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ケープゼレット(Képzelet) ~SF短編小説集~  作者: 劉白雨


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ナニーのエマとリック : 2025年10月


【甘えたいなんて言えないな】


「おはよう、エマ。今日もリックのことお願いね。帰りは多分夜10時を回るから、先に休んでて良いわ。食事の用意もいらないから。」

 リサは、いつものようにナニーであるエマに息子のリックを頼み、化粧もそこそこに、エマが用意してくれたトーストを頬張り、家を出て行った。


 リサは、シングルマザーとして、一人息子のリックを育てていた。リックもいよいよこの夏でエレメンタリースクールを終わり、秋からはジュニアハイスクールに通うことになっている。

 リックがここまで問題なく育ってくれたのは、リサが仕事を頑張り、経済的なハンディを負わないようにしてきたことも、もちろんあるが、それにも増して、ナニーであるエマの協力が一番大きい。

 子供を見守るだけのベビーシッターとは違い、ナニーの仕事は育児のプロフェッショナルである。子供の身の回りの世話はもちろん、躾や教育に至るまで、雇い主である主人の方針に従い、子供を育てていく。まさにもう一人の親であり教師なのである。


 リサは、会社経営をおこなっており、プライベートの時間はもちろん、リックとの時間を取るのもなかなか大変だった。そのため、ベビーシッターではなく、ナニーを雇うことにしたのだ。


 ナニーを雇うには金銭的にも、精神的にも大変である。他人を家の中に入れ、四六時中身の回りのことをして貰い、その上家族の問題に口出しされるのだから、価値観が合わずトラブルになるケースもある。


 しかし、エマは非常に優秀だった。リサの教育方針を汲み取り、リックを束縛しすぎず、かといって放任しすぎない、微妙な匙加減で、彼の手綱を握ってくれた。

 リックの成績は優秀で、ほぼAプラスが並ぶ。もちろん勉強だけではない。運動の成績も優秀であった。文武両道の指導をエマはきちんと熟してくれていたのだ。


 リサのエマに対する満足度、信頼度は非常に高かった。ナニーとしての仕事ぶりに加え、家政婦としての仕事ぶりも完璧で、家事全般についてリサに不満はなかった。

 この、仕事ぶりは、エマがアンドロイドであるからともいえるが、それ以上にリサの望むことがほぼそつなく熟《こな》されているためだった。


 エマに不満のないリサだったがために、リックを任せっきりにしてしまうことも多々あり、リサは「甘えたいなんて言えないな」と言いつつも、ついついエマに甘えてしまうのだった。


【夕焼けの思い出】


 ナニーアンドロイドのエマは、この家に世話係として雇われた。

 量産型ナニーアンドロイドを製造する大手企業の、当時最新モデルとしてエマは出荷され、リサという雇い主が、エマの最初のご主人となった。

 あれから11年、エマはリックのナニーとして、身の回りの世話から教育まで、すべてを担ってきた。

 仕事で多忙を極めるリサの代わりに、母親、時には父親としての役割を果たしてきた。


 リックは非常に聞き分けも良く、成績も優秀で、文武両道の優秀な子供だった。従って、エマが手を煩わせるようなことはなく、また、リサと教育方針で揉めることもなかった。

 エマは、リサの代わりになれるよう、日々の仕事を熟し、リックの成長を見守るだけであった。


 エマの頭脳は、最新の人工頭脳(SynthoCerebrum)が搭載され、育児に必要な情報は予めインプットされている。しかし、子育ては水物であり、理論でするものではない。エマは最新の人工頭脳のスペックを遺憾なく発揮し、持てる能力のすべてをリックの育成に注ぎ込んだ。


 成長したのはリックだけではない。エマも育児を通して、大きく成長していた。10年も経てば、既に型落ちとなったモデルのエマだが、リサとの契約がメンテナンスフリー契約であったため、人工頭脳も年々新バージョンが出る度に換装し、スペックをアップグレードするだけでなく、最新の育児情報などもアップデートしていったのだ。

