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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第11章:秋のできごと

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コーチを面接した日

「いやあ、転勤の話があってさ」

 相原コーチは席に戻ってこんなことを言う。日本でも有数の大きなスイミングスクールだ、稀に転勤の話はあったと思う。


「な、幸平。おまえの県に橋本姉妹が行っただろ」

 なんだろ、この流れ。

「この間の…なんか地域大会で北玲が復帰して話題になったよな」

 ええ。

「いつの間にか…ほらおまえと同じ種目を優勝した大場?とか橋本の長女もいるし、すごいよな」

 らしい間違いを正すのもどうかと軽く流して、

「日本記録を上回ったって…あんなチームのコーチしてみたいよな」

 うーん、ますますこの流れ。

「なんかモデルも参加してるとかさ、やりがいありそうじゃないか」

 それコーチも知ってる美也子です。


 実はスタッフ拡充…が問題だった。元さん一人では素人から見ても量が多すぎ、体の負担のこともある。いくら美樹が関連の大学を卒業したとしても…最低6年半は待たないといけない。

 それに千種が有能だとは言え、水泳チームのデータ作り等の残業すらしてる事態だ。

 おそらく車の運転ができ、フットワークの軽い…できれば男性が必要だった。


「コーチ、転勤は望んで?」

「正直気は進まないんだよな。九州だし、娘もあまり環境が変わることが良いとも思えないし」

「近くなら?」

「俺元々東京だろ?できれば近くが…ってなんの話だ?」

 とにかく…今のところから転居すること自体は問題ないらしい。家族のためにできれば今後再度の引っ越しをすることのない環境であればなおさらのこと。


 実績は俺だ。専門外の種目で日本一を産んだ手腕…を玲先生はどう評価するだろうか。

「プロ野球は好きです?」

「たぶん平均的だぞ」

「ひいき球団など」

 コーチは遊佐さん、依田さんのチームをあげた。

 おそらく行朝さんや玲先生の面接はクリアするだろう。


「実はこっちの早名さんですが、その北玲さんのチームの…」

 道は繋がるだろうか。


 ・・・

 かなり端折って現状を伝えた。

 残念ながら給与面やその他の環境はさっぱり分からない。だいたいこの動き…名前すらないな、なかよし水泳会関連にしよう…の責任者も良く分からない始末だ。

 千紗さん?ご本人は大学に戻るってことだし。

 橋本薫さん?闘病中だ、元気が溢れてるけど。

 あーいっそコーチに押し付ければ…。


「…驚いた」

 話しながら俺自身も嘘みたいに感じていたから、コーチの感想はもっともだと思う。

「まあ…魅力的だよな?」

 話だけですけど。

「あの北玲をコーチできるんだぞ?」

 本人を知らないから…。あの舌禍事件…。

「水泳界で北玲を…北玲さんを悪く言うやつがいるわけないだろ。あれはマスコミと…世間が悪い」

 そうなんですか?

「だいたい協会があのことを…って幸平に言っても仕方ないか。うん、考えてみたいから詳しい話を聞いてみたい」


 ひとまずの結論は早かった。


 問題は責任者だ。全体を俯瞰してるのは…。

 姉だろうな、やっぱり。

こうやって幸平くんも当事者になっていくのです。

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