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その魔法少女は物理系  作者: 須美音
第一部
22/50

22

お姉さんに手伝ってと言われ、ついて行った先は人気の無い路地。

そこで魔法少女5人が姿を現したのだった。


「魔法少女コンテスト優勝って可愛いだけで雑魚だろ(笑)」

「お嬢さん、可愛いのと強いのは別なのよ(笑)」

「その可愛さで神をも魅了するってかー?(笑)」

「可愛さ最強でも強さはどうかしら?(笑)」

「その可愛い顔面をぐしゃぐしゃにしてやんよ!」


5人はそれぞれトウコを挑発するような事を言っているが、トウコは別の解釈をしていた。


(こ、こいつら…俺を可愛いと思ってる…)


「お姉様、この者共を処分するご許可を!」


ミリアは怒りで今にも暴れ出しそうな表情をしているが、握りしめた拳を震わせながら何とか我慢をしている。


「わ、分かった。殺さないように…」


トウコが言い終わる前にミリアはダッシュで移動し盗賊の1人を殴り飛ばした。


(うーむ…キレると武術を忘れ、以前の戦い方になるのは今後の課題だな…)


「こいつ、魔法が通じねえー!」

「ギャアァー」

「あ、悪魔だ…」


盗賊達は次々とミリアによって再起不能にされたのだった。


「終わりました、お姉様」


「う、うん、ご苦労さん…」


自分でやった方が遥かにマシだと思ったトウコであった。


トウコとミリアは気を失った盗賊達を引きずってギルドへと連れて行った。


「えっ!? ま、また盗賊を捕まえて来たのですか!!」


ギルドの受付嬢は日に二度も盗賊を捕まえてきた事に相当驚いている。

この街でギルド所属の魔法少女では一人も捕まえる事が出来なかったからである。


「あっ、で、ですが…捕まえた盗賊は騎士団の方に連れて行って頂きたいのですが…」


(えっ!? 捕まえた盗賊ってギルドじゃなく騎士団とか言う所に連れて行くものなの? 報酬とかあるから、てっきりギルドかと思ってたわ…)


「お姉様、やはりこの者…即刻処刑すべきかと」


受付嬢はミリアを恐れ腰を抜かしている。


「まあミリア落ち着け。おい、ねーちゃん。捕まえた盗賊はここでいいんだよな?」


「もももも、勿論で御座います!」


受付嬢はこれ以上怒りを買わない様、恐怖にかられながらも必死に答えた。

トウコは頷いてギルドから出ようとしたら、1人の魔法少女がギルドに入ってきた。


「もー、超急用ってなんですかー」


入ってきた魔法少女は無気力感を漂わせている。


「ああ! ヌエットちゃん! 丁度良い所に!」


受付嬢は入ってきた魔法少女を見て非常に安心した表情になった。

無気力魔法少女の名はヌエット。

御者の件で受付嬢が言っていた適任の魔法少女。


「ヌエットちゃんお願い! この方々を馬車で盗賊団のアジトまで送ってあげてほしいの!」


「いやいや、送るだけなら仲間に頼むわ! 当然往復だ!」


受付嬢の送るだけ的な言葉に対しトウコは往復を要求した。


「ええっー、めんどくさいから嫌ですよー、もう帰っていいですかー?」


(何だこいつのやる気の無さは…)


「お姉様…」


「魔法は使うなよ」


例によってミリアが殴る許可を求めて来たと判断したトウコはミリアが言い終わる前に返答をした。

トウコが言った瞬間にミリアはヌエットの腹部に掌打を打ち込んだ。

だがヌエットはとっさにトンファーを取り出しミリアの掌打を受け止めた。

しかしミリアの威力に押され外まで吹っ飛でいった。


「この世界にもトンファーとかあるんだな…ひょっとして、これもこっちが元祖とか?」


「その可能性は考えられるじゃろ」


トウコは魔族がトンファーを使う姿が想像出来なかったが、今はそれよりも2人が気になるので外へ出た。


「ほほぅ。あやつ、能力ブーストと思考ブーストを使っておるのぅ」


「ゲームにそんな魔法無かったよな?」


「ブースト系はレア魔法じゃ。ゲームを作った者が知らん魔法はゲームにも無いじゃろ」


以前、トウコ(トオル)がプレイしていたゲームはこの世界から転生した者が作ったのである。

転生者は全ての魔法を知っている訳では無いので、ポン太が言う様に知らない魔法はゲームにも存在しない。



トウコは2人の戦いを眺めていた。

2人は激しい攻防を繰り広げているが、ミリアの方が若干押され気味。

ミリアは一切魔法を使ってはいないが、格闘戦において、魔法全開の魔法少女と互角に戦えるのは日頃から鍛練を怠ってはいない武術訓練の成果。

武術の心得が無い以前のミリアでは魔法無しで、ここまで善戦出来てはいなかった。


ミリアの戦いを見て、鍛錬の成果を実感したトウコは2人の間に入って戦いを止めた。


「ミリア、日頃の鍛錬の成果が出てるな。実に見事な攻防だった」


「し、しかし、お姉様、私はこの者を倒しておりません!」


「いやいや、相手は能力ブーストと思考ブーストを使ってるし、魔法無しで互角の戦いは見事だわ」


「なっ、ななななな何で分かったんですかっ!!」


ヌエットは自分が使った魔法をトウコが正確に言い当てた事に驚いている。

それはヌエット自身も珍しい魔法と知っていたからである。


(まあ、俺が知ってた訳じゃ無いが、ここは俺が知ってた(てい)でアレするとしよう)


「俺くらいになると当然の事だ。そんな事より明日アジトの往復宜しくな!」


トウコの問いに対しヌエットは最初やんわりと断ったが、トウコに戦力としてカウントしてないと言われ、多少カチンときたものの、若干の安心もあった。

戦闘に参加しないのであればと、しぶしぶ了承したのだった。


次の日。


ギルドに行くと受付嬢に、まだヌエットは来ていないと言われた。


「ほほぅ、あのガキばっくれやがったか…これは、きつーいお仕置きが必要だな」


「お姉様、では先ずこの者を見せしめに八つ裂きにしては如何でしょうか」


受付嬢はミリアに睨まれ腰を抜かしている。

しかし、まだ待ち合わせ時刻の30分前だったのでトウコはミリアを(なだ)め時間まで待つ事にした。


そして、待ち合わせ時間の10分前になってヌエットが現れた。


「いやー受付さんにも時間厳守って言われたので頑張って早く来たですよー…って、な、何か皆さん…空気が…」


指定時間より早く来たので浮かれた感じで登場したヌエットだったが、周りの空気の重さに言葉が止まった。


「お姉様に20分も待たせるとは…」


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