出た。彼を見ていると頭痛がした…まるで辞書が昇っていくのを見ているようだった。
そして…
部屋が脈動した。
最後の一人が降りてきた。
彼は歩かなかった。浮かんでもいなかった。
彼はただ存在していた。
[創造神 ― オリジネム]
彼の名は単なる名前ではなかった。力だった。彼の存在そのものが虚空を繋ぎ止めていた。
彼には顔も、私が理解できる肉体もなかった。ただ光と現実、そしてその間にある全てがあった。
まるで玩具のように私をここに投げ出した混沌の神、イヴァリーでさえ、彼の後ろに立っていた…沈黙していた。
そして何かがカチッと音を立てた。
「五大外なる神…」
私はアストリッドの警告を思い出した。古の予言。誰も口にすることをためらった伝説。
「天界の彼方、忘却の底に五柱が存在する…神ではなく、柱だ。彼らは領域ではなく…現実の枠組みそのものを支配している。」
混沌。
死。
精霊。
概念。
創造。
そして、彼らは皆私を見つめていた。
「一体…お前たちは私に何の用だ?」私は震える声を抑えながら囁いた。
創造物、あるいは彼が何者だったのかは分からないが、彼が口を開いた。
彼の声は反響しなかった。
それは私の周りの空間を書き換えた。
「カイロライダー。
お前は均衡を崩した。
今…選択を迫られる。」




