ファステ町
モークシャの森出て初めての町ファステ。
アルスとアビットに連れられて
門を抜けるとそこには大きな建物が並んでおり
如何にも昔の西洋の建物達が建っていた。
「ナルミさん?どうしましたか?
ぼ~っとして」
「あれだろ?村と違うから驚いてんだろ?
最初に来た奴らは皆そうだからよ」
アルスとアビットに言われてハッとする。
「すいません…建物の威圧感に圧倒されて…」
「仕方無いですよ。
でも、この町で圧倒されてたら他の街では
驚きすぎて危ないかも知れないですね?」
「ガハハハハ!そうだな!
この程度で驚いてたら冒険者なんてできないぞ?」
「慣れるように頑張ります…」
大都会に住んでたら高層ビルなどで慣れるかも
知れないが思ったよりも西洋過ぎて
そっちに驚く。
「さて、ナルミさんは冒険者になるで
良いんですよね?」
「あ、はい。何か必要な物とかありますか?」
「ウ~ン…無いな!」
「無いんですか!?」
「本来なら手数料で金取られるが
俺達と行くなら大丈夫だろ?な、アルス?」
「そうですね…今回限り私が払いますから
大丈夫ですよ…」
アルスが曇った顔をしてそっぽを向く。
「アルスさん…自分が払いますから大丈夫ですよ!」
「冗談ですよナルミさん。
僕達が保証人としてついていくので
お金が掛からないんですよ」
アルスがナルミに対して笑いながら告げる。
「アルスさん…保証人とは?」
「ああ、俺達はこの町で憲兵してんだわ。
だから保証する人が居たら
ギルドに登録出来るんだ!
驚いたか?俺たちが憲兵って知ってよ?」
「アビットさん…
僕のセリフ取らないでくださいよ…
まあ、言わなくても知ってましたよね?
ナルミさん?」
憲兵って知りませんでした…
「知らないって顔してるぞ?」
「まさか…僕達の服装で分かりますよね?」
よく見たら憲兵っぽい姿してるな?
…知ってたふりしとこ…
「知ってましたよ。
とりあえず冒険者ギルド行きましょうか!」
ナルミは2人から顔を逸らして道を歩く。
「…知らなかったみたいだな?」
「ですね…」
「何か言いました?」
「いや、何も言ってないぞ。
俺達についてこい!
初めての町で憲兵と一緒にいるのに
迷子になったらこっちの顔がたたないからな?」
アビットが先導し町を歩く。
真ん中にナルミがいて後ろにアルス。
途中子ども達がアビットを見つけると
名前を言って手を振るのでアビットも
笑顔で手を振り返す。
「さて着いたぞ。
ここが目的地の冒険者ギルドだ!」
他の建物に比べて少し横幅がある建物に
たどり着いた。
「他の建物に比べて少し横幅がありますね?」
「この冒険者ギルドでは食堂も兼用してますからね。
だから他に比べて大きいんですよ」
「ナルミが登録したら先ずは乾杯だな!」
アビットが嬉しそうに話すのを見て
アルスが町に来るまでの約束を思い出して
顔の目の位置に手を当てる。
「大丈夫ですかアルスさん?」
「ええ、大丈夫ですよ…」
「酒一樽忘れてただろ?ガハハハハ!
食堂で場所取りしとくから行ってこい!」
アビットが先にギルドへ入っていくので
自分達も遅れないように入っていった。
「いらっしゃいませ!
あら、アルスさんどうしましたか?
まだ森の調査は先だと思っていましたが…」
女性の受付がアルスを見て話しかけてくる。
「森の調査じゃないよ、
この人の登録をお願いしに来たんです。
本当ならアビットさんも…」
アルスがギルド入口付近にあるテーブルの所を
見ると店員に酒を頼んでいるアビットの姿を見た。
…憲兵ってことはまだ仕事中じゃないのかな?…
俺はアビットの姿を見て考えてると
「あぁ…あの人はいつもの事だからね…
分かりました。
では…この用紙に記入お願いします」
性別、名前等記入して
最後に水晶玉に血を1滴垂らす。
水晶玉が光ると下にある箱からカードが出てきた。
カードには…
名前:ナルミ、
ランクFが記載されていた。
「これにて冒険者の登録が完了になりました。
依頼関係は掲示板に貼ってあるものから
お選びください。
ランクより1つ上のものまでは受付出来ますが
2つ上になると出来ませんのでご了承ください。
以上になりますが何かご質問等ございますか?」
「いいえ、大丈夫です」
俺は登録を終えるとアルスと共に
アビットが座る席に向かった。
~ステータス~
名前:ナルミ、
魔法属性:土、
スキル:理解、転移、知恵、転ばし、保存、
会得、復元、オートマッピング及び
マップ更新、千里眼
持ち物:短剣、旅のお供に卵、異次元収納袋、
魔法:ホール、生活魔法