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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第10章:三馬鹿、三人娘、三姉妹

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雨の夕べの噂話(前編)

 どうしても数学の解答に至る過程が納得できないからと、俺はファストフード店に光太郎に呼び出された。結果までが腑に落ちないから、が理由なのが光太郎らしい。こんなわがままは…嫌いじゃない。


 そして店に着いて本人に向かっていく途中で、突然横から腕を捕まれた。

 こんなところで誘拐?


 なわけもなく…あれ?キントキさん?

 唇に人差し指をあてている。

 内緒…じゃなくて静かに…か。

 ちらっとキントキさんを見る。

 比較的小柄でショートにした黒髪の少女は、特徴的な大きな瞳を学生服の三人組に向けている。


 …ああ、三馬鹿いるじゃん。

 盗み聞きなんて良くないよ、キントキさん。

 と思いつつ彼女の前にしれっと座る。

 だってねえ?面白そうじゃん?


「やっぱ一番は早名先輩だよな」

 陽気なアメリカンが口火を切る。

「ひとつ上と思えないだろ?一番美人だし、静かだけどなにか強いって言うか…」

 光太郎も英国紳士も同意らしく頷いている。


 おまえら嫉妬した時の千種の怖さを知らないから…と顔を顰めると、眼前のキントキさんは俺を見て…薄く、まるで困ったように笑う。

 いつもヒメさんや橋本と(一学期はキントキさんと橋本が同じクラスで、個別に二人は仲がいい)一緒にいるから目立たないが、それなりに…語弊があるか…かなり可愛らしい部類である。


「口にしたらいけない気がする」

 光太郎。

「なんだよ、幸平先輩に遠慮してんの?」

「勝手にいろいろ言ったらいけない気が…」

「GODか」

「『女神様』がしっくりくる気しないか?」

 英国紳士が口を開いた。

「えーっ…うーん確かにそうかも、な」

 千種…おまえまた信者を獲得したぞ。本人もまわりもまるで布教してないのに。

 三人は少し黙っていた。お祈りかなんかしてんのか?


「高校生って大人の感じするよな?」

 やはりアメリカンは空気を読まない。

「あー確かに」

 英国紳士は相槌もうてる。

「それに比べたら同級生とかさあ」

「幼いって言うか」

 やはり思春期は国を問わずアホになる。

 紳士ではなくてただの英国野郎だった。

 二人とも見た目だけで中味はDTど真ん中の日本人なんだけど。


「光太郎の中学にすっげぇ美人と可愛い天才が転校してきたらしいじゃん」

「えっ…」

 意外だったのか、光太郎は言葉に詰まる。

「…六条さんと由麻さん」

「ちょ!由麻さん?」

「なんだよ、もう知り合いか?」

 食いつく英と米。

「ほら、水泳の三冠の妹なんだって」

「おまえの姉ちゃんと同じ三冠王か」

 なあ、ロゼ。それ野球だ。


「橋本姉妹って有名らしいよ」

「三姉妹じゃねーか?」

「あと誰よ?」

「確か…佐久間さんとか?」


 なあ光太郎?そんなボケで笑うの俺くらいだせ?


さすがに「品定め」は時代的にタイトルにできないのでこれくらいの題にしました。続きは書け次第ですが、できれば本日中に投稿できたらいいな。

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