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問題ばかり起こすオカルト同好会。風紀としてそれを注意する間に森は正木と親しくなったようだった。
言われてみれば、反省文を提出しに正木は何度も風紀室に来ている。それに対する森の態度は他の生徒に接する時と比べて気安いものだったかも知れない。
「頭のいい正木さんにとって森さんはきっと都合のいい駒だったんでしょう。過去に友人を亡くしたと言えば、誰だって同情ぐらいはします。しかも森さんは正木さんに片思いしていたんですから尚更です」
「うへぇ」
変な声が出てしまったのは、森のキャラと『片思い』という言葉がそぐわないからだ。でも考えてみたら、森だってただの女子高生。恋愛の一つや二つしても何らおかしくない。
「森さんの弁護をする訳じゃありませんが、たぶん正木さんは最初から森さんを狙っていたんだと思いますよ。そうでなかったら、この短期間で森さんをオチるとは思えませんから」
狙った女子をオトせるなんてどんな必殺技を持ってるんだ、正木は。
俺の表情から考えを読んだのか、正午がバカにしたように言う。
「森さんが言っていたじゃないですか、同情したって。憐れみを誘って弱いフリでもしたんでしょうね。森さんみたいな芯の強い女性にはかなり有効だと思います」
「だったら、森は何で佐久間に指輪をやったんだ?」
「正木さんに唆されたんでしょう。実験をしたいから手伝って欲しいと頼まれたら森さんには断れなかった」
「実験って何の?」
「コックリさんですよ。想像ですけど、自分に素質がない所為かコックリさんをやっても成果が得られない、そこで素質のありそうな人物にコックリさんをやって欲しい。そう言って、素質のある人物として佐久間さんの名前を挙げたんじゃないですか」
「何でまた佐久間を?」
「佐久間さんが孤独だったからですよ」
吐き捨てるようにそう言う。
「僕が正木さんを好きになれないのは、そういう所です。目的のためには相手の事なんてどうでもいい、そう思っているのを隠そうともしていない。そういう性格の悪さが大嫌いです」
そこまで言うか?
正午が正木と会ったのは、幽霊マンションに行ったあの一回だけだ。それなのに、この言われよう……まぁ、正午の性格を思えば無理もないか。
「森さんは正木さんに指示されるまま、佐久間さんに指輪を渡してそれを隠した。その後、エンジェルさんを一緒にやって指輪の場所を教えたんです」
成る程ねぇ。そこまでされたら森を憎からず思っている佐久間はエンジェルさんを信じるだろうな。
でも、まだ疑問は残っている。
「SNSにいたサクマは正木なのか?」
「もちろんです。他にいないでしょう」
サクマと名乗って校内の女子に片っ端から友達登録を頼む。親しくなる必要などないのだから気遣いもいらなかっただろう。時が来たら噂を流すためなのだから。
だとしたら、これは俺が思っていたよりも前から計画されていたのだろう。
そう思うと、確かに正木の性格はかなり悪い。
「名称をコックリさんに変えたのも、森さんを追い詰めるためですよ。エンジェルさんだったら、それを教えた正木さんを真っ先に疑ったでしょう。でも、名前が違う。混乱した森さんは正木さんに真偽を確かめる事も出来ないまま、コックリさんの噂を片っ端から否定するしかなかった。そして不安と苛立ちが爆発して、司郎に泣きつく。そこまで正木さんは計画していたんです」
「俺……?」
何で俺なんだ?
森がそこまでしおらしい性格かどうかは置いといて、同じ風紀である俺を頼ると言うのは、まぁ納得しろ言うのなら納得できる。でも、俺を引っ張り出す事に何の意味があるのか分からない。
そもそも正木には、幽霊マンションに連れて行かれた事だってあるんだ。そんな遠回りな事しなくても、俺に用があるなら直接言えばいいだけじゃないのか?
「正木さんの目的、そのためにはどうしても司郎が必要なんでしょう」
どんな目的だか分からないけど、正木は俺が拒否するって思わなかったのかな。
誰だっていいように使われるのは厭なものだ。しかも、風紀の仲間を虚仮にされたんだ。正木の言う事なんか聞きたくないって思うのが普通だろ。
「その目的ってのが何だか分かってるのか?」
「当然でしょう」
涼しい顔で言われちゃったよ。何で知ってるの。




