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051 拷問

あんまりひどいことはしてないよ!

「んー? お前自分の立場がわかってないようだな? 私の言うことを聞かねばお前の両親は……」


 あれは……。


「うぅ……」


 夜、指示通り寝室に向かうとロッステル子爵がメイドの一人に言い寄っているシーンに出くわした。


「こうやって余計なことに首を突っ込むから毎回姫様の機嫌がギリギリになっちゃうんだよなぁ……」


 でもまぁ、見てしまった以上は見過ごすのも気分が悪い。


「ご主人様、今日は私を可愛がっていただけるのではなかったので?」

「おや、お前は……」

「待ちきれません。すぐにでも、お部屋へ」

「ほ、ほう……ぐへへ……良いぞ。望み通り存分に可愛がってやろうではないか」


 醜く顔を歪ませたロッステルを引っ張るようにメイドから距離を取らせ部屋に入る。


 部屋の中に警備の人間でもいればと思ったが、それもないらしい。無防備だな……まぁメイド相手に何かされるとは思ってないものか。


「ではまず……」


 ロッステルの太った腕が俺のほうに伸びてくる。

 部屋中に魔法を張り巡らせ、周囲の人間が入らないようにしてから変装を解いた。


「は……?」

「この国のことについて、知っていることを洗いざらい吐いてもらおうか」

「貴様何者だ!?」

「余計なことを喋るな」

「ぐぎゃぁあああ」


 壊さないように身体を極める。

 場合によっては指から順に……みたいな拷問をやることもあるんだが、今日は身体は綺麗なままにしておきたいからな。


「まずこの地域、帝国が攻め込んできたときお前はどうしていた?」

「ぐっ……ぁ……わかった! 話す! 話すから」


 たったこれだけですっかり大人しくなったロッステル。拘束だけして話をさせることにした。

 だが拘束した裏でコソコソ何かを探り始める。


「探してるのはこれか?」

「それはっ!」


 ポケットにあったのは警備を呼ぶための魔道具だった。

 その手のものは全て確認して先に押さえてある。


「ちなみに助けを呼んでも来ないぞ?」

「まさかお前……警備を……」


 何もしてないんだが勘違いして絶望しているのでそのままにしておく。


「こんなことをしてただで済むと思うなよ……」

「まだ立場が分からないようだな」

「ぎゃぁあああ」

「大げさな……」


 肩を外した。

 これなら後で直せるしな。


「さて、順に話せ」

「ぐっ……」


 ロッステルの口から出た言葉は、こちらの予想を越えて酷いものだった。

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