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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第11章:秋のできごと

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休養にテスト

 準々決勝に勝利した俺たちは疲労して帰郷した。県都はやや遠い。

 一日休養日の明日金曜日を挟み、いよいよ土曜日が最大の目標の準決勝だ。


 監督は本当に明日を休養日にした。

「各自30分汗をかく程度のジョグ。それだけだ。学校は休みだよな?」

 当然授業はあるのだが、勝ち進んだ場合大会中の解釈から、公休扱いとなるらしかった。

「家族とか恋人とかリフレッシュがいいぞ」

「家族はともかく、早名以外は彼女いません」

「ああん?近所に犬猫いるだろ」

 ほんとに問題発言で出場停止とかになりませんように。


 帰宅するとすぐに千種。

「千種ってなんて鳴くんだ?」

 ペット代表に質問したが、普通に言葉で返される。

「おかえり」

 …まあ一番の癒しか。


 マッサージを受けながら話す。

「ホームラン打ったのね」

「こっちで決め打ちしたの初めてだった」

「あと一勝か」

「先発だってさ」

 手を止めて思わず俺を覗き込む。

「ついに幸平の時代?」

「気が早い…どころかそんな時代来るかよ」

 再び千種は手を動かしながら

「来るように祈ってる」


 土曜日になかよし水泳会チームで応援することになったらしい。

「ヒメたちも行くって」

「珍しいな。初めてじゃないか?」

「マロが積極的なの。山形くん幼馴染なんだって」

 山形が?そう言えば初めて会った時に

「水泳部だけは遠慮してんだぜ」

 とかなんとか言ってたな。あの二人…そういうことなの?

「そういうことらしいよ」

 千種は格段変わらずに答えた。


 明日は軽く流して光太郎とキャッチボールするか…。

「ね、明日家にいるの?」

「軽く走りたいけど、それ以外は」

「和田さんとこ行って休んだ分や、昨日とか授業遅れてるでしょ?」

 そう言えば。

 勉強なんてものあったな。

「帰ってきたらテストするよ?」

 ペット扱いしたからか?


「ん?」

 …気の所為だと信じたい。


 束の間の休養日のあと、試合。

 恒例となってきた監督の作戦発表。

「今日は正攻法でいくぞ」

 また大差のコールドになるんじゃ…とざわめく選手たち。


 あの監督また…やったな。

 守備位置こそセカンド一条、ピッチャー早名だけど打順を上位と下位入れ替えた。

 6〜9番を1〜4番に上げ、後は黄田が5番…となった。どんな意図が?

「たぶん縺れるぞ」

 それだけ?

 まあ上位と下位が替わっても、並びは確かに変わらないものな。


 試合は後攻。

 俺はマウンドに立つ。アップの田所からの返球がきちんとグラブへ。

 あいつは落ち着いているようだ。

 そして俺も。

 バッピの実力を見せつけてやる。

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