見学も授業です
~~ ミリア ~~
競技場にて学生達と魔物の群れと乱戦状態になっています。ですが、見るに堪えない……何とも戦術性の無い状況なのでしょうか。
撃ち放たれた魔法は統率が取れておらずバラバラに。
盾を構える部隊も実に隙間だらけ。
機動性を重視した人達もまた、足並みがそろわず単独で突撃している状況。
これでは、勝てる戦いも勝てないと言うモノ。正直、弱らせた魔物の群れが相手で良かったと思います。
「はぁ……これ、見る理由は有るのでしょうか?」
「レイア様……一応授業の一環ですので」
レイアさんが愚痴を言うのも当然でしょう。この光景は子供の遊びと言っても過言では無いのですから。
当然、先生方も頭を抱えておられます。……救いは来賓者が居なかった事でしょうか。
「これは、如何教育して行けばいいんだ?」
「ダンジョン探索で力を手にしてから、イキってますからなぁ」
どうやら、教育方針で悩んでいるみたいですね。
そして、そのような調子に乗っている彼らはと言うと……あらあら、盾持ちが飛ばされたり、単独になってしまった別動隊が押しつぶされたり、魔法も防がれてしまっていますね。
「あれは大丈夫なのでしょうか?」
「大丈夫だとは思いますよ? ほら、教員の方が動いていますし」
押しつぶされたり飛ばされてしまった生徒を、見守っていた先生方があっという間に救助していますね。
そして、志望判定の烙印を押され、控えとして競技場脇に設置された場所へと移動させられています。
「なるほどですね。復帰は無しと言う訳ですか」
「その様ですわね。あら? また一人死亡判定になりましたわ」
統率が取れてない以上はこうなってしまうのも当然でしょう。……とは言え、よくよく見てみるとAクラスに居る数名の方が、予定通りだと言わんばかりの顔をされています。
「おや? これ、要らない人達を排除したと言った感じでしょうかね?」
「あら? どうしてそう思われまして?」
「わふ……何か……えっと……策謀の香りがしますぅ」
レイアさんに聞かれ、Aクラスの人達がしている顔について説明すると、「あー……なるほど」と納得され、「実にお腹の中が黒いですわね」と笑っておられます。
しかし、アイネさんは匂いでそれを嗅ぎ分けたのでしょうか? 凄い能力ですね。
そして、その予想が正しかったのか、人数が1/3程になった頃に部隊の動きに変化が見られました。
「あ、急に動きが良くなりましたね!」
「ここからは、しっかりと見ておいた方が良さそうですわね」
「お嬢様方、メモ帳を用意しましたが「下さい!」はい、どうぞ」
なんだかんだと言っても、私達は部隊運用などやって来ては居ません。やって来たのは個人の武や知を高める事。
ですので、正しく機能し始めた部隊ならばメモを取る必要があります。
「あぁ! そこで魔法を後方に撃ちますか!?」
「あ、盾持ちが突撃し始めましたね。最初と違ってしっかりと密集していますわ!」
「あ、レイア様。盾持ちがジョブスキル使ってますよ。シールドチャージですね」
「両翼から別動隊が挟み込み始めましたね。包囲が完成と言った処でしょうか」
お馬鹿さんを排除した事で、見事に戦術が嵌っていますね。……何やら外野ではワーワーと吠えておられるようですが、それは自業自得なのですけど。
ただ、言った処で理解はしないのかもしれません。言って理解されるのであれば、この様な策は取らなかったでしょうし。
「それにしても、1/3を排除ですか。これはまた随分な人数ですね」
少し思案顔でそのような事を呟くエル君。一体なにを考えているのでしょうね?
ブクマ・評価ありがとうございます!
お腹の中が真っ黒クロなのです。