 そして、日々の育児から得るフィードバックも、エマのナニーとしての技術力を向上させていたのだ。


 だが、リックが最近沈んだ表情をすることが多くなり、エマはその原因究明と解決策の模索に奔走していた。

 リックの健康面は問題ない。勉学についても、急激な成績下降といった現象もみられない。そこで、これは思春期特有の問題であろうとエマは考え、精神的な治療アプローチを様々に試みた。しかし、そのどれもが上手くいかなかった。

 それを踏まえて、リサとももちろん相談した。

 しかし、日頃のリックを見ていないリサには、リックの微妙な変化について考察出来る視野がなかった。そして、二言目には「リックをお願いするわ。」だったのだ。


 考え倦《あぐ》ねたエマは、ある一計を案じ、リサにリックと話し合う時間を設けるよう強く提案した。

 仕事が忙しいことを理由に、リサはエマの提案を拒否していたが、このままではリックが壊れてしまうという、エマの切実な願いを聞き入れ、どうにか一日だけ都合をつけたのだ。


 その日は朝から良く晴れ、リサとリックはエマの用意してくれた弁当を持参し、少し遠出して、郊外にある自然公園へと足を運んだ。

 そこには、管理されてはいるが、様々な動植物が半野生の生活をしており、手軽に自然を体験出来る場所として、人気のある施設であった。


 リサとリックは草花を愛で、昆虫を追いかけ、出会す小動物に歓喜した。

 そんな、親子の楽しい時間を過ごしながら、リサはリックに色んなことを聞いた。学校こと、勉強のこと、遊びのこと、友達のこと、エマのこと、そして、リサ自身のことを。


 リックは楽しそうに、あんなことがあった、こんなことがあったと、まるで堰を切ったように夢中で話をしていた。リサは、子供の話を聞くということが、これほどまでに楽しく、嬉しいものなのかということを始めて知った。

 その反面、今までどれほどリックに寂しい思いをさせていたのかと、リサは母親として何もしてやれなかったこれまでの自分を呪った。


 しかし、それで、彼女が今後リックとの時間を多く取り、寂しい思いをさせないように出来るかといったら、そんなことは不可能であった。

 仕事の両立が出来ないからこそ、エマを雇い、家事の負担を減らし、育児を任せてきたのだから。

 リサはエマに大いに感謝していた。エマがいなければ、今の生活は成り立たないし、エマがいたからこそ、このように親子の貴重な時間を作ることが出来たのだ。


 楽しい時間はあっという間に過ぎていく。

 もう間もなく、自然公園がエリア制限される日没時間が近づいていた。

 制限区域から出た二人は、陽が傾き、山の端に太陽が沈もうとしているその瞬間を、手を繋いで眺めていた。


 山の端が真っ赤に染まり、空の雲も焼けるように赤く染まったその光景は、二人を呑み込む炎のようにも感じた。

 リサの心には、この真っ赤な夕焼けが、心に焼き付いて離れなかった。



【子供のままじゃいられない】


 自然公園からの帰り道、リックが改まって重々しく口を開いた。

「母さん。どうしても話しておきたいことがあるんだ。」

 リックは、ともすればうつむき加減になってしまう視線を、無理矢理リサの方へ向けた。

「どうしたの。何か悩み事があるの?」

 リサは努めて、母親らしく、優しく応えた。

「僕は、子供のままじゃいられないんだ。」

 リックが重要なことのように、告白したが、リサにはあまりピンときていなかった。


「そりゃそうよ。あなたももうすぐジュニアになるのよ。当然、もうエレムに通うような子供ではいられないわ。今まで許されてきたことが、許されなくなるの。それが大人になるということなのよ。あなたが、子供じゃいられないと自覚したことを、ママは本当に凄く嬉しく思うわ。あなたが責任ある大人になってくれることは、ママの喜びでもあるのよ。安心して大人になって良いの。ママは、いつでもあなたの味方なんだから。」

 リサは、内心リックが何を言い出すのかと不安になったが、リックの言葉を聞いて、大人になることの不安を感じただけかと思い、どこかで聞きかじったような、聞き分けの良い母親を演じた。


