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その魔法少女は物理系  作者: 須美音
第一部
21/50

21

ギルドの依頼で盗賊討伐の為、ルバモリウとか言う街に来たトウコ一行。

食堂的な店で一悶着(ひともんちゃく)あった次の日、ギルドへ向かう途中にチンピラ魔法少女達にからまれたのだった。


チンピラ魔法少女の拉致宣言に対しトウコが話をしている最中、エリーザが口を挟んできた。


「あ、貴方達! ここにおられる方々は殺神のトウコお姉様と…」


エリーザはいつものように、トウコとミリアの名前を言おうとしたら、チンピラ魔法少女の1人が更に口を挟んできた。


「ふふっ、お前等がそうだったのか。知ってるぜ? 昨日何処かの店で暴れまくった、頭のおかしい人殺しの何とかって奴だろ?」


(全く分かってねーっ!! しかも何故か俺が暴れた事になってるし…しゃーない、このモブ共は俺が行動不能にしてギルドに連れていくか…)


「ミリア、こいつらは…」


「はい、お姉様」


トウコが言い終わる前にミリアはチンピラ魔法少女達を殴り倒し再起不能にした。


「終わりました、お姉様」


例によってミリアが先走った事に関しては彼女のやり切った感を出している表情を見て、トウコは何も言えなかった。


「あ、ああ…ご苦労さん…じゃ、じゃあこいつらを連れてギルド行こうか」


トウコ一行はチンピラ魔法少女達を連れてギルドへと向かった。

その頃、この光景を陰から見ていた者がいた。

その者は足早にその場を立ち去ったのだった。


ギルドに到着し、チンピラ魔法少女達をギルドに引き渡した。

捕まえた連中は例の盗賊の一味だった。


「さ、流石ミリア様で御座います…依頼前に盗賊団のメンバーを捕えるとは…」


ルバモリウのギルドに現在在籍している魔法少女では盗賊団に勝てる者は残ってはいない。

ギルドの受付嬢は改めてミリアに盗賊団の討伐依頼をお願いし、知っている限りの情報を教えた。

トウコ達は盗賊団のアジトに向かう為ギルドを出ようとしたら、エリーザは受付嬢にある物を渡していた。


「こ、こちらは…」


受付嬢はエリーザに大きな紙を渡されて困惑している。


「これは神殺しの異名を持つ、現存する最強の魔法少女、殺神のトウコお姉様のポスターで御座います! 目立つ位置に貼っておいて下さいませ!」


エリーザはこの為にトウコポスターを持ってきていた。

このエリーザの行動に珍しくトウコは何も言わなかった。


(何か異名と最強が追加されているが…人殺しの何とかって覚えられるよりはマシか…)


トウコは盗賊討伐に向かう為、エリーザには街で待機するよう指示をした。

しかし、エリーザは一緒に行くと言い張って一歩も引かなかった。

相手は猛者揃い、エリーザやお付きの者が人質にされる可能性を指摘すると、暫く考えつつもエリーザは同行を諦めたのだった。


盗賊のアジトまでは馬車で数時間の距離にある。

街と街を繋ぐ定期馬車では盗賊のアジト近辺すら通過しない。

そこで多少値は張るがタクシー的な個人馬車を利用する事にした。

しかし、そんな危険地帯に好んで行く者はおらず、全ての者に断られたのだった。


「お姉様、ギルドの馬車を利用するのは如何で御座いましょう」


ミリアはギルド馬車を提案してきた。


「えっ!? そんなのあったの??」


「はい。御座います」


(そんなのがあるなら、馬車を探す前に言って欲しかったぜ…)


2人は再びギルドへ向かった。

ギルドに到着するや否やトウコは豪快にドアを開けた。


「おい、ねーちゃん! ギルドの馬車で俺達をアジトまで連れていけっ!」


「い、いえ、その……ば、馬車はあるのですが…」


ギルドの受付嬢は歯切れの悪い言い方をしていた。

話を聞くと、御者(ぎょしゃ)を行う者が居ないと言う事だった。

そこで受付嬢はトウコに馬の操作をするように提案してきた。


「はぁ? お姉様に御者の真似事をしろと? お姉様、この者を八つ裂きにするご許可を」


受付嬢の提案に対しミリアは怒りをあらわにした。

受付嬢は腰を抜かし恐怖に震えている。


「まあ待てミリアよ。そいつに馬車の運転をさせよう」


トウコはからかい半分で少し意地悪い感じで言った。

すると受付嬢はパニックになりつつも必死に適任の魔法少女が居る事を説明しだした。

それは戦闘に特化した魔法少女だが、所謂(いわゆる)引きこもりで、先の盗賊討伐の招集にも応じてはいない。

無理矢理にでも連れて来るので明日まで待って欲しいとの事だった。


トウコは受付嬢の言葉を信じ、今日は街でゆっくり過ごす事にした。


昼食をとる為、高級店を探しながら街を練り歩くトウコとミリア。

一般的な食堂だと妙な連中に絡まれる可能性があるので、それを回避する為。

少し歩いていたら、清楚なお姉さんに声を掛けられた。


「ちょっと、そこのお二人さん。少し手伝って頂けないかしら?」


トウコとミリアは案内されるままお姉さんについて行くと、そこは人気が無い路地だった。


「つ、連れてきました…」


お姉さんは誰かにトウコ達を連れてくるよう命令されていただけなので役目を終え何処かへ行ってしまった。


「お前等だな? 今朝、我々の仲間をギルドに引き渡したのは」


奥から5人の魔法少女が姿を現した。


「これを見ろ! お前が殺神のトウコだろ! ネタは上がってんだよ!」


そう言うと盗賊魔法少女がトウコのポスターを目の前に突き付けた。


「お前等ギルドから盗んだのか…盗賊かっ!」


「盗賊だっ!」


トウコは黒歴史ポスターを盗賊に盗まれたと思い、妙なツッコミを入れたら盗賊も負けじと言い返してきた。


「ふふっ、こんな物いくらでも複写魔法で量産出来るぜ。今頃は姉さんにも届いてるだろう…お前はもう終わってんだよ!」


今朝の一件を盗賊の1人が目撃をしていた。

その盗賊はギルドからトウコ達が居なくなってから普通の魔法少女の振りをしてギルドに入り、トウコとそっくりのポスターを発見して複写したのだった。


「安心しろ! お前等を今朝のモブ盗賊に合わせてやる!」


「今更そんな事を言っても無駄だ! お前はこの場で死ぬんだよ!」


トウコは留置所で再会させるつもりで言ったが盗賊は別の意味で捉えていた。



一方その頃。



盗賊団のボスで皆から姉さんと言われている者がポスターを見て激怒していた。


「こ、これは……許さない、許さない、許さない、絶対に許さない!!」


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