プロローグ
「私達の全てを奪う忌々しい死神!!」
血の海と化した部屋で、女は俺を罵った。女の腕に抱かれた血だらけの男。この男には連れがいたらしい。
部屋は血の海だった。俺はドアをくぐり、外に出る。始末完了。
・・・そうだ。確か俺は死神と呼ばれていた。
「う・・・血も涙もないのかよ・・・アンタ人間なんかじゃねぇよ・・・死神だ・・・」
目の前で血だらけになった男。俺は何も言わず、引き金を引いた。
そうだ・・・俺は死神。血も涙も、心も無い。人間には戻れないはずだった。
「公社の操り人形め・・・地獄に落ちろ・・・」
忌むように俺を睨んだ、血だらけの男がそう言った。
俺は操り人形。自分で考えて行動できない、人形。
フラッシュバック。そしてブラックアウト。
幾らでも罵れ。俺は他人から全てを奪った。
地獄に落ちろ、操り人形、死神。
分かってる。地獄から這い上がろうとも、苦痛から逃げようとも思わない。
消せない罪。消せない記憶。全部背負っていく覚悟はあった。
「ねぇ、キミっておもしろいね」
女の声がする。人懐っこく、耳障りで、だけどどこか安心したあの声。
面白い?気は確かか?
「ねぇ死神くん、今度どっか行かない?」
なんで俺に優しく接してくれたんだ?こんな俺に…
なんで俺に恐れず接してくれたんだ?俺は一般人には戻れないのに。
「・・・大丈夫・・・誰かのために・・・涙を流せるって事は・・・キミは死神じゃないよ・・・」
何で俺を人間だって認めてくれたんだ?俺はそんな奴じゃない。俺に人として生きる権利は無いはずなのに。
俺は泣いていたのか?心は捨てたはずなのに?なんで俺は?・・・
俺が弱いから?それとも人の心を取り戻したから?
なぁ、俺と出会わなければもっと世界は開けたのか?なぁ答えてくれ・・・。
男は夢から目覚めた。時計の針はAM5:00を指していた。
真冬にも関わらず、日差しが少し差し込んでいる。
「夢・・・か」
初めてで未熟なところもありますが、宜しくお願いします。




