01
かつて少年は、平凡な日々を、ただ、平凡に暮らしていた。何も起こらない単調な毎日。同じような一日を、同じような一週間を、同じような一年を過ごしていた。
進級しても、大差は無い。進学したところで、大差は無い。慣れてしまえば、全てが一緒だった。だから、憧れた。何か、とてつもないことが急に起って、それで、人生に大きな変化を齎してくれないか、と。誰でも考えたことがあったのではないだろうか。ただ、人にそれを話すと、毎回、同じようなことを言われる。
「自分から行動を起こさなくては、変化は起きない」
と、そんな風に。
だが、これは、そんな風に、自分から行動を起こさなくても起ってしまった「平凡」からかけ離れた「非凡」な物語。
六月、と言うと、日本では、雨期に突入した頃合である。梅雨前線が雨を齎す、そんな頃、学園では、入学から数ヶ月。やっと、クラスメイトと馴染んできた頃合だろう。そんな中途半端な時期に、彼、紫藤黒真は「異世界間同盟学園」(通称「同盟学園」)に編入を果たした。
「異世界間同盟学園」の名から分かるとおり、この学園は、異世界との同盟により出来上がった学園である。
――2047年。
それは、突然のニュースだった。2020年以降、これと言って科学技術の発展もなく、かと言って衰退していたわけでもない、そんな時世。各局どころか、海外でも、一斉に、そのニュースが流れたのだった。
――異世界とのコンタクトに成功し、異世界と同盟を結ぶことになった。これは、国際連合において、既に、可決されたものである。
と。誰もが慌てただろう。四月一日であれば、大掛かりなエイプリルフールの大ホラだと思ったかも知れない。ただ、それは、純然たる事実だった。
異世界「エスサイシア」。そこは、機械工学の著しく発展した、フィクションではおなじみの機工世界。科学力の発展の末に「科力」なる「科学の結晶」とも言える力を生み出したが、資源が多大に不足し、資源難に陥った世界だ。それゆえに、資源になりそうなものが多い、この地球と言う世界にコンタクトを取ってきたらしい。
地球には、多大な問題があった。特に環境問題。二酸化炭素排出によるオゾン層の綻びや、地球温暖化による気温上昇。「エスサイシア」には、それをどうにかする術があった。
人工的なオゾン層を作り出したり、二酸化炭素を除去できたり、と様々な問題を解決して行った。
そして、2048年。様々なことがかみ合い、やっと、お互いの世界の存在が浸透してきたころ、もっと親交を深めるために、学園を創設しようと言うことになった。そうしてできたのが、「異世界間同盟学園」(通称、同盟学園)。
創られた場所は、地球の日本だった。理由として挙げられるのは、陸地に立てるのは、どこの国でも大変だが、「エスサイシア」の技術を持ってすれば、人口水上都市を作るのは簡単だったため、周りが海に囲まれている国であるということ。比較的豊かな国であったこと。その他幾多もの理由で、日本に作られたのだった。
と、そうしたことでできた学園だが、そんな学園に、黒真は、編入するのである。実は、黒真は、二度の家出経験があり、その間に、家に戻っておらず、今回、そんな経験から、寮制である「同盟学園」に放り込まれたのである。寮制なら逃げられないだろうと言う親の考えらしい。実際は、黒真の妹の入れ知恵だが。
黒真の家出については、厳密に言えば、家出じゃないのだが、それについては触れないでおこう。
そして、学園の職員室。早朝の五時だというのに、多くの職員が仕事をしていた。どんよりとした空気を見るに、寝ずに仕事をしていたのだろう。開園して三年目だ。当然なのかもしれない。だが、黒真は、そんなことを気にした様子もない。ノックもせずに入り込んだ。
「ちょ、ちょっと」
誰かに声をかけられて黒真は、そちらを見る。
