第17話 見張り
灯台内部の入口付近で、キュウタと会うとは予想外だ。
1周目でも出会ったのは灯台だけど、今回もなのか。
アイウエオやエスティーヌには出会わなかったのに、キュウタは変わってねぇのかよ。
キュウタは、2年ぶりの再会に驚いている。
「俺は灯台で、ひっそり暮らしてたんだ」
灯台の屋根裏部屋みたいなところで住んでいるのは、キュウタだった。
使われてないから、勝手に住み着いてるみたい。
食料が無くなったから買い物に行ってたみたいで、荷物を持っている。
屋根裏部屋に案内するというので、ついて行くことにした。
警戒しながらキュウタの後ろで階段を上る。
キュウタのギフトが何かわからないので、警戒しないと。いきなり王様を殺すような奴だ。
屋根裏部屋で雑談することになった。
僕は異世界の情報を話さないで、高校のときの話とかで会話を逃げた。
キュウタは2年間の異世界をペラペラと笑って喋る。ところどころ犯罪行為が混ざってるな。
今買い物してきたという食べ物も、お金を払っていないという。盗みじゃねぇか!
僕は異世界で盗みはしたことない。
苦しい生活も悪者にはならない範囲で生きてきた。
キュウタがやばい人間性なのは理解する。
「俺と組まないか?懸賞金は山分けな」
キュウタは転移者を一緒に倒そうと提案してきた。
信用できる相手ではない。後ろから刺してきてもおかしくない奴だ。
断りたいのだが、キュウタのギフトが何かわからない。答える気はないようだ。
僕が【スナイパー】なのは隠している。いざとなれば撃つか。
僕は一時的だとして組むことにした。
灯台を交互に見張る。いつ転移者が来てもわかるようにだ。
組んだはいいが、他の転移者は来るのか?
キュウタは灯台から離れる気はないらしい。
たまたま灯台に来た転移者の首を斬るという計画だ。恐ろしい。
計画性もなく、釣りをして待つような感覚だ。
実際に僕は灯台に来てしまったが、他の転移者は知らん。
隙を見てキュウタを狙撃することもできるが、僕にそんな度胸はない。今は仲間のフリをするか。
ある日、遠くから転移者の1人が灯台に向けて歩いている。
ミミサイコーだった。
魔王だったミミサイコーが、こんなところに来るとは。
キュウタの指示で、灯台入口の外であいさつすることにした。
「あ、情報通りドーダロ君にキュウタ君いた!久しぶりー」
情報通り?
僕とキュウタがここにいるのを知ってて来たのか?
どこで手に入れた情報かわからないが、ミミサイコーは目的があって来たみたい。
ミミサイコーの目的は予想ついてる。僕達の懸賞金目当てだろう。
「アタイって今お金なくてー、2人には悪いんだけどー。ごめんね、死んでくれる?」
甘えた声でとんでもないこと言ってきた。
やっぱり懸賞金目当てじゃねぇか!
転移者はみんな金のことしかないのかよ。すぐ殺そうとするじゃん。
ミミサイコーは1周目で魔王として変身して、倒すのに苦労した相手だ。
【スナイパー】でも勝てる気しない。
ミミサイコーは両手に剣を持った。見覚えがある。
ギフトの【二刀流】だ。
1周目でスタンファイブだったギフトを、今回ミミサイコーが持っていたのか。闘技場ではえらい目にあった能力だ。
キュウタの指示で、灯台の中に逃げることにした。
【転移者状況】
【男性】
ドーダロ 生存
(エスケープ→スナイパー)
キュウタ 生存
(スナイパー→???)
スタンファイブ 生存
(二刀流→???)
ギュウドン 生存
(トラップ→???)
ソポス 生存
(1周目不在→???)
【女性】
カリン 生存
(催眠→???)
エスティーヌ 生存
(バリア→???)
ミミサイコー 生存
(風→二刀流)
アイウエオ 生存
(探偵→???)
残り9人
転波乱(てんはらん/Tenharan)とタイトル略してます。
周回ありサスペンスありの異世界デスゲーム作品です。完結まで構成を用意してから投稿を開始しました!
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※本作は「カクヨム」にも掲載しています。




