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第6話 戦闘前夜

第六話投稿です!

交渉パートはもう少しきれいにまとめたいものですね……頑張ります

 気付けば前のめりになっていたタルニさんは、大きく息をつき、椅子に座りなおした。

そのまましばらく顔に手を当てて考え込んでいた。

気まずい静寂……ほんとに大丈夫かなあ?


 ――10分か、それ以上の沈黙の後、タルニさんは口を開いた。

「……話は理解しました。ですがまだ納得はしていません。改めて、あなた達は何者なのでしょう?正体がわからないままでは、判断できません。」

そう告げて、こちらをじっとのぞき込んでくる。


 私が前に出て答える。潤田も頑張ってくれたし、ここからは私が頑張らないと!

「わかりました、正直に身分を明かします。私たちは、この世界『セロス』ではない、別の世界からやってきた魔術師です。

 ……前提として、世界というものは数えきれないほどの数が存在しています。そして世界間を移動している魔術師も同じく、数えきれないほど大勢いるのです。

 私たちに魔術を教えてくれた恩師は、この世界に近い世界に暮らしています。最近……師の感覚では、ですが。この世界の争いによる余波が師の住まいにまで届いて困っているため、どうにかして争いを止めるように頼まれ、私たちがこの世界へやってきました。

 本当は魔術師になりたての私たちではなく、師が出向くのが筋だとは思いますが……師は荒事による解決が主な方なので、それではまずいだろうという事で、私たちが代役として参りました。」

……ヴェリナさん、この会話を聞いてないといいなあ……。




 私たちが他の世界から来た魔術師だと聞いたタルニさんは、また前のめりになっていた。

「外の世界? 数えきれないほどの魔導士が、世界から世界を飛び移っている? 他の色の者たちと共存が出来るという話だけでも衝撃的でしたが、世界がそのような仕組みになっていたとは……。

 私は、洞に閉じこもっているだけではいけなかったという事ですか……?」

 どうやら、立て続けに予想外の情報が飛び込んだせいで、ショックを受けてしまったみたい。嘘だとは思ってないみたいだけど、信用してもらえるのかは怪しいかな?


 私は慌てて次にどんな言葉を言えばいいのか策を立てる。信じてもらうには……やっぱり潤田の力が必要かなあ。

「いろいろと衝撃的な話だったことはわかります。それではどうでしょう? 本当に他の色同士が共存できるのかを実際に目にしていただくというのは?

 争いの火種が、単純に違う色とは相容れないという思想からだったというのは聞いています。実際に潤田の魔術と、違う色と組み合わせる事で何が出来るようになるのかを知っていただく所から始めて、そのあと判断していただければと思います。」


 私の提案に、タルニさんは頷く。

「……わかりました。緑の一族が今後、どのようにするべきか。どれがあるべき姿なのか、あなた達の働きを見てから決めましょう。私たちも、変わるべき時が来たようです。」

 そこで一旦言葉を切って、少し遠くを見た後、やさしく微笑んだ。

「しかし、今日はじきに夜が来る。この村で一晩泊まった後、また会いましょう。ゆっくりと休息をとってください。異世界からの旅人、ウルダとカイラよ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 洞の外で待っていてくれたマーウィンさんにタルニさんが案内を頼み、私たちはマーウィンさんの家に泊めてもらう事になった。

なんとベッドがある。

久しぶりのベッドだ‼ 『次元の果て』、ベッドなかったからなあ……。


 マーウィンさん達エルフ族の料理はイメージ通り、野菜や果物を使ったものが多かった。

でも、鳥やイノシシ?の動物の肉を焼いて、柑橘系の果物のソースを使って味付けした料理なんかもあった。エルフの人たちって、お肉食べるんだ……びっくり。


「味はどうだろうか?君たちの舌に合えばいいのだが。」

「とってもおいしいです! どの料理もとっても新鮮で……果物のソースなんか絶品です!」

 果物の味も、野菜の味もとっても濃くてみずみずしかった。

日本のものとは比べ物にならない。マナの濃さがこんなところにも影響しているのかな?


「そうか、それは良かった。実は他人に料理を作った経験がなくてな……。いつもより気合をいれて作った甲斐があった。明日もタルニ様の所へ行くのだろう? 英気を養っていってくれ。」

 そういってほほ笑むマーウィンさん。

出会ったばかりの私たちにここまでしてくれるなんて、本当にいい人だなあ……。


「今日寝るところだけじゃなくて食事まで……本当にありがとうございます。マーウィンさんには感謝してもしきれません。」

二人揃って深々と礼をすると、マーウィンさんは慌てて手を振った。

「そんなに改まらないでくれ。緑の魔術が使える以上、我等は同胞だ。同胞ならば助け合うのは、我等にとって当たり前の事なんだ。

 ……それにそこまで感謝されると、その、照れる。」

顔を真っ赤にしてもじもじしている。可愛いなあこの人。


 この人たちの仲間への考え方はとっても優しくて素敵だなあ。もしこの考え方を他の色の人たちへも向けられるとしたら、和解はしやすそう。

……それもあって、ヴェリナさんは最初に森へ送ってくれたのかな?


 久しぶりのベッドの柔らかさに感動しながら、私はそんなことを考えていた。

「明日からも頑張ろうね、潤田。明日はタルニさんへの実演だよ。」

「ああ、そうだな。この世界での多色魔術は初めてだし、ついでに色々試したいな……。」

「そこまでやる気十分なら大丈夫そうだね、天才魔術師さん。おやすみ。」

「またそうやって……おやすみ。」



~今日のカード~

《安らかな休息》

自分のライフを大幅に回復できる、白の呪文。

ライフが0になるとゲームに負けてしまうため、意外とバカに出来ないカード。

とはいえ手札を増やせるわけでもモンスターを倒すこともないため、使われる場面は少ない。

《一族の結託》

指定した色を持つ召喚獣全てを強化する呪文。

二色以上の色を持つ召喚獣でも、指定した色さえ持っていれば等しく強化される。

イラストでは、様々な格好をしているエルフの人たちが描かれている。


読んでいただきありがとうございます!

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