□ お祭り騒ぎ
何処から曲が流れているのか、軽快な音楽と共に凄まじい数の鉛玉が一点に向け、放たれる。その狙いの的は、青い着物を着た少女で──
「──はっはぁ!その攻撃、何回目でしたかね!数えるのも億劫といったところ!」笑いながら木の棒を振るう少女。鉛玉を弾き飛ばすが、木の棒の方が耐えられず折れてしまい、何発か身体に銃弾が当たる。
「いやはや、これまでいくつもの舞台を乗り越えてきましたが!終わりの見えない舞台というのは新感覚でした!」ミニスが舞台を始めてからかれこれ30分。溢れんばかりの機械が行軍を続ける。もちろん、かなりの数を破壊したものの…それでも数はあまり減っていない。それは恐らく、元が多いだけでなく…
「…誰か、皆様を作った親玉がいますよね!まぁもう死んでるようですが!そちらはもう機械の増加がピタリと止まって突然ジリ貧になってるんですからね!少しくらい焦るべきですよ!」終わらない舞台ならまだしも、今いる相手が全てだと分かればやる気も湧くもの。両手に木の棒を持ち、二刀流のように構える。
「──『業炎』!」
木の棒が炎を纏う。一振りで鉛玉が溶け落ち、炎の斬撃がロボを切り裂いていく。
「大盤振る舞いですよ!『花形降臨』!」
アミニスが淡い光を纏い、辺りを縦横無尽に切り裂く。左手に持つ木の棒が燃え尽きようとして…
「燃え尽きるなら燃え尽きるで最後まで働いてもらいましょう!」灰を手掴みし、戦車に振り撒く。灰の落ちた地点がゆっくりと溶け出し…
「さあっ!これにて──」
「バンザーイ!!!」
地中から突き出された機械の腕。その腕が熱を帯び…大きな爆発を起こす。
「──っ…油断しましたね…!痛覚や恐怖がないというのは恐ろしい!」さっきの自爆て右足がグチャグチャだ。「まぁ足が1本減ったくらいなんともないですが!やはりLVが低いのはあたしの弱点ですね!」
爆発の寸前、投擲した木の棒が戦車を破壊した。…これで全て破壊したのだが…
「さてさて、ディネリンドさんは無事でしょうか!良くも悪くもあの嵐から魔法を見てませんからね!最低限の魔法で抑えて今も戦闘していたらわかりませんが、勝ったことにして進めま───」
村の方角に向き直る。と同時、アミニスは村へ全速力で駆け出す。片足でスピードが出ないが、それでも数分のうちに着くはず。…舞台に熱中していたから気づかなかったが、アレは…
「──はっはぁ!!やってくれたじゃあないですか!!マグレかワザとか分かりませんが、少なくとも敵として見て良さそうですねえ!!」
黒い炎が燃え上がる、サキュバスの村へと急ぐ。




