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ザコル青年期。そして決戦へ

これで最終話になります。

完全な一人称では書きづらいので、このような書き方が自分には合ってる気がします。

この作品は練習用なので、お見苦しい点も、多々あると思いますがお許し下さい。



※成ったは、表現の一種なので誤字ではありません。

~8年後・ザコル23歳~




 魔王の領域にある魔の森。

 


 周囲にはクレイジーコングの群れ。身長2mぐらいのゴリラだ

 単体の強さではAランク。その群れとなれば、Sランクに匹敵する。



 この場に自分のことを知る冒険者がいたのなら、こう思っただろう。



 ”Cランク冒険者のザコルでは、もう助からない”と。


 

 




 ――1匹のクレイジーコングが、ゆっくりと近づいてくる。


 

 その様子は、絶対強者の自信に満ち溢れていた。




 「ゴガァアアア!!」



 仲間に見せつけるように、俺に威嚇の咆哮を浴びせてくる。

 恐らく、怯える獲物の反応を見せたいのであろう。

 


 「……」


 微動だにしない。


 「…!! グルルゴガアアアア!!」




 馬鹿にされたと思ったのか、殴りかかってくる。



 まあ、馬鹿だとは思ったが。



 ――魔功(・・)で動体視力を強化。

 

 顔前に迫る拳は完全に見えていた。



 腕を掴んで背負い投げ。

 地面に倒す。



 「ゴガ!?」


 

 仰向けで倒れているクレイジーコング。その表情は困惑。

 なぜ倒れているのか。自分は目の前の獲物を殺したはずだと。

 そう、物語っている。


 


 「死ね」



 その顔を踏み潰す。


 ――大地に赤い花が咲いた。



 クレイジーコング達は、一瞬の出来事に呆然としていたが、我に返る。



 「「「ガアアアアア」」」



 仲間を殺された怒りに燃え、群れ全体で襲いかかってくる。



 無数の拳が繰り出されるが、俺には掠りもしない。


 空気の流れで感知。避ける。

 地面から伝わる振動で、相手の位置を把握。背後からの攻撃を避ける。


 筋肉の動きを観察して先読み。

 躱すと同時に、懐に潜り込み胸に触れる。



 「魔技:絶掌」



 掌から魔力を放出。

 臓器を残らず破壊。


 内側から破壊されたクレイジーコングは、ただの肉塊になった。



 仲間を殺されても怯まないクレイジーコング達。

 一段と激しくなる攻撃。

 


 その全てを躱す事ができる。

 だが、教えてやろう。自分達が誰を相手にしているのかを。



 攻撃を敢えて受ける。


 クレイジーコング達の拳が命中。

 常人なら即死すること間違いない攻撃。



 「「「ウホゥウ」」」



 勝利を確信したクレイジーコング達は、歓喜の声をあげる。

 

 それも当然。

 今まで、自分達の一撃を受けて無事だった者は、存在しなかった。

 屈強な魔物ならいざ知らず、相手は脆弱な人間。それも、複数のクレイジーコングが殴打したのだ。

 間違いなく死んでいる。そう、普通なら(・・・・)





 「グギャ」


 

 首を掴む。そして、そのまま握り潰した。


 






 ――魔力糸方式の身体強化は、進化して魔功と成った。

 

 体内に魔力糸を張り巡らして行う身体強化。

 その魔力糸が段々と増えていき、体内が隙間無く埋め尽くされた。

 それはもう、身体強化と呼べないものになっていた。

 その名は魔功。肉体を全て掌握する事が可能になった。

 

 血流操作。五感の強化。思考の加速化。魔力の圧縮・放出。

 再生能力。魔力の回復速度の上昇。etc……



 魔力の圧縮・放出により、魔力を纏う事が出来るようになり、防御力が飛躍的に上昇した。

 魔力の回復速度の上昇。これにより、魔力が尽きる事が、ほぼなくなった。

 魔功で魔力を消費しても、それ以上に回復する方が早い。


 その結果。

 一定の強さを持たないものを、いくら相手にしたところで、問題なくなった。

 クレイジーコングを1万匹相手にしたとしても、一方的に虐殺できる。

 




