第13話 そして、「覚醒」
本日は大事なお知らせがあります。
後書きの方に書きました。
それは、春風の『魂』が、新たな『肉体』に宿った時のことだった。
(ん? 何だ? 『声』が聞こえる?)
意識を失う直前、何処かで「声」が聞こえたのだ。
それは、明らかに人間の声ではなく、まるでコンピュータなどから発せられる機械じみた音声のようなもので、その「声」はこう言っていた。
「神『オーディン』との『契約』を確認しました」
「神『オーディン』との『契約』により、契約者『雪村春風』の肉体は、異世界『エルード』に適応出来るようになりました」
「異世界『エルード』の『現在の理』により、契約者『雪村春風』は『ステータス』を表示出来るようになりました」
「表示される『ステータス』の項目は、『名前』『種族』『年齢』『性別』『職能』『レベル』『所持スキル』『称号』となります」
「それに伴って、契約者『雪村春風』は、称号『異世界人』『神と契約を結びし者』を入手しました」
「また、覚醒したばかりの為、契約者『雪村春風』は、レベル1からのスタートとなります」
「神『オーディン』との契約により、契約者『雪村春風』の種族は『神の分身』となりました」
「それにより、契約者『雪村春風』は、種族専用スキル『神眼』を入手しました」
「契約者『雪村春風』より、『強い意志』と『強い魂の輝き』を確認しました」
「それにより、契約者『雪村春風』は、固有職能『見習い賢者』の能力に目覚めました」
「それに伴って、契約者『雪村春風』は、称号『固有職保持者』を入手しました」
「更にそれに伴って、契約者『雪村春風』は、固有職保持者専用スキル『無限倉庫』を入手しました」
「固有職能『見習い拳』の覚醒により、契約者『雪村春風』はスキル『鑑定』『風魔術』『炎魔術』『水魔術』『土魔術』『魔導具作成』『秘薬調合』を入手しました」
「また、契約者『雪村春風』個人の能力により、スキル『体術』『料理』『細工』『隠密』『偽装』『偽証』『嘘発見』を入手しました」
「スキルの吸収を確認」
「スキル『鑑定』『嘘発見』は、種族専用スキル『神眼』に吸収されました」
「以上をもちまして、契約者『雪村春風』のステータスは、以下の通りになります」
名前:雪村春風
種族:神の分身
年齢:17歳
性別:男
職能:見習い賢者
レベル:1
所持スキル:「神眼」「無限倉庫」「体術」「風魔術」「炎魔術」「水魔術」「土魔術」「魔導具作成」「秘薬調合」「料理」「細工」「隠密」「偽装」「偽証」
称号:「異世界人」「神と契約を結びし者」「固有職保持者」
「これで、『神』との『契約』は終了となります」
「お疲れ様でした」
そう「声」が聞こえた後、
(何か、凄いこと言われてる気がするけど……)
と、春風はそう疑問に思ったが、それからすぐに、
(ああ、駄目だ。どんどん……意識が、遠くなっていく……)
春風は、意識を失った。
それから暫くすると、
「……い」
(ん?)
「……ーい」
(誰かの声が聞こえる?)
「おーい、春風くーん」
という声が聞こえたので、
「う、うーん……」
と、それを聞いた春風がゆっくりと目を開けると、
「……あ、オーディン……様?」
そこには先程契約を結んだ神であるオーディンの顔があった。
いや、オーディンだけではない。彼の周りには、春風の祖国「日本」の主神であるアマテラスをはじめとした、多くの「地球の神々」の顔もあったので、それに気付いた春風は、
「……あ、おはようございます」
と、少々寝ぼけた感覚でそう口を開くと、
「うん、おはよう」
と、オーディンはニコッと笑顔でそう返事し、彼に続くように、アマテラスら他の地球の神達も、
『おはよう』
と、春風に向かって笑顔でそう言った。
その後、意識が大分ハッキリとしてきので、春風はゆっくりと自身の上半身を起こすと、
「気分はどうだい? 春風君」
と、オーディンがそう尋ねてきたので、春風は首を動かしたり、両手を握ったり開いたりしながら「うーん」と唸って、
「……なんか、変な感じですね」
と、苦笑いを浮かべながらそう答えると、
「ま、一度分解されたからね」
と、オーディンは「あはは」と笑った。
すると、
「……ん?」
と、春風は自身の体をペタペタと触ると、
「オーディン様。すみませんが、俺の服何処ですか?」
と、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら、オーディンに向かってそう尋ねた。
どうやら、自身が今、全裸だということに漸く気がついたようで、その質問に対して、
「ああ、それなら……」
と、オーディンが答えようとすると、
「ここにあるぜ」
という声がしたので、春風とオーディンが「ん?」と声がした方へと振り向くと、そこには春風の服と上履きを持っているゼウスがいた。
そんなゼウスを見て、
(あれ? ゼウス様今まで何処にいたんだ? ていうか、何で俺の服を持ってるんだ?)
と、春風はそう疑問に思ったが、
(まぁいいや。今は服があったってだけで良しとするか)
と、気にしないことにした。
その事で、後に少しだけ後悔することになるが。
まぁそれはさておき、それからすぐに、春風はゼウスから服と上履きを受け取ると、早速下着(勿論下から)から着始めたが、
「……ん?」
と、何かに気付いたかのように首を傾げたので、
「どうしたの春風君?」
と、アマテラスがそう尋ねると、
「なんか、背中に変な感じが……」
と、春風はなんとも言えない微妙な表情でそう答えた。
その答えを聞いて、
「ああ、それなら……」
と、オーディンがそう言うと、何処からか大きな鏡を取り出して、それを春風の目の前に置いた。
その鏡を前に、
「あ、ありがとうございます」
と、春風はオーディンに向かってそうお礼を言うと、早速その大鏡に自身の全身を映した。
そして、それに映った自身の素顔を見て、
「……もう少し男っぽい顔にして欲しかったなぁ」
と、春風は忌々しいものを見るかのような表情でボソリとそう呟いたので、
「こらこら。いきなり顔が変わったら、君の大切な人達がびっくりするじゃないか。それに、親に貰った顔に対して、そんなこと言っちゃあいけないよ」
と、オーディンに注意されたので、その言葉に春風は「むぅ」と頬を膨らませながらも、
「すみません」
と、オーディンに向かってそう謝罪した。
その後、春風は改めて大鏡に映った自身の姿を見ると、
「……え? 何で?」
自身の背中に、普通の人間には決してある筈がないものがあったので、春風は恐る恐る、そのある筈がないものに触れた。
(ちょ、ちょっと待って。これって……)
そして、ゆっくりと後ろを振り向くと、
「……な」
その背中には、大きな赤い翼が生えていたので、
「なんじゃこりゃあああああああっ!?」
それを見た春風は、目を大きく見開きながら絶叫した。
どうも、ハヤテです。
大分話が進みましたので、そろそろ他の小説投稿サイトでの投稿準備に入ろうと思います。