第951話 「我が儘ケヴィンの恋①」
『魔法女子学園の助っ人教師』愛読者の皆様、いつもご愛読して頂きありがとうございます。
只今、書籍版第3巻の改稿作業中です。
今回も大幅加筆修正を行い、新エピソードも加わる予定です。
発売日等、詳細が決まりましたら、随時お知らせしますので何卒宜しくお願い致します。
ここは、王都セントヘレナに位置するヴァレンタイン王立魔法大学……
魔法大学は、通常の大学とは全く違う。
超常現象である魔法の未知なる力を拠り所として、魔法自体は勿論、様々な学問を習得する王国の最高学府である。
ルウは、エドモンの意味深な手紙を受け取り、意図を確認すると……
フランと簡単な打ち合わせをして、急遽大学へ魔法鳩を飛ばした。
幸いというか、ルウからの連絡が来た時、ケヴィンは大学に居た。
と、いうか先日魔法大学に赴任してから、彼はとても多忙であったので大学から離れられないというのが実情である。
王都在住に必要となる、様々な事務手続きは人を使って処理していたが……
それだけではなく、大学での勤務に備えて、学内手続きの煩雑さも大変であったからだ。
またケヴィンにとって喜ばしい事に、大学側からは即座に研究室を用意して貰えた。
その為、古代人工遺物研究の準備を急いでしていたのである。
結果、ほぼ毎日大学に缶詰状態であり、寝泊まりは職員用の宿舎で行っていた。
元々ケヴィンが、この王都へ来る原因となったのがルウなのである。
ルウが、バートランドのエドモン邸へ訪れた際……
ケヴィンは、ルウが持つ考古学への深い造詣にほれ込み、その場で『引き抜き』を敢行した。
当時在籍していたバートランド大学の講師、もしくは教授としてスカウトしようとしたのだ。
しかし、烈火のごとく怒ったフランによって『完全阻止』されてしまったのである。
そのルウが、今日は向こうから面会を求めて来た。
超が付く多忙とはいえ、ケヴィンにとって断るなどとんでもない。
ルウと話したくて、王都に越して来た?ケヴィンにとっては、渡りに船だ。
寧ろ「大歓迎だ!」とすぐに魔法鳩で、ルウへOKの返事を寄越したのである。
例のマンドラゴラ納品の用事もあり、ルウはすぐに大学へ向かい、副学長室を訪ねた。
そしてルウとケヴィンは簡単な挨拶を交わした後、すぐ本題へと入った。
ふたりの真ん中に置かれたテーブルには、届いたばかりであるエドモンの手紙が置かれていた。
ルウは、ケヴィンに対し、すぐ手紙の中身を見て欲しいと申し入れた。
こうなると、ケヴィンは躊躇わなかった。
すぐに、中身を確認したのである。
さすがにエドモンの実の息子……
ケヴィンは、すぐ父親の意図を理解した。
「ほう」とため息をついたケヴィンは、少しだけ遠い目をして言う。
「ふうん、シンプル過ぎるけど意味は分かる……父上、そこまで俺の事が心配なんだ……」
「まあ、そうですね」
「……でも、ルウ君はお人よしだ。考古学や魔道具談義ならともかく、俺のプライベートの世話なんて手間と時間が掛かって面倒なだけだ。適当にお茶を濁して、適当に父上には報告すれば良いのにさ」
「そうかもしれませんね」
「ははは、俺だったら絶対にそうする。人生は短い、長命のアールヴならともかく俺達人間はせいぜい80年から100年ぽっち、あっという間にあの世行きだもの。もう俺は40歳だし、自分が大事だと思うモノへ優先して時間を使いたい……人生、楽しまなくちゃ」
やはりケヴィンは、アデライドに似ている。
魔法と考古学というジャンルは違えど、考え方は近い。
血がつながっている事もあり、共通項が結構あると、ルウは思う。
「ですね、アデライドさんも同じ事を仰っていましたよ」
「あはは、やっぱりそうか! だが、それならば、どうして?」
「ええ、おこがましいですが、俺の周囲の人には出来る限り笑顔でいて欲しい。ケヴィン様は勿論ですが、特にエドモン様を笑顔にしてあげたい。確約は出来ませんが、俺なりにベストを尽くす……そんな理由ではいけませんか?」
ルウが言う事は正論だと、ケヴィンは思う。
創世神も同じような事を教義に示している。
だが、自分への見返り無しにそんな事をする人間は殆ど居ない。
まあ、ルウならばと、ケヴィンも納得する。
今回、もし上手く行っても、栄達を求めたりなどしないだろうから。
ルウのそんな無欲な部分が、あの頑固な父が気に入った理由なのだろうか?
そんな事を考えながら、ケヴィンは尋ねる。
「あの気難しい父上の笑顔……ねぇ。う~ん、……父上の笑顔って……確かにルウ君、君くらいにしか見せないね」
ケヴィンは父エドモンの顔を思い出し、苦笑した。
不思議な事に、他人のルウと話している時のエドモンは、超が付く好々爺となってしまう。
そう、まるで、単なる孫大好きな年寄りだ。
「ですか?」
「ああ、そうさ。俺達息子は勿論、実の孫にでさえそうさ。いつもしかめっ面だ」
「ならば尚更、俺、やれる事だけはやりたいです」
「俺が迷惑だと言っても?」
ケヴィンは、軽く牽制してみた。
ノーを突きつけたら、ルウがどのような反応をするか気になったのである。
しかし、ルウはあっさり言う。
「確かにお節介ですね。でも、全然迷惑そうには、見えませんが」
「ははは、言い切るね。何故だい?」
「もしOKしたら、俺が実際にどんな事を自分にしてくれるのか、気になっているのではないですか? 考古学とは全然関係ないのに」
「ははははは! 何だよ! 俺の気持ちがそこまで分かってしまうのか? ここだけの話だが、君にはやはり大学へ教授として来て欲しいよ」
「光栄ですが、そのお話、今の所は却下します。フランの逆鱗に触れますから……」
「ああ、そうだった! 君はフランちゃんの逆鱗だったね」
ケヴィンはつい思い出し笑いをしてしまった。
あの時のフランは別人のように怒っていた。
絶対に許さないという剣幕であった。
しかし仲直りした今となっては、笑って話せる話だ。
ケヴィンの様子を見たルウは、一気に畳みかけて来る。
「じゃあ、OKですね。時間もないので、今からすぐに取材させて下さい」
「取材?」
「俺の考えている事がいくつかあります。その作戦が使えるかどうかの調査です」
「おお、事象の調査、そして事実確認、設問の解答、そして学説の確定か……何か大学での会話っぽくて良いな!」
「ははっ、じゃあこれから質問をしますから、いろいろ教えて下さい」
「良いよ、女性経験とか、本当にヤバイもの以外は正直に答えるから」
こうしてルウは……
ケヴィンから、『いろいろ』と聞き出したのである。
いつもお読み頂きありがとうございます。
東導の別作品もぜひ宜しくお願い致します。
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※『魔法女子学園の助っ人教師』とはまた一味違った、ヴァレンタイン王国のんびり田舎ワールドです。
※本日11月13日朝、更新予定です。
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故郷に帰りたかった青年が謎の死を遂げ、15歳の少年になって異世界転生!
バトルは少々ありますが、基本は田舎の村で美少女達とスローライフ。
畑を耕したり、狩りをしたり、魚を釣ったり、結婚した美少女達と日本の昔遊びなど。
スローライフ最中、自らの転生の謎を解き、様々な人々と、出会い&別れを繰り返す。
結果、逞しい『ふるさと勇者』へと成長して行く話です。