「職員室に入るときは、服装を正して、ノックをして、名前と所属クラスを言って入るように言っているでしょう」
眼鏡をかけた女教師だ。鋭い眼光は、黒真をしっかりと捕らえていた。黒真の格好は私服だ。止められるのは無理もないが、黒真は制服を渡されていないし、所属クラスも明かされていない。
「言っているでしょうと言われても、僕は初耳ですけど?」
そう言って、やれやれと肩を竦めるように言う。
「何ですって?」
女教師が、眉を顰める。だが、そこに、別の女教師が割って入ってきた。眼鏡の女教師よりも小柄で、全体的に丸っこい体つきだが、決して太っているわけではない。背が低く、黒真よりも頭二つ分低い。
「きょ、教頭先生。彼は、いいんです。彼は、制服を持っていませんし、所属クラスも知りませんから」
女教師が慌てて説明する。
「制服を持っていない?それはどう言うことですか?」
教頭が、しかめ面で、女教師に問う。
「彼は、明日付の編入生です。まだ、寮の部屋鍵も渡していませんし、クラス分けも教えていません。制服もまだ渡す前です」
「なるほど、そう言う事情なら仕方がありません。ですが、今度から気をつけるようにしてください」
少し睨むように黒真を見てから教頭が去っていく。そして、丸っこい女教師が、慌てた愛想笑いを浮かべながら、職員室の端の応接スペースに案内される。道中、職員にじろじろ観察するような目で見られたが、黒真は、全く気にしていない。その様子を見て、女教師は、感心したように彼を見ていた。
ソファに腰掛けるように指示される前に黒真は、ドサリと腰を下ろした。
「あ、あはは」
女教師は乾いた笑いしか浮かべられなかった。
「え、えっと、わたしは、フューゼ・クランベリールと言います。エスサイシアの出身で、この学園では、一年五組の担任をしています。担当科目は、科力の座学ですので、必ずわたしの授業を受けてもらうことになります。あっ、あと、君の担任になっているから、君は五組に編入してもらいます」
と、一通り自己紹介を終えたところで、フューゼは、黒真に、自己紹介をするように促した。
「えっと、俺、いえ、僕は、紫藤黒真です。少々事情があり、この学園に編入することになりました」
フューゼは、事情を細かくは聞いていない。その辺りは、プライバシーに関わってくるところなので、あまり見ないようにしているのだ。
「あ、わたしと話すときは、『俺』で構いませんよ。わたしは、生徒と対等な立場で良好な関係を築くことを目標にしていますから」
微笑むフューゼ。その笑みに効果音をつけるならば、「ふにゃ」や「ぽぇ~」だろう。それほどまでに緩んだ頬。
「ええと、それで、ですけどね、よければ先生、黒真君のステータス測定に付き合いたいな、何て……」
頬を朱に染め、人差し指をあわせてモジモジしだす。黒真は、それを見て、やれやれと心の中で思いながら、小さな溜息の後に、一言。
「いいですよ」
そう言った。フューゼは、ニッコリした笑みを浮かべて、「ありがとー」と言った。
ステータス測定。ステータスとは、語源は、「立っている状態」を指すラテン語。今では一般的に、特定の人物の「強さ」や「耐性」などを表したものとなっている。その測定は、CT(Computed Tomography)スキャンと脳波測定、軽い耐性測定だけで、ステータスを判定するものだ。FからEXまであり、平均がD、CでBも在れば十分だと言われている。
その測定をするために、黒真は、台の上で寝転がっていた。
「ここまで機械的なのは、久しぶりだな」
などと黒真は呟く。台が動き出して、スキャナーの中を通る。
「ふむふむ、です。これで、数値が分かるんですよね?」
「ええ、そうですよ。と言っても、公開されるのは、科力適性だけですので、フューゼ先生でもこの画面の中を見るのは控えてくださいね」