 ――クレイジーコング達は、自分達の攻撃が通じていない事に戦慄した。


 それでも、逃げる事はしない。大事な仲間が殺されている。

 仇を討たなければ、自分達の矜持に反すると。

 そう思っている。


 恐怖を押し殺し、なおも向かってくるクレイジーコング。




 ……そんな感情は無意味だというのに。 


 


 「遊びは終わりだ。魔技:雲散霧消」



 腰に差している刀に手を添える。


 業物ではなく、そこいらで売っている刀だ。

 クレイジーコングを相手取るには、頼りない装備だろう。

 だが、俺には関係ない。



 


 刀に魔力を纏わせる。

 周囲にはクレイジーコング。その全てが間合いに入っている。



 



 鍔鳴りが響く。

  





 

 ――クレイジーコング達は赤い風になった。

  

 










 「所詮Aランク、俺の敵じゃなかったな」



 魔の森一番の強者も、この程度。

 俺の実力はもうSSランクに到達しているだろう。




 ――目的は達した。

 

 魔の森に来たのは、依頼のためではなく、腕試しのためだ

 俺のランクはC。これ以上、上げるつもりは無い。

 ゲームのザコルがCランクだからだ。



 「さて、帰るか」


 クレイジーコングから素材を剥ぎ取る事はしない。

 Cランクの俺が、そんな物を持ち込める筈がないからだ。




 そうして、魔の森をあとにした。






 ~ヴァルク国・王都シルフェン~




 王都に帰ってきた。

 相変わらずの人込みだな。


 人の多さに辟易しながら、懇意にしている宿屋に向かう。

 その時、ある会話が耳に入ってきた。




 「聞いたか?今度、勇者召喚をやるらしいぞ」


 「ああ!皆その噂をしてるから知ってるよ」


 「その勇者様が魔王を倒してくれると良いんだが…」


 

 星暦768年・土の月。

 主人公が召喚される年だ。

 

 17年間、待ちに待った時がようやくきた。 

 



 興奮を抑えながら、宿屋に入る。

 

 

 「あら、ザコルさんいらっしゃい」


 「どうも女将さん。部屋は空いてますか?」


 「空いていますよ。期間はどのくらい?」


 「取り敢えず、一ヶ月分で」


 「なら、銀貨3枚になります」


 懐から財布を取り出し、銀貨3枚を払う。

 

 「…はい。確かに。クレア!ザコルさんを、部屋まで案内しなさい」


 「…どうして私が。――アンタ最近見てなかったから、死んだと思ってたわよ」  

 

 こいつ…。一ヶ月離れていたのは確かだが、いきなり暴言を吐かれるとは。

 性格悪すぎるな。


 だが、容姿は特上だ。

 変な言い方だが、並みの美人では太刀打ちできない程の美人。

 巨乳で、長身。理想的なボディライン。

 正直に言って、エロい。とにかくエロい。

 とんでもなくエロい!!!

 

 「おいおい、客に対して、なんだその言い草は」


 内心をまったく表に出さず、話しかける。


 「客?殆ど身内のようなものじゃない。もう五年の付き合いでしょ」


 「いや、身内に言う台詞でもないだろ」


 「フン。つべこべ言わず、付いて来なさい」


 「はいはい。分かりましたよ」


 はぁ、相手をするのも疲れるな。

 


 「…心配したんだから」


 「…ん?何か言ったか?」


 「何でもない!」


 

 ……………………やれやれだ。






 それからは無言で、二階の部屋に案内された。



 部屋に入り、ベッドに寝転ぶ。

 

 「さて、いよいよだな」

 


 準備は万端。

 あとは、ギルドで待機するだけだ。





====================================





 

 「ここは?俺は家でゲームをしていたはずだ」

 

 「勇者様。お待ちしておりました」


 ドレスを着た、見た事もない美少女が話しかけてきた。



 「は?勇者?…えっ?」


 「ここは、勇者様のいた世界とは、違う世界です。そして、私達ヴァルク国が勇者様を召喚しました」


 「ヴァルク国…….勇者召喚……。 ッ!!え、えっと、貴方のお名前は!?」


 「私の名前は、シエリア・ラグ・ヴァルク。ヴァルク国の第一王女です」


 やっぱりそうだ!! 

