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【実話】なんで私はこうなる?  作者: 月白ゆう


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9/15

コーヒーで終わった話

シフォンケーキが美味しいお気に入りのお店がある。

ログハウス風の落ち着いた店内。

木のぬくもりを感じる空間で、お気に入りの席に座り、シフォンケーキとコーヒーを楽しむ。

その日は、本当に幸せな時間だった。

……ほんの数秒前までは。

突然。

頭に冷たいものが降ってきた。

「えっ!?」

次の瞬間には、髪も肩も服もびしょ濡れだった。

何が起きたのか分からない。

見上げると、二階席。

どうやらお客さんがアイスコーヒーをひっくり返したらしい。

しかも、このお店はログハウス。

二階の床も木でできていて、板と板の隙間からコーヒーがそのまま一階へ落ちてきたのである。

そんなこと、ある?

映画や漫画の話ではない。

現実である。

お気に入りだった新品のワンピースは、見事にコーヒー色へ染まった。

頭からコーヒーを浴びる経験なんて、人生でそう何度もあるものではない。

できれば一度も経験したくなかった。

もちろん、事故だ。

コーヒーをこぼしてしまうことは誰にでもある。

私だって、謝ってもらえれば「仕方ないですよね」で終わったと思う。

でも。

聞こえてきた言葉は予想外だった。

「アイスでよかった」

そして、コーヒーまみれで涙が出てしまった私を見て、

「泣くほどじゃないでしょ」

そう言った。

……そういう問題なんだろうか。

私は何と返せばよかったのか、今でも分からない。

幸い、お店の方はすぐに対応してくださった。

何度も謝ってくださり、お土産まで持たせてくれた。

本来なら、お店に責任がある出来事ではないかもしれない。

それでも最後まで気遣ってくださったことは、本当にありがたかった。

だから、このお店が嫌いになったわけではない。

むしろ、あの時のお店の対応には感謝している。

ただ、コーヒーまみれの髪と服のまま帰る道は、とても長く感じた。

シフォンケーキは相変わらず美味しかった。

お店の雰囲気も、今でも好きだ。

でも、「ログハウスの二階席の真下」に座ることだけは、もうない。

人生には、思いもよらないものが上から降ってくることがあるらしい。

できれば次は、コーヒーじゃなくて幸運でお願いしたい。

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