フューゼと専門家が話している。それを聞き流しながら、黒真は、時間が経つのを待つ。おそらく、後は、軽い耐性測定だけのはずだ。黒真は、そう思ってから、「耐性測定」とは何か、と言う疑問を抱くのだが、それよりも先に、眩い閃光が、眼前を通過した。しばらく、チリチリと音を立てる。その時、専門家の声が上がった。
「こ、これは?!」
専門家の声に、フューゼは、びっくりして、転んでしまった。
「な、何ですか?」
フューゼの声。専門家は、慌てたように、指示を飛ばす。
「どう言うことだ、この出力!今は『麻痺』耐性で電気を流しているんだろ!この出力、軽く人を焼けるぞ!」
専門家の怒声にフューゼは、思わず、ガラスの向こうの黒真の様子を確認する。そして、フューゼは唖然とした。
「なんすか?」
専門家達も驚いていた。高出力の電気を浴びながら、平然と欠伸をする黒真。
「これは、表示が間違っているわけではないな。と言うことは、エル・トリア君に次ぐ、同型体質の持ち主と言うことか?」
専門家が呟くが、フューゼは、思わず見えてしまった、ステータスの測定結果に、目を丸くした。
「う、うそ……」
それは当然だ。ありえない数値を出していた。フューゼにとって、ステータスとは、幼い頃からある価値観である。だからこそよく分かる。絶対にありえない数値だと。
「彼は、何者なの」
フューゼは、心底驚いた。
「大変です。エネルギーのオーバーフローで停電します!」
専門家達のやり取り。その直後、電気がフッと消えた。
「予備電源が作動します。データ復元。バックアップデータから再表示」
再び電気が戻る。
「なっ、何だ、これは……」
専門家の口が、開いて塞がらない。
「データが全て消えています。唯一残ったのは、科力適性と異常耐性の二つのデータだけ。ですが……、これは、」
データを見て、専門家が戦慄する。
「科力適性がAで、異常耐性がEX、だと。ありえない」
フューゼは、思った。それだけじゃない、彼は、もっと「規格外」だ、と。だが、それを口に出す気にはなれなかった。憚られた。証拠が残っているわけでもないのだ。もう一度測定することも可能だが、先ほどのようなことがあった後だ。少なくとも分かっていればいい科力適性が、分かったのだから、次は、学期跨ぎの九月初頭の身体測定の時に計られるだろう。だからフューゼは口を噤んだ。
「やはり、彼は、エル・トリア君と同型体質だ」
エル・トリア。彼女も、また、黒真と同じ異常耐性がEXを誇る。
「エスサイシアでも、稀に見ぬことだ。これは、上に報告しなくては!フュ
ーゼ先生、すみませんが、彼とここの処理をお願いします」
そう言って、専門家は、部下達を連れ、外へ行ってしまった。
フューゼは、黒真に駆け寄った。
「だ、大丈夫でした?」
「大丈夫か、と聞かれても、特には何も」
黒真は、なんら外傷を受けていない。そのため、心配されても、何のことか分からない。
「よ、よかったです。えっと、それでは、寮に案内しますので、ついてきて下さい」
フューゼは、慌てて、辺りに散乱した計器を壁際に寄せ、鍵を持って、黒真と共に部屋を出た。
学園の男子寮は、多くの人が収容できるように、大きく設計され、学園の範囲の三分の一を占めている。大きな人工島において、その面積の三分の一を占めると言うことは、それだけの人数が寮生として入寮すると言うことだ。それは、まあ、概ねその通りで、エスサイシアの生徒数百名と地球側の数百名が全員寮に住んでいる以上、必然的に寮は大きくなる。しかも、人間関係を考慮して、エスサイシアの生徒と地球の生徒が同室になることが無い様に、一人一室が貸し与えられているのだから。
つまりエスサイシアの数百名と地球の数百名を足した人数分の部屋が寮に用意されているのだ。
