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普通で何が悪いっ!  作者: 鳳タクマ
第一章 変化する普通
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15/20

第14話~土下座して何が悪いっ!~

かなり遅れました!ごめんなさい!

「ふぁ~ 今日も雨か」


百合奈を助けてから一週間と少し経った五月の終わりの日の一時間目、ただいま数学の授業の真っ最中である。

修は頬杖をしながらザーザーと音を立てて降り続いている雨を教室から眺め、気の抜けた声でボソリと呟いた。もう梅雨の時期に入ったのか、二日三日雨が降り続いている。そのせいか、修は朝からいつも以上にテンションが低かった。


ただ単に数学のノートを写しては外を眺めるといった機械的作業を何度も繰り返していた。普通を目指している修にとってそこまで真面目に勉強をする気はないようだ。

一方、百合奈と美希とはあれからメールでやり取りをしていて修にとってはあまり好ましくは無いのだが良好な関係である。だが、それに比例して七海の暴力的行為が酷くなっているのはここだけの話だ。


「どうしたんだ修今日はいつも以上にテンション下げ下げじゃないかー」


窓の外を眺めていた修変なしゃべり口調で話しかけてきた方に顔を向けた。予想通り、というよりもこのクラス……いやこの学校でこんな口調の奴は一人しかいない須藤(すどう) 龍斗(りゅうと)だ。

修はめんどくさそうな顔をしてため息をついた。


「たった今お前に絡まれた事によって俺のテンションはマイナスに突入した」


「ははっそれは言いすぎだぜYOU!」


笑顔で指をさしてくる龍斗に対して修のイライラは増すばかりだ。おまけに今日はじめじめとした雨に加えて朝にも七海から突っかかられて最悪な一日のスタートだった。


(今日も普通を目指して頑張ろうか)


隣でわめいている龍斗をよそに、修はそう決心した。するとまた視線を窓へと移し、再び自分の世界に入った。



昼休み、教室で勇輝、拓人、龍斗の四人で弁当を食べているとそれまで普通に過ごしてきた修に突然のメールが来た。相手は……


「七海……」


そう、七海だ。

メールの内容は『今すぐ屋上に来なさい!』という内容だ。


(危険な臭いしかしねぇ!)


とりあえず行ったとしても理不尽な制裁をうけることは確かなので三人に予め頼んでおき、逃げ切ろうと考えた。そうして修は携帯の画面から目をはなし、目の前で弁当を食べている三人の方を見た。


(いやこいつらはダメだ、物でつられるとすぐに裏切るからな……この裏切りトリオめ!)


この間の勇輝と拓人の予期せぬ裏切り行為で結局最悪の結果になってしまった修。龍斗はともかくこの二人は信用できない。妹のことや二次元が絡んでくるとすぐに裏切るのでまた七海に同じ手でつられるだろう。


「(よし、俺も男だ! 行ってやる!) 俺ちょっと便所行ってくる」


心の中でそう決心して三人に一言残した後、目的の屋上までものすごい速さで向かった。


(着いたら即行で土下座だ!)


走っている途中(廊下は走ってはいけません。良い子はマネしないように)そう考えて屋上へと向かった。走っているのも、ただ遅くなって七海の機嫌をそこなわさせないためだ。

なんとも残念な計画だが、修からしてみればこれが一番の打開策だ。


教室のある校舎側とは別の会議室や職員室がある方の生徒が滅多に使わない階段を一番上まで上ると屋上への入り口がある。鉄の扉を開けて屋上に出てみると修を呼び出した張本人が屋上の真ん中で仁王立ちをして待ちかまえていた。と、ここで


「何で機嫌が悪いのか知らないが、俺が悪かった!」


修はすぐに七海の目の前で両手を合わせて土下座をした。しかし、七海は複雑な顔をして修を見ていた。そして後ろの柵の方へとゆっくり歩むと修の方を見ずに問いかけた。


「修って……その、か、彼女とかいるの?」


「へ?」


制裁が下されると思っていたのだが、見当違いの反応に修は思わず間の抜けた声を出して顔を上げると七海の頬が少し赤くなっていた。


「い、いやいないけど」


「ホントに?」


「お、おう」


「じゃあ姫河さんは……」


「だーから違うって!」


二人の間にギクシャクとした空気が流れ、修は重いため息を吐く。


「じゃぁ私にもチャンスが……」


「?」


七海がホッとした感じで小声で何かを言っていたが、修にはまったく聞き取れなかった。

すると、さっきとは違うすっきりした表情で修の背中を二三度バシバシとたたくと、


「なんでもない! 先に帰ってるから」


と言ってささっと校内へと入っていった。そんな中、修の頭は疑問でいっぱいだった。

まず七海の行動と、何故制裁を受けなかったか、まぁ受けなかったのは運が良かったとでも解釈しておけばいいだろう。不良を瞬殺できるほどの力はあるが七海には、というよりも女子には弱い修だった。


「あー 俺も教室もどろ」


頭を掻きながらゆっくりした足取りで教室へと帰った。その様子はマイペースで、とても修らしい光景だった。


     ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


教室に戻ってからのこと――――――


「俺の弁当がっ」


修の弁当が見事に食べられていて愕然としていた。わなわなと震える修に隣から陽気な声で告げられた。


「もったいなかったから食べてあげたyo! 感謝しろよ修ー」


次の授業、修の食べ物の恨みにより龍斗は腹痛のため、保健室ですごす羽目になった。






そういえば、来週部活の合宿でギリギリ更新できるかどうか分からない状況です。


どうするかはまた活動報告に書くと思います。

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