七日目・「変なことしてました?」
『そう×って騙×うとするんだ』
ノイズ交じりの音に顔をしかめる。
なんだこれは。
『じゃあ、今はどっちな×かすぐに×かるようにしない×ね』
あまりにも不愉快で瞼を強くつぶり、開ける。
ノイズが消え去ったのはありがたいがついでに何も聞こえなくなった。おまけに見えもしない。
だめじゃん。
知らない間に両方潰れてしまったのだろうか。
知らないといえば、さっき誰かとあってすごく焦った記憶はあるのだが。なんだっただろうか。
とにかく全身がひきつるように痛いのは確かだ。
右肩はどうしようもないとして、どうして古傷が大騒ぎしているのか。
クエスチョンマークばかりが増えていく。
「?」
腕を誰かに叩かれていることに気付く。
不思議に思っていると聴覚も徐々に回復してきて誰かが叫んでいることが認識できるようになった。
ただ、それは怒っているんじゃない。必死な声だ。
まてよ、私は今何をしている?
そう思った瞬間にそこらを漂っていた意識が一気に戻ってきた。
手は? どうしてこんな形をしている?
――絞めている?
暖かいものを、絞めている?
「!?」
慌ててそれから手を離す。
瞬間、あたりの景色が鮮明に私の目に飛び込んできた。
ここはどこだ。いつの間にこんなところに来たのか。
「お兄さん?」
「や、やぁ…よかったね、なんというか、取り返しがついて」
何故か私に跨がれていたお兄さんは涙目でむせながら苦笑していた。
なんで組み伏せられているのこの人。
「わ、私、変なことしてました?」
「まあ、していたことはしていたかな…」
ウソだ…。
穴があったら入りたい。
こちらの話が短かったので二話更新です




