湖の島です。
よろしくお願いします。
空から見ると、確かに周りを水に囲まれた島だった。
緑が生い茂り、鳥が飛び交う。
小高い丘と川、村もあるようだ。
僕たちは村から少し離れた断崖の上に降りて、村の方へ歩いて行く。
途中で微かに高い声が響いてくる。
僕は、レティを見るけど気付かなかったみたいだ。
「レティ、悲鳴みだいのが、聞こえだ」
「ん?そっか、この島には魔物はいないと思ったけどな?」
「そうなんだ?」
「まぁ、行ってみるか。どっち?」
「こっちだと思う」
僕達は村の方を後回しにして、草木が覆う林の中へ入っていく。
ガサガサと、しばらく進むとヒュムっぽい人達が上半身が魚っぽい人達に囲まれている。
3対5だ。
ヒュムがたいまつを持って威嚇しているが、ジリジリ距離を詰められている感じだ。
今は昼間なので、魚の人が日が苦手なのかも知れない。
「なんか、取り込んでるな?」
「どうずるの?」
「アタイ的には見なかったことにして村に行きたいけど」
「ちょっと!ちょっと!聞こえるところで見捨てる算段なんてヒドいんじゃ無いの!?」
先頭で後の2人を庇うように威嚇している人が怒ってる。
「あぁ、聞こえたか・・・。でも助ける義理はないし、助けれるとも限らないだろ?」
「レティでも、勝でない相手なの?」
「いや、闘ったこと無いけど。臭そうだし、ヌルヌルしてそうで、触りたくないから、面倒いなって」
「面倒いって?そんな理由で」
そんなやりとりが魚の人にも聞こえたのか、1人がこちらを向いて威嚇するように両手を広げて指の水かきをビロビロと動かす。
ただ、なんというか、動きがゆっくりだ。
「なんで?こんな、とろいヤツに追い詰められてんだ?」
「あんた達、知らないのかい!?魚人の吐く唾は石だって砕くんだよ!!だから、背を見せたらしいヤバいんだ」
「はぁ・・・なんか、こいつの動き見てるだけでイライラするな」
目の前で腕を頭の上でワナワナ動かして、指の水かきをビロビロさせる様は、意味が分からなくて馬鹿にされているようにも見える。
もしかしたら威嚇じゃなくて、挑発なのかも知れない。
そんなことをチラッと思った時。
横合いから草を掻き分け、銛を持った人が飛び出す。
3人を囲んでいた1人に、背後から銛を突き立て押し倒す。
さらに、横に居たもう1人の足を払い転ばせる。
いっきに5人から2人倒されて不利と思ったのか、魚の人がワタワタと林の中へ逃げはじめる。
銛の人は深追いせず。
立ち上がるのが苦手なのか倒れてビチビチ動いている、魚の人を出刃みたいな包丁でしめた。
「すまない。遅くなった!」
「遅いよ!でも来てくれるって信じてた」
なんか、抱き着いて2人見つめ合ってる。
声のかけにくい雰囲気だ。
「・・・行くかコブン。なんか邪魔っぽいし」
「わかった」
「待て!外者だな!?なんの用で来た!」
銛の人がクワッと目を剥いて問い詰める。
何故か怒ってるみたいだ。
「カジキを買いに来た」
「・・・カジキ?そのために、わざわざ荒くうねる水を越えてか?」
なんかそれ、荒波でいんじゃないかって、心の中で思った。
「あぁ、今が旬だって聞いてね。食べたくなったのさ」
「・・・ふん、残念だが最近は波が高い。それに今みたく海の魔物が上がってくる。しばらく俺達の村じゃカジキは捕りに出れてないのさ」
あぁ、やっぱり波なんだ。
1人納得していると、後の人が強い口調で言う。
「その人!わー等が、襲われてるのに!見捨てようとしてた!!」
「アタイ達は、見ての通り丸腰だ。助けたくても出来なかったんだよ」
レティが、両手を上げて武器が無いことを示す。
「でも!さっき面倒って!!」
「虚勢だよ。あの魚が言葉が通じるか知らないし」
「そんな!」
「待て待て。今は言い合ってる時じゃない。先ずは村へ戻ろう。逃げた奴等が、戻ってくるかもしれない」
「う、うん」
また魚の人が戻ってくると聞いて、3人は青ざめている。
銛の人は、チラッとレティを見てから。
「外者。あんた達を信用することは出来ない。悪いが、村まで来てもらう」
銛の人が半歩下がり、少し腰を落としながら言った。
「元々そのつもりで来たんだ。案内してくれるって言うなら、着いて行くさ」
こうして、僕たちは島の村へ案内つきで、行く事になった。
読んで頂きありがとうございました。
人物の名前が出てこないのは、ゴブリンには名前を呼ぶ習慣があまりないからだと、作者は思っています。
決して作者が名前を考えるのが苦手で、覚える事が出来ないからではない・・・と思いたいです。