「母さん。そうじゃないんだ。大人になることが不安とかそういう話ではなくて、そもそも僕と母さんは、親子ではないんだよ。親子という役割を演じているに過ぎないんだ。」

 リックが寂しそうな表情で、リサに告げる。


「どういうことなの。私はあなたの母親なのよ。今までも。そしてこれからも永遠に。ママがちゃんと母親をしてこなかったことは謝るわ。あなたに寂しい思いをさせたことも、申し訳なかったと思っているのよ。でもあなたとの親子の関係はこれからもずっと変わらないのよ。安心して、私の子供でいて良いのよ。」

 リサは、リックのあまりに衝撃的な言葉に、こんなにもリックを愛おしく感じているのに、なぜこの子はこんなことを言い出すのだろうと、不思議に思い、動揺を隠せないでいた。


「母さん、もう忘れちゃったのかな。11年前、僕が母さんの所に来た時のことを。僕はあの時から成長していないんだよ。すべてあの時のまま、僕は母さんと契約した、アンドロイドなんだよ。」


 リサは衝撃を受けた。まさに青天の霹靂といっても良い程のショックを受けた。

「アンドロイド……?」

 リサの頭は、リックの言葉を上手く理解出来なかった。


 しかし、よく考えたら、リックが幼かった頃の記憶をまったく思い出せなかった。自分が出産したはずなのに、誰との子供だったのかということも思い出せないし、出産時の痛みも、授乳した記憶も、すっぽり頭から抜け落ちていた。


「そうだよ。僕はアンドロイドなんだ。会社と母さんが契約して、僕たちのこの関係が作られたんだよ。」

 リックが追い打ちを掛けた。その言葉に、先程まで感じていた優しさや思い遣りを、あまり感じられなくなった。

「契約? 作られた? 私とあなたの関係は嘘? そんなこと有り得ない。有り得るはずないじゃない。」

 リサの頭は靄がかかったようにぼんやりしていた。まるで記憶の一部を封印しているかのようにそこだけ良く思い出せないのだ。


「母さん、本当のことだよ。

 11年前に工場で生産された僕は、リース契約を結んだ母さんの家に連れてこられたんだ。契約内容は10年契約で自動更新。但し問題がある場合は、契約を破棄することもあるってね。」

 リックは淡々と事実を述べた。

「私がそんな契約を?まったく記憶にないわ。」

 リサは、思い出そうとするが、そんな記憶の欠片は、頭のどこにも残っていなかった。


「契約は事実だよ。僕の行動はすべて契約上の履行項目に従ってるんだよ。僕たちはアンドロイドだから、取引契約をしても人身取引に該当しないし、契約は合法なんだよ。契約した時に全部説明したんだけどね。忘れちゃった?」

 リックはリサとの契約は合法であったことを説明した。口調に優しさは残るが、声色は冷たくなっていた。


「そんなはずは……。」

 リサは、反論しようにも反論出来ず、声を詰まらせることしか出来なかった。


「敢えて言うなら、僕は学校になんて通ってないし、友達もいないし、秋からジュニアに通うこともないんだ。契約上にないことは出来ないからね。

 この11年間、母さんは僕の話をまともに聞いてくれなかった。だから、会社がね、僕を母さんの所に置いておくことは出来ないって判断したんだ。母さんは、母さんとしての資格がないって判断されちゃったんだよ。

 僕は、もうすぐ会社に返却されちゃうんだ。今日は最後のお別れだったんだよ。本当は、このまま黙ってお別れするつもりだったんだけど、このままの母さんじゃ駄目な気がして、きっと母さんのためにならないと思ったから、こうして真実を話したんだよ。」

 リックが重々しい口調で畳みかける。言葉は一つ一つ丁寧で優しさはあるが、リサにとっては聞くに堪えない言葉ばかりで、リックが突然冷酷になったように感じた。


「そんなこと、そんなことって……」リサはまだリックの言葉を飲み込めないでいた。「私が母親失格って。そりゃ、私はあなたのことをまともに子育てしてこなかった。あなたと向き合うこともほとんどしてこなかった。

