キノコの森です。
よろしくお願いします。
ちょうどお昼ぐらいになったころだろうか、森の木々の背丈が随分高くなり、辺りがより薄暗くなってきた。
その為か草は殆ど生えず、苔とキノコが地面を覆っている。
ライシェラの鉈は草や木の枝を払うことから、キノコを斬り飛ばすことに使われるようになった。
キノコは斬り飛ばす時に、どうしても胞子が舞ってしまう。
もちろん、ただの茸ならどうでも良いんだけど。
黒の森の紫や真っ赤な毒々しいキノコ達の大半は毒キノコだ。
それに、胞子にすら毒性が含まれているモノも多い。
だから、事前に毒などに強い耐性を得られる薬を、レティが皆の体にふりかけた。
よほど強力な毒じゃ無い限り、これで1日くらいは大丈夫だってチコリが言っていた。
この薬は僕が合成したわけじゃ無くて、チコリが事前に用意していたモノだ。
ちなみに、ヒュドラは薬が無くても平気みたい。
あと、キノコは食べれると思ってないのか、見向きもしない。
「チコリ、こんな毒キノコばっかりの所。普通の冒険者が通って大丈夫なのか?」
「はい、冒険者達にも事前にこの一帯の事は知らせてあります。各々で薬なり対応策を準備しているはずです」
チコリがニッコリを笑った。
あんまり見たことの無い笑顔だ。
「・・・儲かったのか?」
「参加者割引をしたら大半の方が、購入してくれました」
「チコリは、ラティキエと違って商才があるね」
「ありがとうございます。しかし母は儲けより、恩を得ることに趣を置きますから、その方が最終的に利益に繋がることが多いです」
「なるほど、流石は裏の元締めだね」
「フフッ、母をそう呼べるのは、たぶんレティシア様だけです」
「あれで、怒ると恐いとこあ・・・」
僕はそんな話を聞きながらキラキラを集める。
この辺りは、珍しいキノコが沢山採れる。
毒キノコが多いからか、食用より薬などの素材として使い物が多いみたいだ。
なんとなく合成できるモノが、増えてくのを感じる。
「レティシア、あれ」
ライシェラが立ち止まり、鉈で前を示す。
そこには、蠢く沢山のキノコの群れ。
「マタンゴか・・・どうする?」
「単体なら、危険性は低いですが、睡眠や混乱などの精神系の攻撃をしてくるはずです」
「んじゃ掃除だな」
「レティシア様!良ければワにやらせて下さい。ワの有用性を示したいと思います」
「有用性?ふーん?じゃあ任せた」
「はい!いくよ」
そういってビエラヤが、魔狼と共に駆け出す。
その手には火の玉がいくつも現れていた。
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