表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/13

第5話 交渉、緑の長タルニ

第五話、投稿です。

とうとう最初の族長に出会えた二人でしたが……?


評価、ブックマーク等していただけると嬉しいです。

 マーウィンさんについていった森の奥には、活気に溢れているエルフの村があった。

私たちとは違い、どうやら商売は物々交換で行っているみたい。


 ……と、いうよりこれは「助け合い」って感じに近いかな?

お互いがお互いの足りないものを補い合い、支えあっている。

エルフの人たちは同族間での結束が強いっていうのが、パッと見て取れた。


「……なんだこいつらって目も感じるな。」

「まあ、『長』がいるって事はつまり、緑の本拠地だろうからね……。」

よそ者……つまりエルフではない私たち人間への警戒心も強いってのは当然かな。

……うーん、ここからどうやって他の色と橋渡しをしよう?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ここにタルニ様はいらっしゃる。まずは私から話を通そう、少し待て。」

マーウィンさんが案内してくれたのは、森の中でもひときわ大きい木の洞だった。見たところ、マナで入り口が閉ざされている。

 『長』がいるだけあって、緑のマナの濃さがとんでもない。鼻から息を吸うときに、匂いとして勘違いしてしまいそう。


「マイナスイオンみたいで身体に良さそう……!」

「いや、そもそもマイナスイオン自体が眉唾だぞ……まあ、言いたいことはわかるけどさ。」


「タルニ様、紹介したい者が二人おります。ただの旅人とは思えない、非常に強い力を持つ魔術師たちです。」

マーウィンさんが洞の前で跪き、礼をしながら洞へと声をかけた。

「……先ほどの巨獣騒ぎはその者らの仕業ですか。一体何者か、わかりますか?」

洞の奥から声が返ってきた。反響しててわかりにくいけど、おじいちゃんっぽい声。

「緑の魔術を使うため、我らの同志なのは間違いありませんが、何者かまでは……。

 彼らはある用件で長に会いたいとの事でした。なんでも、我ら一族の発展に関わる内容だとか。どうか会ってはいただけませんか?」

「ふむ……あれほどの騒ぎをたった二人で引き起こせてしまう同志に、『長』である私が会わないわけにもいきません。お二人を通しなさい。」

 その言葉とともに、入り口に張ってあったマナの結界が解かれた。

とうとう最初の『長』に、『セロス』で最も強い魔術師の一人に会う事になるんだ……今更ながら緊張するなあ。


 暗くて深い洞の中へと足を踏み入れた瞬間、緑色の光が洞の中全体を照らした。

 その光の中心で、王様専用みたいな椅子に座っている人がいた。驚いた事に、椅子も本人も、全てが木で作られていた。

 身体が木によってできている、森の精霊、トレント。この世界『セロス』の5つのマナの内、緑を司るエルフ達の長。

――タルニさんとの会談が、今まさに始まろうとしていた。




「旅の者よ、ようこそ。私はタルニ。ご存知のようですが、緑の一族の長を務めています。旅人たちよ、あなた達の名はなんと?」

「初めまして、タルニさん。私はカイラと言います。こちらは潤田。」

まず私が二人まとめて紹介し、潤田が前に出て頭を下げる。

「ウルダです、よろしくお願いします。大事な話というのは、緑の一族だけに留まらない、この世界の情勢そのものや根幹に関わってくるものになります。」


 一旦そこで切り、タルニさんの反応をうかがう。タルニさんは考えこむようにゆっくりと目を閉じ、続けるように手で促してくれた。

一礼して、潤田は話を続ける。

「怒らずに最後まで話を聞いていただけると助かります。この世界では、マナの色によって部族や考えが分かれ、対立し続けています。扱える色が同じならば味方、違うのならば敵という形で、争いは続いていると聞いています。

 ですが、この『マナの色が違えば敵』という考え方は正しくないのです。」


 ピクリと、タルニさんの体が動いた。

今度は逆に目をゆっくりと開き、どういう事なのかを目で訴えかけてくる。

「五色のマナは、そのどれもがお互いに共存することが可能なのです。相性の差こそありますが、どの色にもどこか似通った点が存在し、そこを元に色同士が混ざり合うことで、短所を補い、長所を伸ばせます。

 緑ですと、そうですね……赤の部族の一念的な勇敢さや、白の民族の強い結束力に、自分たち緑の一族とどこか似た感覚を覚えた事はありませんか?」


 静かに話を聞き続けるタルニさん。少しずつ目が大きく開かれているのを見るに、彼の中でも思い当たる部分はあるのだろう。 

 ――潤田の声は、広い洞の中で反響し続けている。内容が内容だけに、外にはまだ漏れてほしくない話だけど、入り口はマナで覆われているみたいだから大丈夫かな。

「相性の良い色同士は長所が伸びます。緑と赤ではその力強さに磨きがかかり、緑と白では仲間意識による結束力が強まります。

 つまり、扱えるマナの色が違うからと言って、争う理由にはなりません。手を取り合う事が可能なんです。憎むべき敵ではありません。ちょっと価値観は違うけど、同じ世界に住む仲間のはずなんです。

 僕たちはその考え方を世界に広め、この世界の争いを止めるためにやってきました。どうか、他の色の一族の方々と、争いを止めるために話し合ってみては貰えませんか?」




 一気に話して、潤田は大きく息をつく。

おおよその話は出来た。あとはタルニさんの反応次第、だけど……?



〜今日のカード〜

《エルフの遊撃隊》

エルフ種族のステータスを強化する能力を持つ、非常に強力なカード。

エルフという種族は、その種族だけで構成されたデッキが存在するほど、種族間での相互作用シナジーが強い。




ここまで読んで頂き誠にありがとうございます!



評価、ブックマーク、感想等頂けましたら嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