「え~っと、紫藤君の部屋は、ここですね」
そう言って、寮の一室に案内された。黒真は、辺りを見渡す。別段変わっているわけではない西洋風の廊下。柱や観賞用植物など、目を惹くものがある。ただ、黒真が気になったのは、匂いだった。観賞用植物は花をつけないし、別段匂いを出すものがあるわけでもない廊下には、花の匂いのような優しい香りがうっすら漂っていた。
「どうかしました?」
「いや、何の匂いかと思って」
黒真の抽象的な言葉に、フューゼは、首を傾げる。フューゼは特に何も感じない。おかしな匂いはしない、と思う。
「いや、花の匂いか、そんな感じの、優しい香りが、」
それを聞いてフューゼは、納得がいったように手を叩いた。
「ああ、それはですね、ここの周りがほとんど女性用の部屋だからだと思いますよ」
だから女性の匂いを嗅ぎなれない黒真は感じ取ったし、女性であるフューゼは何も感じなかったのだ。
「え?女子寮と男子寮に分かれてないのか?」
思わず素で尋ねてしまった黒真に、フューゼは、説明する。
「はい、分かれていませんよ。お風呂とおトイレは各部屋に完備していますし、部屋自体も広いので、特に分ける必要がない、と学園側が判断したので分けていないんです。ここは、周りが女性ばかりだからと、最後まで空いていた一室で、他に空きが無いので、紫藤君はこの部屋を使ってもらうことになったんですよ」
黒真は、不満そうな顔をする。黒真だって年相応の感性は持っているので、女性が近くに居て嬉しくないわけではない。しかし、周りが女性だけだと何かと不便であることに変わりは無い。
「えっと、お隣が地球出身の生徒さんで、逆隣が、イヴリアさ……イヴリアさんです」
一度言ってから言い直したところに黒真は引っかかりを覚えなくも無かったが、ひとまずは、いいか、と気にすることをやめた。
「正面が、よく分かっていない保護された生徒さんです。その隣も同じですね。そして、その隣が、フロアの管理人のわたしの部屋になります」
どうやら黒真の近所にはフューゼも居るらしい。
「うちの階は、厄介な子が多いんですよ……。だから、紫藤君は、厄介事だけは起こさないでくださいよぉ。わたしからのお願いですからね」
フューゼも苦労しているらしい。黒真は、同情の目を送りながら、鍵を貰い、自分の部屋に入った。
かなり広い部屋だった。入って左手にトイレ。玄関から短い廊下があり、廊下の途中の左手の扉の奥に更衣室。その奥にフロ。廊下の奥にコンロなどのあるキッチンルームがあり、廊下の延長上にある扉を開くと寝室があった。壁の左側にはベッドが、右側にはクローゼットがあった。ベランダもある。
「これが、ただの一生徒に貸し与えられる部屋かよ」
などと言いながらベッドに腰掛ける。
「まともなベッドなんていつ振りだろうな」
懐かしいベッドの感覚に、ベッドを軽く叩いて感触を確かめる。
「石造りとかじゃねぇし、こういうの久しぶりだ」
スプリングが入っていて、押し込んだら戻るベッドの感覚が思いのほか懐かしく、黒真は、数度「ギシギシ」と繰り返す。
そんなことをしてから、一応、隣の住人に挨拶でもしておくか、と思い立つ。しかし、周りが皆女性だということを思い出して、黒真は、挨拶に行くことをやめた。
ほとんど荷物が無い部屋を見渡してから、クローゼットを開ける。すると、三着ずつ制服が掛けてあった。どれも同じなことから、予備の制服だろう。この学園の制服は、所謂、ブレザータイプの制服だ。黒真の中学は詰襟の学ランだったため、ブレザーを着るのは新鮮だ。
「ネクタイってどうやって締めるんだろうな」
問題点として、一度もネクタイを締めたことの無い黒真は、クローゼットの開けた扉の左側に垂れ下がっているネクタイを見ながら言った。
