第370話 キャロライン達からの「提案(?)」と……
本日2本目の投稿です。
「一緒にストロザイア帝国に行きましょう!」
「一緒にストロザイア帝国に行こう!」
そう言ったキャロラインとアデレードに対して、
「「ちょっと待てーい!」」
と、ツッコミを入れた春風とレナ。
その時には春風は既に跪いた状態から立ち上がっていて、そんな2人のツッコミに、周囲がポカンとしていると、
「……は! お、俺としたことが!」
「わ、私としたことが!」
と、春風とレナがハッとしながらそう口を開いて、
「も、申し訳ありません、ついツッコミを……」
「私も、申し訳ありません」
と、2人してキャロラインとアデレードに向かってそう謝罪した。
その謝罪を聞いて、
「あらあらぁ、いいのよ2人ともぉ」
と、キャロラインが「おほほ」と笑いながらそう言うと、
「でもぉ……」
と、すぐに表情を笑顔から困り顔に変えて、
「今この場で言えないとなると、やっぱり帝国、それも皇帝陛下の前で言うしかないんじゃないかなぁ?」
と、春風に向かってそう尋ねてきたので、
「キャロライン皇妃様のお話はわかりますが……」
と、春風も困り顔でそう返事すると、
「「ちょーっと待ったぁ!」」
と、それまで黙って話を聞いていたヴァレリーとタイラーが、キャロラインに向かって1歩前に出ながらそう声をあげた。
その声を聞いて、
「あら? 何かしらヴァレちゃんにタイちゃん?」
と、キャロラインがそう返事すると、
「その呼び方やめろ!」
「その呼び方やめてください!」
と、ヴァレリーとタイラーが同時にそう怒鳴ってきたので、それにキャロラインが「えー?」と文句を言いたそうにしていると、
「アンタ、何勝手に話進めてるのさ!」
「そうですよ! その2人は僕達のレギオンが予約しているんですから!」
と、ヴァレリーとタイラーが更にそう怒鳴ってきたので、
『え、そうなの!?』
と、凛咲とミネルヴァ、そして歩夢らクラスメイト達が一斉に春風とレナに視線を向けながらそう尋ねると、
「「いやそんなわけないから!」」
と、春風とレナは「違う違う!」と手をブンブン振りながらそう否定した。
そんな2人の言葉に、ヴァレリーとタイラーが「むー」と頬を膨らませていると、
「はぁ……」
と、フロントラル市長のオードリーは溜め息を吐いて、
「キャロライン皇妃様、ヴァレリーさんとタイラーさんの真似をするつもりはありませんが、『市長』である私を無視して勝手に話を進めないでください」
と、キャロラインに向かって呆れ顔でそう言ってきた。
その言葉を聞いて、
「えー? そう言われても、もううちの夫は春風ちゃんを迎え入れる気満々なんだけどぉ。これに関してはアーデちゃんも賛成しているし、この私だって、こうして春風ちゃんに出会って、彼を帝国に迎え入れたいって思ったんだから。勿論、レナちゃんもね」
と、キャロラインはそう反論し、それを聞いて、
「む? ヴィンセント皇帝陛下も彼を狙っているのですか?」
と、フレデリックがキャロラインに向かって首を傾げながらそう尋ねると、
「そうよフレディちゃん。うちの夫、春風ちゃんのことを聞いて、『是非帝国に迎え入れたい』って思ったんですって」
と、キャロラインがフレデリックに向かってそう答えたので、
「「んな! あ、あの強欲皇帝めぇ〜」」
と、ヴァレリーとタイラーは「ぐぎぎ……」と呻きながら、この場にいないその皇帝陛下とやらに向かってそう悪態を吐いた。
そんな2人の言葉に、
(う、うわぁ。あの2人があんなに怒るなんて。一体ヴィンセント皇帝陛下ってどんな人なんだ!?)
と、春風は戦慄していると、
「それにね、ストロザイア帝国に行くことは、春風ちゃんにとって悪い話じゃないのよねぇ」
と、キャロラインがチラッと春風を見ながらそう言ったので、
「え? それってどういう意味でしょうか?」
と、キャロラインの言葉に春風がそう反応すると、キャロラインは「ふふ」と小さく笑って、
「会いたいでしょ? 桜庭水音ちゃんに」
と、春風に向かってそう言った。
その言葉を聞いて、春風が「え?」と口を開くと、
「……それってどういう意味かしら?」
と、春風の隣に立っていた凛咲が、キャロラインの言葉に目を細めながらそう尋ねると、
「あら、あなたは確か、歩夢ちゃんと美羽さんに『マリーさん』って呼ばれてた人よね?」
と、キャロラインも凛咲を見てそう尋ね返したので、
「はじめまして皇妃様。私は陸島凛咲。春風と水音の、『師匠』をしている者よ。ああ、因みに、『マリー』はニックネームね」
と、凛咲はキャロラインに向かって太々しい感じの口調でそう自己紹介した。
その自己紹介を聞いて、
「あらそうなの? じゃあ私も、『マリーちゃん』って呼ばせてもらうわね!」
と、キャロラインが表情を明るくしながらそう言うと、
「ええ、構わないわ」
と、凛咲はコクリと頷きながらそう返事して、
「それで、私の弟子ある水音について聞きたいんだけど」
と、最後にそう付け加えると、
「単純な話、今、水音ちゃんはストロザイア帝国で頑張ってる最中なの」
と、キャロラインは何故か不敵な笑みを浮かべながらそう答えて、それを聞いた春風は、
(あ、そういえば水音、ストロザイア帝国に旅立ったってヴァレリーさんが言ってたな)
と、今になって思い出したかのようにハッとなった。
そんな春風を無視して、
「それに、帝国にいるのは水音ちゃんだけじゃないわ。進ちゃんに耕ちゃん、祭ちゃんに絆ちゃん、そして祈ちゃんもいるわよぉ」
と、キャロラインが笑顔でそう言うと、
「え、えぇ!? 近道君に遠畑君、出雲さんに晴山さんに時雨さんも!?」
と、春風はギョッと目を大きく見開きながらそう驚き、その後すぐに歩夢らクラスメイト達を見ると、
「「「「「うんうん」」」」」
と、皆、コクリと頷いた。
そんな歩夢達を見て、春風が「マジか……」とショックで倒れそうになったが、どうにかそこで踏ん張ると、表情を真面目なものに変えて、
「教えて、ユメちゃんに美羽さん、そしてみんな。俺がみんなのもとから去った後、一体何があったの?」
と、歩夢と美羽を交互に見ながらそう尋ねた。
その質問に対して、
「う、うん。わかった」
と、歩夢がそう返事すると、美羽と他のクラスメイト達と共に、春風にルーセンティア王国で何が起きたのかを説明し始めた。