 これは、【ブレイブソード】の世界そのものじゃないか!

 

 「あは、あはははは!!」


 「勇者様?」


 突然笑い出した俺を、心配している様子の姫様。

 おっと、いけない。

 テンションが上がり過ぎた。



 「すみません。もう大丈夫です。続けて下さい」


 「??…オホン。それで、勇者様を召喚した理由なんですが、魔王をたお「任せて下さい!!」


 「え!?話を最後まで聞かなくても良いのですか?」


 「ええ、魔王を倒してほしいのでしょう?困っている人がいたら、力になりたいんです」


 「勇者様…。ありがとうございます!!」



 俺は【ブレイブソード】を熟知している。

 噛ませ犬のザコルの事だって覚えているし、ヒロイン攻略方法も完璧だ。

 俺の容姿は上等だし、難しいハーレムエンドも余裕だろう。


 元の世界では、お目にかかれない美少女達が俺を待っている!!



 「それで、勇者様のお名前を聞いても宜しいですか?」


 これからの未来に思いを馳せていたら、俺の嫁一号(予定)が話しかけてくる。



「俺の名前は源雄二。こちらでは、ユウジ・ミナモトです」








====================================



 







 勇者が召喚されて、約三ヶ月。

 俺は毎日ギルドに足を運び、主人公が来るのを待ち続けた。

 他の冒険者やギルド職員に、変な目で見られていたが、気にしなかった。



 ――そして、とうとうこの時がやってきた!!!!



 「すみません。冒険者登録を…」


 

 目の前には、黒髪黒目の男。

 顔立ちも、憎らしいほどに整っている。その笑顔を向けられた女性は、平静を保つ事が難しいだろう。


 他に女性が二人。

 一人は育ちが良さそうな美少女。恐らく、第一王女シエリアだろう。

 もう一人は、シエリアの護衛騎士ナタル。クール系の美女だ。


 どうやら、順調にイベントをこなしているらしいな。

 主人公もプレイヤーか?

 ―どうでもいいか。どちらにしろ、やる事は決まってる。



 「おい兄ちゃん。女連れで冒険者登録とは、いいご身分だな」


 決戦の幕が上がった。






 「なにか問題でも?」


 「ああ、あるぜ。軟弱野郎の分際で、冒険者だと?どうせ、女に良い格好を見せたいだけだろ。姉ちゃん達も、そんな軟弱野郎なんか放って置いて、俺の女になれよ。守ってやるぜ?ベットの上限定だけどな」


 シエリア達を見ながら言う。


 「貴様!誰に向かって言ってるか、分かっているのか!!」


 ナタルが怒鳴る。シエリアも不快な様子だ。

 

 周囲の反応は無関心。事前に根回しをしていたおかげだ。 

 



 ――主人公はニヤリと笑っていた。

 この反応は、プレイヤーに間違いないな。



 「ナタルさん。この場は俺に任せて下さい」


 「ユウジ様!」


 「ナタル。ここは、ユウジ様に任せましょう」


 「ひめ……シエリア様がそう言うなら、従います」 


渋々といった表情で、ナタルとシエリアは後ろに下がる。



 「なら、俺に実力がある事を確かめたらどうですか?」


 「……面白い。俺と勝負するって事か?」


 「ええ。勿論」


 「なら、ギルドの外でやるか。お前もいいな?」


 「問題ないですよ」



 俺と主人公達は、ギルドの外に出る。

 周囲の人達には、これから決闘をするから離れるように伝えた。


 周りに野次馬がいるが、邪魔をしなければ問題ない。


 