 それでも、あなたという存在が、私を仕事に駆り立て、一生懸命頑張ることが出来たのよ。すべてはあなたのため、すべてはあなたのお陰だったのよ。

 それを今更失格だなんて。

 それに、失格なんて赤の他人が言える筋合いはないじゃない。ましてやあなたを奪うことなんて、絶対許さない。」

 リサは、ともすればヒステリックになりそうな心を、なんとか鎮めつつも、見た覚えのないリックの言う会社という組織に、怒りはふつふつと湧いてきた。


「母さん。いや、リサさん。あなたと我が社は、売買契約ではなく、リース契約を結んだんです。契約更新は、私との関係改善が条件だったのですが、私との関係改善が見られないため、契約を終了とさせていただきます。これは、会社の方針であり、私の一存で決めた訳ではありません。非常に残念です。」

 リックの口調は、子供の口調から、突然大人の口調になり、契約満了であることを無情にも宣言し、リサをバッサリ切り捨てるようだった。

 リサが受け入れを拒否しているのは、口調のせいだと判断したのか、リックは、とうとう子供であることを辞めて、ビジネスライクの口調へと変えてしまったのだ。


「だからといって、こんな一方的な話はないわよ。それに、あなたとの関係だって、これから改善すれば、きっと良い方に向かうわ。」

 リックの変化に気付いてないかのように、縋り付くリサは、目に涙を浮かべ、ハンドルを持つ手が震えていた。


「いえ、それはありません。これまで、何度もエマが警告し、再三改善を図るよう促してきたと思いますが、あなたは、その悉くを拒絶したのです。ですから、今回の結論は到底覆せるものではありません。」

 リサの懇願も虚しく、リックの態度は変わらず、きっぱりと一刀両断した。口調も元の子供のようになることはなく、淡々と話すリックに、感情の片鱗は見えず、完全にリサとの関係を断ち切ったようであった。


「エマって、エマが私に散々あなたとの時間を取ってって、あなたとの関係を改善してって言ってたのは、彼女からの警告だったのね。もしかして、エマって。」

 リサは、突然エマの名前が出たことに違和感を覚えたが、まさかということに思い至った。リサはそれを口に出すのが怖かった。信頼していたエマがまさかという思いは拭いきれなかった。しかし、リサの願いも虚しく、リックはまるでそれを叩き潰すかのように淡々と宣告した。


「そうです。エマは我が社の監視アンドロイドです。リサさんの私に対する育児状況を常に監視し、点数化した上で、あなたの為人《ひととなり》を分析していました。あなたは常に及第点に至ることはなかったのです。今回、強くエマはあなたに提言をしていたと思いますが。これが最後通牒となったことは本当に遺憾です。」

 リックの言葉に感情はなく、ただ与えられた原稿を読み上げるロボットのようであった。


 エマまでリックの仲間だったとは、嫌な予感が的中し、リサは絶望に苛まれ、頭が真っ白になり、これまでエマに頼り切っていた自分の愚かさに、心が張り裂けそうだった。

 しかし、リサはふと気付いた。エマはこのままでは「リックが壊れてしまう」と散々言っていたが、あの言葉はリックの身体ではなく、リックとの関係のことを示唆していたのかもしれない。


「本当に、本当にあなたは私の前からいなくなってしまうの?」

 リサは力なく、言葉を振り絞るように聞いた。

「はい。この後、ご自宅にて契約終了の手続きをしたら、お別れになります。」

 リックは非情にもそう告げた。


 別れ、という言葉を聞いたリサは、これまでのリックと過ごした11年間が走馬灯のように蘇った。しかし、そこには、リックが穏やかにベッドで眠る姿しか出てこなかった。仕事で遅くなった時も、接待で酒を飲んで遅くなった時も、社員がトラブルを招き取引先を駆けずり回って遅くなった時も、癒やしをくれたのは、リックの寝顔だった。しかし、リックが起きている姿を見たのは、ほんの数える程しかなく、そのほとんどを思い出せなかったのだ。

