銀の猫亭
ナルミは階段から顔を見せると…
「誰!?」
スキンヘッドの男が暴れていた。
「誰!?」
同じ事を2回も言ってしまうナルミ。
「ああ…!?お前だな?
ナルミって野郎は」
「いえ、人違いです。
私はアルミです」
「正直者だな?」
スキンヘッドの男が近づいてくる。
「自らナルミと名乗るとはな?」
階段の途中で立ち会うナルミ。
「いえ、アルミですよ?」
スキンヘッドの男の前でしらを切る。
「だから、ナルミだろ?」
…この人、名前ちゃんと聞いてないな?…
スキンヘッドの男はナルミの顔に顔を近づける。
男の息からアルコール臭が匂う。
…酔っ払いか…
ナルミは諦めて聞こえてない男の右耳を引っ張る。
男の顔が痛みにより歪み始める。
「てめえ…何しやがんだ!」
男はナルミの手を振り払い右耳を押さえて蹲る。
「聞こえない耳には愛の鞭です」
「誰が、あ、素敵だって?」
「いや、褒めてないから。
褒めてたら耳引っ張る事をしないでしょ?」
相当酔っ払ってる男の聞き間違いに
ツッコミを入れてしまうナルミ。
「いい加減にしてください!
もうすぐ憲兵来ますからね!」
下のフロアに居た女将が階段にいる
スキンヘッドの男へと忠告する。
「え?イカにしてください?
もうすぐ出来ますから?」
「「いや、言ってないから!」」
男の耳には都合の良い事しか聞こえてないらしい。
ナルミが呆れてるとガタガタと入口から
音が聞こえてくる。
「憲兵がやっと来たんだわ」
「え?毛が生えてきた?」
「だから言ってないから!」
女将がツッコミを入れると
銀の猫亭に憲兵達が入ってきた。
「女将、酔っ払いが暴れてると
通報がありましたが間違いありませんか?」
「ええ…この人です!」
女将が階段にいるスキンヘッドの男に
指を向ける。
「ああ?」
男はゆっくり憲兵の方へと顔を向ける。
「え…隊長?」
「「え…?」」
1人の憲兵が呟くとナルミと女将が声を合わせる。
「隊長!何してんですか!
また酔っ払って迷惑掛けるなんて…」
「ああ…?お前らか…
酔っ払ってなんかねえよ」
「「ちゃんと聞こえてる!?」」
ナルミと女将が隊長の言葉に耳を疑い
声が揃う。
「女将、申し訳ありません…
こちらからも言い聞かせますので
また明日伺わせていただきます…」
「隊長なんて滅多に現れないから
驚きましたよ…」
憲兵が隊長を同行していく中で1人の憲兵が
女将に謝罪に向かう事を伝えると
女将が隊長を初めて見る事を伝える。
「まぁ、激しい二日酔いと
書類仕事がある人なので
滅多に出ないので仕方ないですよ」
憲兵は頭を下げると銀の猫亭から憲兵が消えていく。
「お客様、申し訳ありません…」
「大丈夫ですよ。
明日に備えて寝ますね」
「いい夢を見れますように」
女将に見送られて借りた部屋へと辿り着く。
なんだか慌ただしい1日だったと思いながら
ベッドに横になる。
目を瞑り気付いたら鳥の囀りが聞こえて
朝日が部屋に差し込み出す。
「朝か…寝た気がしない…」
俺はベッドから出ると伸びをして
軽く運動してからベッドに座った。
トントントン…
「はい?どうぞ」
扉をノックする音が聞こえ返事をすると
そこにはアルスとアビットがいた。