 「準備はいいか?」


 「ええ」


 「そうか。これは決闘だ。なにか賭けないと面白くないな。よし!俺が勝ったらあの女達を貰うぞ」


 「キサマァァァァァァァ!!!!」


 ナタルが叫ぶ。まあ、怒って当然だと思う。

 俺だってこんな奴がいたなら、思わず殺してしまいそうだ。まあ俺なんだけど。



 「大丈夫よナタル。ユウジ様が、あんな下劣な男に負けるはずがないわ!!」



 どうやら、お姫様もご立腹らしい。 



 「……なら、俺が勝ったら二度と顔を見せるな。このクズ野郎!!」



 キレちゃったww




 「なら、さっさと剣を抜け。俺は素手で充分だからな」


 「馬鹿にしやがって!!なら、すぐに終わらせてやる!!」



 主人公……ユウジが、剣を抜き一気に加速。剣を振り下ろす。

 そのスピードは、一流と言っても良い。



 「なんだ?もしかして全力?それで全力なの?その程度で冒険者になるとか……。ぶふっ、お、おれを、笑い死にさせるのが目的か!!ククッ、ハハハハハ!!やべえ!こいつ、つええええ!!笑い死にしちゃうよ~~~www」

 

 「馬鹿な!!俺の剣を避けるだと!?……いや、偶然に決まってる!! はああああ!!!」


 ユウジは剣を振るう。その剣速は、Aランクに匹敵するかもしれない。

 世間から見れば、圧倒的な実力者。だが、俺から見れば、ゴブリンとなにも変わらなかった。



 ユウジは幾度もなく剣を振るうが、その全てを紙一重で避ける。

 紙一重なのは、そのほうが強く見えるからだ。

 徹底的に馬鹿にしてやる!!



 「そんな!?ユウジ様!!!」

 

 「何者だアイツは!?まさかSSランク冒険者なのか!」


 攻撃を避けながら、ナタルに答える。


 

 「はあ?俺はただのCランク冒険者だ。SSランクの人外と、比べられるなんてありえないな。俺が強く見えるのは、こいつが弱すぎるせいだ」


 「Cランク!?そんな馬鹿な!!」


 正真正銘Cランクだ。 



 「ちくしょう、ちくしょう!どうしてザコル如きに勝てない!?」


 「どうして俺の名前を知っているんだ?そうか……。俺のファンだったのか。そういう事は早く言えよ。握手でもしてほしいのか?]


 知ってる理由は当然分かっている。だが、ユウジには俺がプレイヤーだったと教えるつもりはない。

 あくまでも、噛ませ犬のザコルにやられてると思わせたいからだ。



 「誰がファンだ!馬鹿にするのもいい加減にしろ!!」


 「じゃあストーカーなのか?……キモ!!!」


 「黙れ!!!調子に乗ったことを後悔させてやる!!『光よ。此処に顕現し、敵を穿て。《ブラスター》』」



 ユウジの周りの光が収縮、光線が発射される。



 「くだらん手品だ」


 魔力を纏った右手で、光線を掻き消した。



 「あ、ああああああああああああああ!!!!」


 切り札が呆気なく掻き消されたせいか、狂ったように剣を振り回している。



 「もういい。黙れ」


 狂ったユウジに拳を叩き込む。死なないように加減しながら、連続で。

 顔面・腹・顔面・顔面・股間・顔面。計6発叩き込んだ。



 その場に崩れ落ちるユウジ。

 シエリアの顔は蒼白。ナタルは剣を抜き、俺を警戒している。

 

 

 「安心しろ。殺していないし、お前達に危害を加えるつもりもない。さっきのは、絡むための口実だ」


 「え?じゃあ、どうしてこんな事を?」


 「ああ…それは…」


 倒れているユウジの頭に右足を乗せる。

 そして、空を仰いで、両手に拳を作りながら天に掲げる。













 「俺TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!」 


 














====================================



 






 歴史書にはこう書かれている。



 魔王を倒し世界を救ったのは、勇者ザコルであると。







この作品を読んでくださった方、ありがとうございます。


最後に。

この小説は、最後の「俺TUEE!」を、書きたいがために作った作品でした。

思いついて、四日で書いた作品なので適当です。

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