レティの嫌いな相手です。
よろしくお願いします。
林に入り、白い建物から見えなくなったところで、レティが立ち止まる。
魚の人達が凄い速さで追いかけてくる。
「頭悪そうだけど、一応聞いておく。何故教会を襲撃していた?答えたならば殺しはしない。しかし、降りかかる火の粉は払わせて貰う」
レティが、大きい声で言っても、魚の人達の勢いは止まらない。
レティは、ため息をついた後、片手を迫ってくる魚の人達の少し上にかざす。
すると、手が光って眩しいって思った瞬間、お腹を叩かれようなバリバリバリッて音が響く。
目が見えるようになると、魚の人が皆倒れてた。
「アゴダシの眷族は居なかったみたいね」
「その為に雷にしたんだ?」
「そりゃ、アタイだってアゴダシなんて敵に回したくないもの」
「そうなんだ。珍しいね?」
「そうかな?ふむ・・・まぁ、アゴダシとやり合うなら、準備が要るね」
レティはわからないけど、僕は危険が去ったと思って気を抜いてたんだと思う。
話してないで、さっさと帰ればよかったのかも知れない。
「これは?すべてあんた達がやったのか!?」
銛の人がいつの間にか立っていた。
「あぁ、襲われたから夢中でね」
「夢中って、一瞬だったぞ!ピカッとしたと思ったら・・・」
銛の人はこちらに銛を向けながら考えるようなそぶりを見せる。
「・・・まさかハルシュレックの冒険者か!?俺達を・・・」
その時、僕たちの周りを白い光が覆う。
「捕まえたぞ!」
「神父さん?」
「こいつらは、ハルシュレックの魔術師だ!いや、美しい女だから魔女か?どちらにせよ悪者だ!!」
そう言って現れたのは、全身白尽くめの服を着た人だ。
「待ってくれ、神父さん。この人達のおかげで魚人達の包囲が解けた。あなたも見ていただろ?」
「そうではないのだ。全てはこの村へ取り入るための策略なのだ。魚人達を呼び寄せたのも、こうして倒して見せたのも、全ては村への恩を売るためなのだ」
「確かに、この人たちは不審な行動もしていた。だが、ただ魚を買いに来ただけだと言っていた」
「ほれみよ!不審な行動をしていたのだろ?それこそ証拠よ!討ち果たさねばならぬ」
「討ち果たすって。正気か?殺すつもりなのか?この島では人同士の争いはあっても、殺しは許していない」
「愚かな。殺すのではない!滅ぼすのだ!!それこそが神の意思なのだ」
「あなたは・・・。あなたはまだこの島に来て日が浅い。病を治療してもらった恩はあるが、島の事は島の民で決める。この人達は村長に預け、長の話合いで決める。口出しは無用だ」
「・・・北蛮族!しかし、この結界から出すことは出来ませんぞ!もちろん、個人的な理由ではなく、危険だからです!!これも島のためなのです」
「・・・いいでしょう。ならば長たちを連れてきます。決して早まった事はしないで下さい」
銛の人が村へ駆けていく。
「アタイ達、無視して話が進んでいるみたいだけど?」
「黙れ!汚らわしい!!」
「あんた神父なら、なんで教会が襲われたかわかるかい?」
「お前達の仕業に決まっている!!」
「こりゃ、話になんないね・・・」
レティは、ため息をついて結界をコンコンって叩いている。
「ふん!それは聖なる結界!どんどん魔力を奪い!魔法を封印し!!邪なモノを隔離す・・・」
あれ?通れた。
僕もレティのマネをすると、手が素通りしてしまった。
とたん、パリンッと薄いガラスが、割れるように砕けて消える。
「な!?なんという!罰当たりな!!」
「いや、邪じゃ無いから通れたんだろ?」
「んなバカなことあるか!魔法を使う者は邪なのだ!!そうだ魔法だな!!」
「なんだろう、同じ言葉喋ってるのに、会話にならないね。じゃあアタイ達は行くよ。カジキを食べたかったが無理そうだし」
「いかせん!いかせはせんぞ!!てーんっし!!こーりん!!」
そう言うと、白い服の人の後に翼の生えた光る人が現れる。
「・・・はぁ。それ、天使じゃなくて、スピリット召喚してるだけだよ」
「黙れ!悪よ!!私はそんな言葉に惑いはしない!!これは!光臨の奇跡!!さぁ!悪を滅せよ!!」
「逃げるよ」
レティが、背負子に手をかけクルッと踵を返すと、そこにも同じような光る人が3体。
四方を取り囲まれた形だ。
「行かせんと言った!!さぁ滅べ!!」
光る4人がレティ目掛けて襲い掛かる。
しかし、レティは構わず突き進み、相手の攻撃をかわし、横をすり抜けてそのまま逃げだす。
「あ!!こら!逃げるな!!」
僕たちは追っ手を振り切り、突き進んでいた。
とりあえず、レティは高くなっている丘を目指しているみたいだ。
と、急な浮遊感と共に下に落ちている感覚。
今まであった地面が無くなった。
どうやら、穴に飛び込んでしまったみたいだ。
トンっとレティが地面に降り立つ。
魔法で勢いを殺した訳じゃないのに、綺麗な着地だ。
僕はブベッて感じだ。
でも、穴はそこまで深くはなく、痛くはなかった。
「レティ、魔法は?」
「あぁ、さっきの結界でね」
「使えなくなっだの?」
「いや、ただ余計に魔力を使う感じ?疲れそうだから少し節約しようかなって」
「そっが」
すると、横に続く穴で何かが動いた気がした。
「レティ、何がいる」
「やれやれ、この島に来たのは失敗だったかね」
ちなみに、ここは森の中に空いた穴なので薄暗い。
僕には問題ないけど、レティには見えにくいかもしれない。
それは、最初に見かけた魚の人に似ていた。
「最初に見だ。魚の人がも」
その魚の人は、一定の距離までヨタヨタと近づくと、それ以上はなにもしなかった。
そして、なんか手を動かし始める。
「・・・レティ、もしがして?この人ついで来て欲しいのかな?」
「コブンはそう思うの?」
「うん、なんどなぐ」
「じゃあ、行ってみよう。この穴をよじ登るのは面倒そうだし」
レティは上を見ながら言う。
「レティ、本音は?」
「この島でやっと見つけた、友好的な相手だからね。カジキの話を聞きたい」
「・・・諦めでながったんだ」
「だって旬だよ?今を逃したら一年待たないといけないんだよ!?」
僕たちは、暗い穴の中へ一歩踏み出した。
一応、レティと手をつないでおく。
読んで頂きありがとうございました。
すみません、なぜか筆が乗らず、少し展開が遅くなるかもしれません。




