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幕間 その頃のエリオット。

フィリベールからジェラルディーナの元で働きたいと言われた時は、正直吃驚した。


しかもジェラルディーナのことを好きと言うし……。


俺の方が先に好きになって、ずっと我慢をしてきたんだ。


小さい頃からずっと見てきたディーナ。


天真爛漫に走り回る姿も、


振り返った時に笑った笑顔も、


小さい手で頑張って作ってくれたおにぎりも、


全てが愛おしくて大好きだった。


それなのに、父上は婚約について首を縦に振ってくれることは無かった。


それもそのはずだ……。


俺が好きという気持ちに気づいた時には、裏側でジェラルディーナとオディロンの婚約の話が動いていたのだから……。


後で聞いたことだが、ロンベルト叔父上と父上は仲のいい兄弟だったこともあり、二人が婚約する前から相談を受けていたらしい。


貴族の間では恋愛結婚なんて夢のまた夢の話で、親が決めた相手と結婚するというのが殆どだ。


だから諦めるしかないと思っていたのだが、オディロンがバカなことを仕出かしてくれたお陰で、俺にもチャンスが回ってきた。


それなのに……。


まさかの天敵が俺の側近であるフィリベールとは……。


フィリベールが俺の元を離れて、ディーナのところで働くようになってから、二人の様子が嫌でも目に入ってくる。


フィリベールはいつも楽しそうにしているし、ディーナも気を使わず色々話しているようだし。


俺はディーナと噂が立たないように気をつけて行動をしているというのに……。


「ラルフ。なんだか最近フィリベールが楽しそうじゃないか?」


窓越しに二人を見ているとため息が出て、思わずラルフに二人の話をしてしまった。


「そうだな……それよりもお前はそろそろ王子としての仕事をしに王宮に帰った方がいいんじゃないか。」


確かに、ここに来てから王都に戻っていない。


特にサミュエルが戻ってきてるのを知っているからか、甘えてしまっているのもよくわかっている。


分かっているのだが……いない間に二人の関係が進んでしまうのではないかと思うと、怖くて仕方がなかった。


「ジェラルディーナはフィリベールのことが好きなんだろうか……」


もしかしたらジェラルディーナもラルフに何かしら相談しているかもしれないと思い、それとなく話を聞いてみることにした。


「あぁ。仕事しないやつよりは、一緒に仕事をしてくれるフィリベールの方が好きだと思うぞ。」


やはり、ジェラルディーナもフィリベールの事を好きになっているということなのか!?


いや、でもラルフは仕事をしているやつを好きになると言っていたし、これがフィリベールとは限らないんじゃないだろうか。


そう思った俺は、王宮に戻り溜まっていた仕事を片付けることにした。


「そうだよな……仕事をする男の方がいいもんな……目を覚ましてくれて感謝する。一度王宮に戻ろう。」


王宮に戻る間際、ジェラルディーナに俺だって仕事が出来ることを伝えると、少し不思議そうな顔をしていたが……。


待っていてくれ。ジェラルディーナ!!


必ず全てを終えたら俺の気持ちを伝えに来る。


そして求婚するんだ。


もちろん全てを片付けてからだが……。


その為に、子供達にはパパと認めて貰えるよう行動をしてきた。


だからフィリベールと一緒になるのだけはやめてくれ。


俺にもチャンスを……。


そう思ってから半年……。


全然終わらない仕事の山に、もっと早く手をつけておくべきだったと後悔することになるとは、この時の俺は知る由もなかった。

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