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異世界で隠しキャラやってます  作者: 鳥鼠 ゆき
5章神霊編

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準備完了と特別な賓客

お祭りの準備、沸き立つ雰囲気が大変なのに心地良い。

学生の頃の文化祭なんて、遠い彼方だけれど、やはり未だに懐かしいものなんだな。子供たちにも出来るだけ楽しい思い出を作って欲しい。



その為には、補助教師としてきっちり働かないとな。


「各種許可も取れた、調理器具の手配……うん。問題ないっと思う……多分大丈夫」

お肉の確保も順調だ。

最初の週でコッコーが目標の半分も捕れなかった時は、どうしようかと思ったけれど。どうにもならなかったら俺が補填しようと思ってたけど。

でも、途中で巨鹿(ジャイアントディア)と遭遇して、確保できたので良かった。

大型の魔物である巨鹿(ジャイアントディア)が居たからコッコーが、遠くに逃げてて見付からなかった可能性は高いが。


あと数日あるので、もう少しだけコッコーを足せればと思うけれど、鹿肉だけでも十分だ。


ああそれと、ちょっと吃驚したのが、調理師とかが学園から斡旋して貰えたことだ。販売や接客の人員も、子供たちがお家から人手を連れて来ている。

貴族の学校だからかな、生徒も手伝うけれど基本的には人員を使う立場を崩さないらしい。


そうなると、やっぱり派手な演舞をしたい気持ちが強くなるのか。当日のやっている感というか、理解は出来る。

其方の方も予定提出済みだ、午前と午後に二回ずつ。屋台の直ぐ後ろにスペースを確保してあるので、焼き肉を食べながら見られるぞ。



「クラスの方の発表も、良いものが出来そうですよ」


「アトラスさん……ま、まぁ本当に勉強にはなってると思いますけど」

極めて地味で、担任クラスの生徒達からは不評ですけれど。ただ、展示物自体は良いものが出来そうなのは本当だ。

その上展示や説明だけなので、当日生徒達の自由時間は多くなりそうで、一応バランスは取れている……か。


「ふんふんふんふん、ふ~ん♪」


俺が渡したメモ書き片手に、入れ替わりで図書室から借りてきた魔導書を読み解き、アトラスさんは上機嫌だ。

彼が闇属性の新しい魔導書も書いてくれると、助かるけれどな。


「クラスの方で展示に使える魔導書も、纏めておきますね」


「はい、宜しくお願いします」

外部に閲覧禁止の物もある。ケースに入れての展示、手に取れる形での展示と……確り管理しないとな。

人気が無いと言っても高価な魔導書だから。


そんな事をしていると、誰かが研究室にやって来た。誰かって言うか、マローナさんかなこの気配。


「失礼します! シン君大変なのよ!」

ノック四回、扉を俺が開けた瞬間彼女が入って来た。

どうしたんだ、また何かトラブルでも発生したのだろうか?


「マルコ先生隣人際一緒に見て回りませんか?」


「え、あ、いえ」


「それは兎も角、聞きましたか!」


「えっと如何したんですか?」

今日も元気で、忙しいなマローナさん。

授業の合間の休憩時間って十分くらいしかないのに、走ってきたのだろうか。あと1時間で授業は終わり、そこから午後はお祭りの準備の為の時間になるのに、待てない内容なのかな?


「毎年、隣人際に有名人を呼んだりするんですけれど。あ、それでどうですか? 一緒に見て回りませんか?」


「うん? そうらしいですね」

文化祭に卒業生のアーティストとか芸人呼んだり、有名人に講演して貰ったりする。あれと同じ様なことが、魔術学園でもあるのは聞いている。


「それでね、私の人脈でどんな方が来るか、情報を手に入れたの。隣人際でデートよデート!」


「ちょっと落ち着きましょう、当日私は忙しいので一緒に見て回ったり出来ませんよ」


「ええ……」

ええ……じゃない。どさくさに紛れて、デートとか、その、約束を取り付けようとしないでください。


「で、それが如何したんですか?」

何か問題になるような人物でも来るのかな。

アトラスさんにも視線を向けると、首を横に振られた。学園長の親戚であるアトラスさんが知らないとなると、辺境伯家で呼んだ来賓なのだろうか。


「展示物には教師が採点を付けるので、マルコさんも一回りはして下さい」


「ね、やっぱり!」


「そっちは今は置いておきましょうよ、予鈴鳴りますよ」


「そうそう大変なのよ、なんと賓客として招かれるのは、妖精の加護を得た聖女様らしいのよ」


「へぇ~そうなんですか」

誰が来るんだろう。俺も知ってる人かな?


「そうなんですかって、大変じゃない!」


「大変じゃないんですか?」

アトラスさんまで、なんで大変だと思っているんだろう。あ、あーえっと、アトラスさんは俺が悪魔だとまだ思っていて、不味いことになると思っているのかな?

あれでも、ブローチの件でいい加減本当の正体に気付かれたと思ったんだけれど……んん??


「相手によりますけど、急に戦いになったりしないので大丈夫ですよ」

まぁ誰だったとしても、好かれては居ないだろうな、俺は満遍なく広く迷惑を掛けている自覚はある。


あ、予鈴鳴りましたね。

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