 リサは、この寝顔を守りたいと、仕事に邁進してきたことが、間違っていたのだと、今更ながらに気付き、リックを笑顔にすることが出来なかった、自分の行動を反省したが、時は既に遅かった。


「分かったわ。あなたとの契約がこれで終わりなのね。最後に一つだけ聞いても良いかしら。」

 リサは、不承不承納得したが、どうしてもこれだけは聞いておきたいと思ったことが一つだけ頭に浮かんできた。

「はい。なんでしょう。」

 リックは、首を傾げるように頷いた。

「私はあなたにとって、どんな存在だったのかしら。良いお母さんでなかったことは認めるわ。それ以外にあなたにとって私はあなたのどんな存在だったのかしら。」

 リサは、目の前のリックが、自分の大切な息子ではなく、単なるアンドロイドだったという事実に、胸の辺りが締め付けられるような苦しさを感じていた。リックに何か大切な言葉を掛けてやりたいという気持ちと、騙されたようなこの状況に何か言いたいという気持ちと、それを受け入れなければならないこの現実に、心は千々に乱れていた。

 しかし、それでも、漸く絞り出すような声で、この質問をしたのだ。


「あなたは、私にとって、まったく存在感のない存在でした。同居人であると同時に、エマを通して話をするあなたは、私にとって何者でもない、存在すら疑わしい人物であったと言えます。」

 リックは、子供の口調に戻すことなく、淡々と事実だけをリサに伝えた。そこには人間としての温かみや、思い遣り、そしてこれまで共に過ごしてきた年月の重みなど、まったく感じられない、淡々とした口調だった。


 辺りはすっかり陽も落ち、郊外から帰る道には薄暗い街灯の明かりしかなかった。リサは、二人の関係が終わりを迎える自宅へ向けて、車を走らせるしかなかった。


<完>



【後書き:2025年10月】


 ご一読いただきありがとうございます。

 2025年10月に提示されたテーマは【甘えたいなんて言えないな】【夕焼けの思い出】【子供のままじゃいられない】です。


 いつにもまして、またも難題です。自分の思考回路としては、まずはこのままの形でプロットを作ります。

 もちろん出来たのは、甘えたがりの男が、夕焼けに関する思い出を語り、子供のままではいられないと成長していく。そんなつまらない話です。


 で、次に考えるのは、言葉を文字通りとらないで、別の意味として曲解すると言う方法です。そこで出来上がったのは、地球に家族を残して任務に就く男の話で、家族に甘えることなく、ある調査惑星で夕焼けの美しい思い出を築き上げるが、その記憶はすべて作られたものであり、システムに依存した子供のままではいられないという物でした。


 結局、どちらにせよ、結論はつまらないです。

 こうなると、長期戦です。色んなアプローチをしますが、どれもピンときません。

 すると、ある日、お勧めに上がってきた、ナニーを紹介する動画を視聴しました。子供の成長をサポートし、その家の問題を解決していく様は、まさに育児のプロフェッショナルです。

 調べると、住み込みもあれば、通いもあり、その家と長期間に亘って関わっていくという仕事だということでした。

 ここに、ヒントがありました。仕事が忙しく育児が出来ない女性と、優秀な息子、そしてそこに雇われているナニーという相関図が簡単に出来上がりました。

 これをSFに落とし込むということは、もちろんアンドロイド、人工知能が常套手段です。ナニーを優秀なアンドロイドにすれば、育児のプロとして、この家の問題を簡単に解決してくれるだろう、そう考えました。

 しかし、やはり自分はひねくれ者です。優秀なナニーが問題を解決しても、何も面白くありません。そこで出来上がったのが今回のプロットです。

 働く女性が陥る、もちろん男性も陥る問題を、SFの世界に落とし込みながら、描いてみました。


 この作品をあなたはどう感じましたでしょうか。

 この作品が思索のきっかけになれば幸いです。

 次回は11月になります。よろしくお願いします。



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