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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第8章:母はきませり

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ハッピーライフ

「明日から検査入院だからさくらが来たらお願いね」

 千種ちゃんの家にお邪魔した翌日お母さんから勅命がくだった。

 頓服が予想以上に効果があるらしく、こちらに来てから苦しくなることはないらしい。

 ほんと…葉さんには感謝の言葉しかない。


「さくらはアメリカだから、結菜」

「はい」

「あたしにもしもがあった時は、あなたが決めなさい」

「えーと…どんなことを?」

「料理屋の方はアパート代二部屋分くらい毎月振り込みになるわ。細かいことは葉さんにご紹介いただいた弁護士さんに聞いて」

 店名も料理もそのまま引き続き別の方が経営するんだって。監修代?みたいなものらしい。少し変わった暖簾わけなんだろうか。


 驚いたのはあと1店舗も経営していたこと。もう一つは女性が接待するお店。どんな風なジャンルになるのか、「あなたは知らなくていいわ」とお母さんは詳しく教えてくれなかった。それなりに良い女性を集めるのに時間もお金も十分にかけて、やっと回収が始まるところで完全に手放したらしい。

「そっちは完全に売ったからまとまった金額になったけど、できれば手をつけずに生活を維持できるように考えなさい」


 いきなり。

 もしかしたら拗ねてた方が楽だったかもしれない。

「娘三人に平等になるようにしたけど、由麻はまだ中学生。さくらはたぶん日本には戻らないでしょう。だから」


 いらない…とは言うべきではないんだろうな。

 あたしが願ったのは強い姉になること…由麻に悔いのない水泳人生を送ってほしい。

 それがあたしのやるべきこと。


「勘違いしたらダメよ」

 へ?

「あなたは幸せになるように頑張るの。自分のために」

 お母さん…!

「その前に私が再婚してハッピーライフすごすんだけどね」


 そう言う人だった…。


 それなら。

 それが一番じゃない!


「ところで相手いるの?」

「結菜よりは先にみつかるんじゃない?」

 あーそう!!

 とっとと見つければ?

 再婚したらあたしができる一番の憎まれ口でたくさん祝福してあげる。


 あたしは母よりも早く彼を見つけようと決めたのだった。

ひとまず結菜編の一区切りです

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