「まあ、いいか。締めて無くても問題ないだろ」
そう言いながら、一冊の本を手に取る。数少ない黒真の持ち物だ。一年ほど前に、知り合いの少女に貰った一冊の本。
「伝記、ね」
伝記とは、記録を伝えるための本。偉大な功績を残した人間の人生やその他諸々を伝えるために書かれた本のことである。
「誇張された記録だよな、こう言うの」
そう言いながら、分厚い、延べ七百ページもある本を捲り始める。
「また、会いたいな。あいつらに」
彼が家出中に知り合った友達。彼らのことを思い出しながら、黒真は、深い眠りについたのだった。
◇◇◇◇◇◇
茶色の髪を結っていたゴムを取り、髪を櫛で梳きながら彼女は、電話を掛ける。電話、特に携帯電話は、黒真の家出中に大きく様変わりした。家出したところで、そこまで情報難になるわけではないはずだが、黒真は違った。それゆえに、黒真は知らないだろうが、黒真の持っている、家出当時最新のスマートフォンは、もはや無用の長物になっている。今や世界中にエスサイシアのAR(Augmented Reality)技術が張り巡らされているため、携帯電話も、そちらにアクセスして送受信をする。そのため、黒真のスマートフォンは規格外。使用できないのだ。4049年以降に発売され、各家庭に人数分配られた新型スマートフォン、ARP(Augmented Reality Phone)が、今、地球で使える唯一の電話である。拡張現実技術により、権限さえあれば、AR技術の張り巡らされたエリア内なら目の前にディスプレイを三次元投影することも可能だ。
そして、電話が繋がる。
「もしもし、オーディス様でしょうか」
小柄な彼女からは想像しづらい低く鋭い声。
『何か報告か。定時報告までは、あと二週間あったはずだが』
渋い老齢の男の声。その声からは、威厳と凄みを感じる。
「はい、報告します。前報告のエル・トリアやアルス・エル・フェリエ同様の異端な力の持ち主がこの学園に編入しました。名前を、紫藤黒真。彼は、異質です」
『ほぉう、お前がそこまで言う人間か。我が娘と同質のお前をしても、異質と言うならば、そいつは、化け物か、神の使いか』
冗談っぽく、それで居て真面目に男が言った。
「そうかも知れませんね。彼の能力は、信じられない値でした」
そう言って、その値を告げる。
『それは、冗談か』
男は、思わず問う。それが異常だったからだ。ありえない、と思ってしまったからだ。
「いいえ、冗談ではありません。今日、測定でデータが消える前に、この目で確認したので間違いないかと」
その言葉に男は唸った。
『君の目が捕らえたのなら間違いないだろう。だが、そうだとしたら、これは、世界を揺るがすほどの』
「ええ、大発見でしょうね。ですので、このことはあくまで、御内密に」
その言葉に男は静かに『うむ』と返した。
そして、電話が切れる。彼女は、「ふぅ」と静かに息をついた。
「わたしの任務。それに彼は、どう関わってくるのかしら。まあ、」
彼女は、部屋の隅に目をやる。部屋の片隅に立てかけられた折りたたみ式に分割できる機械でできた「忍刀」が置いてある。
「科学者の考えることは、時に人権を軽く無視するのが、恐ろしいところです」
そう呟き、彼女は、「忍刀」に触れた。その瞬間、まるで、彼女に共鳴するかのように「忍刀」が揺れた。
「【限界を超えし幻灰】を使わなくてはならないほど、危険な人物だった時は、わたしは、彼を……」
そう言ってから、彼女は、彼の顔を思い出す。
「紫藤、くん。彼は、一体、何なんでしょう……」
彼女は……、フューゼは思う。
「あの異常な数値。それに反した、世間の常識が欠如した様子。そして、寂しい目と勇敢な目を合わせ持つ。そんな彼は、一体」
黒真の異常さを知るが故の疑問。
そんな分からないことを悶々と考えながら夜は更けていく。