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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第11章:秋のできごと

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169/201

六条美也子のままで

 別室でどんな会話がなされたのか、美也子に聞く機会はないだろう。

 数時間美也子と華さんは話していた。


 玲先生に持ち込まれた話…美也子の動画出演に関して行朝さんと誠心さんは角度を変えつつ討論した。

 リスクは少ないし抑止力としては過不足ない…そう結論を出した。まず本人の意向、諾とするなら、大杉元さんの管理が始まる事務所があとは進めることになる。


 姓は…六条猛さんの意思を思えば今すぐ和田にすべきなんだろうけど、これもまた美也子の意思を尊重することになる。

「別姓の議論があるから結婚するときにって選択肢は選ばないほうが…」

 行朝さんが言うと

「幸平くんがもし良かったら美也子ちゃんと…なんて思ったこともありましたけど」

 と、誠心さん。

 あ。千種が起きたな。

「なんか悪寒が急にしたような」

 …なにもないよと背中を撫でた。


 早めに方針が決まったので、行朝さんと誠心さんは別室の二人を待つべく、プロ野球の話を始める。

 千紗さんは俺たちと。

「大学は隣町?」

 国立大学の名を千紗さんはあげる。

「どんなことするんですか」

「ビッグデータの解析とか活用法かしら」

 歴史とかそっち方面と思ってました。


 静かにドアが開く。

 二人は付かず離れずの距離で入室。

「15年は二時間で埋まらないものね」

 えっ…と誠心さんが驚く。

「もっと話さないと」

 ああ…未来が開けたのか。


 幾つか二人で決めたことがあるらしい。

 一つは六条猛さんの意思に沿うが、しばらくは六条の名のまま美也子がいること。一つは生活環境も今のままで…ということ。

「千種先輩と先輩がいるから」

 そして…仲間がいるからだと。

「あたし秘蔵っ子、だし」

 それ、玲先生の言ったことだよな?

 残る一つは…華さんを…お母さんと呼ぶこと。


 誠心さんは今後のことを二人に相談した。

「有名になれってことですか?」

「公に近い人になる意味合いが強いかな」

 と誠心さん。

「叩かれたりするのは嫌」

 美也子は躊躇う。

 それはそうだ。

「水泳をしたいのでしょう?幸平くん、この子どうなの?」

 明らかに半年前とは違う美也子への態度をしつつ華さんは問う。どこかそれは母、清に似て。

「おそらく個人として大会に出ればすぐに新星(ニュースター)ですよ。つまり…」

 有名になるのは時間の問題だ。だからその前にある程度コントロールができる動画出演を、むしろ好機にした方が良い…と考えを伝える。


 美也子は了承し、華さんはそれを追認した。これで、ひとまず和田家を訪れた目的は達成された。

 今晩泊まることにした美也子を残して、俺たちは隣町へ。千紗さんの明日の予定はこの町だ。

 宿へ入る。ツインが二部屋(もう一部屋の美也子用はキャンセルした)、部屋割りは…今夜のお楽しみだ。


 ふと思い出す。

 誰も触れなかったが…誠心さんと華さんが子を成さなかったのはなぜだったのか。

 今夜千種に聞いてみよう。



今話は非常に難しく時間がかかりました。千種さんが大人しいです。

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