16間児 裕赦(2)
「こっちでいいんだよな…」
「まずは大陸の方の山の上に来て。」とテレパシーを受けたので素直に従う。
大陸の右上のギルドから出発して大陸の真ん中にあるギルドを目指す、二年前に大地震でほとんどの交通手段が塞がれた今、コンパス片手に徒歩で行くしかない。
着くまで約5日間かかりそうだ
「あれ?」
後二日で着くだろうという時、いつの間にか十匹のCランクの怪物に囲まれた…え?全然気配しなかったよ?
「周りの注意を怠るなんて冒険者として三流以下だわね。」
「お前それでも冒険者か?この先が思いやられるな。」
「裕赦君頑張ってー!」
何か聞こえるけど僕はそれどころじゃない。
「うわーん!」
思いっ切り走ろうとしたら足払いされた、そのまま触手で縛ろうとしてきたけどナイフを持って切り下した。
後ろからタックルされた、突き飛ばされた先に二体の怪物が待ち構えていたから背中の痛みを堪えて突き飛ばされた勢いをつかって一体の首を切り落とした、そのまま地面に転がる前に手を地面に付けて足を回転させる、足が怪物の目に当たり耳を塞ぎたくなるような悲鳴が聞こえた。ひるんだ怪物の口の中に爆薬を投げ入れてこちらに走って来た三体の怪物に向かって蹴り飛ばす、目の前が光って近くにいた怪物を纏めて吹き飛ばした。
何とか五体仕留めたと思いきや空を飛ぶ怪物にナイフを奪われた、バッグから急いでブーメランを取り出そうとおもったら今度は横から怪物に殴られた、バッグから地面に落ちた荷物の中から縄を両手に取り襲い掛かって来た怪物の攻撃を躱してから足払いで転ばし、首を縄で思い切り縛って殺した。
ここで気付いたら怪物が地面に散乱した物の一部を持って逃げて行ってしまった…予備のナイフまで取られたのは中々に痛い。
「ということでラズリの手作り教室―!」
安全そうな場所までついてケガした部位に傷薬を塗っていたらラズリさんの明るい声が聞こえてきた。
「あの…何ですか?それ…」
「旅に必要そうな道具が沢山奪われた裕赦君に素敵な知識をプレゼント!まずは自分がなにを無くしたか確認してみましょう。」
「えっと…ナイフ、服、冒険者の証明書、身分証明書、たいまつ、地図、望遠鏡、薬、コンパス…」
「「うわぁ…」」
どんどん顔が真っ蒼になっていく…え?怪物にこんなに持って行かれたの?しかも何気に全部大事な物じゃない?他の二人も同情な声を出してるし…
「ラズリの初級手作り教室はそれらを自分の手で作る方法を教えてあげられるよ!他にも何か作りたい物があったら言っていいからね!」
「え?証明書とかも作るんですか?」
「もちろん!冒険とトラブルはとっても仲良しだからね!偽造なんて何回も通らなきゃいけない道だよ!」
「えぇ…」
「折角だから貴族証も作ってみる?偽造の貴族証を持っていると色々とスリリングな楽しい事が起きるよ?」
「それは辞めさせてもらいます。」
その後結局偽造の貴族証を作らされ5日間色んなアイテムの作り方を教わった、こんな物何に使うんだ?と思わせるアイテムから絶対使うのをやめようというアイテムまで作った後に気付いた。全然バッグに入らない…
「ラズリの初級手作り教室を合格した裕赦君にラズリちゃんバッグをプレゼント!ラズリちゃんバッグは軽くて何でも入る不思議なバッグだよ。大切に使ってね!」
そう言われて目の前から突然青い腰掛けバッグが現れた、手に取って見てみたら上に青い宝石で小さく僕の名前が書かれていた。
「これの中に全部入れて持ってみて!」
素直に言葉に従って全部入れてから持ってみた。軽い、噓だろ?一トンいくかもしれない荷物を入れたのに片手で持っても重さを感じない。
「それをつけて中に魔力を流してみて!」
深く考えずに魔力込めたら腰かけバッグが体を持ち上げて浮かび上がった。
「ぎゃー!?」
「人間は空を飛べないからねー!ついでの機能として付けておいたよ、でも戦闘に使っても移動に使わないでね!冒険にならないから!」
「いいんですか?こんないい物を貰って?」
「裕赦くんはラズリ達の弟子第1号だからね。帰ったら撫でてくれるだけでいいよ!」
「あ、俺は撫でなくてもいいから。」
「わたしも。」
「ありがとうございます!ところで一つ聞いていいですか?」
「なに?」
「三人はやけに僕現状を把握していますよね?どうやってしてるんですか?」
「「「…」」」
「黙らないでください!聞こえてるんでしょ!?」
その後僕は偽の冒険者証明書を門番に見せて町の中に入った。本物の冒険者のはずなのに…




