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つれないね、恋の分からず屋  作者: 伊藤東京
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横浜とカーセックス 7

 お腹が満腹になった美和子がまさと腕を組んで少しまさに寄り掛かった。それを見てわたるが「イチャイチャするのいいな」と言い出した。

「俺も彼女欲しい。何でできないんだろう」

「あれ、わたる今いくつ? まだ十九でしょ? 大丈夫、まだこれからできるよ」

「んー、でも俺童貞なんだよね」

「いやいや、十九で童貞は普通よ」

 すると結愛が笑顔で自分のことを指さした。

「大丈夫。私も二十歳で処女だから」

「俺たち同胞じゃん! じゃあここでやっちゃう?」とわたるがふざけて自分と結愛のことを交互に指さす。

「いや、ダメに決まってるでしょ。なに勝手に人の彼女に手出そうとしてるの」と言いながら私は結愛の肩に腕を回す。それでも結愛はふざけて「あー」と言いながらわたるに両腕を伸ばした。

 わたるもただの冗談だと思ってその手を握る。それを私が手で軽く払う。

 それでも結愛がわたるに向かって手を伸ばすものだから、私は急に面白くなくなった。

 結愛とわたるが楽しんでいる様子を見て、どう反応したらいいのか分からない美和子とまさが、私に目配せする。私は二人が飽きるまでずっと手を払っていた。すると「じゃあ、私がそっち側座るよ」と言っていきなり結愛が私の膝の上を通ってわたるの隣に座ろうとしてきた。

 無理に止めようと彼女を掴んだら嫌がられる気がして、阻止することも出来ずに私は席の端に追いやられた。

 結愛が笑ってわたるの腕を組むので、結愛の胸がわたるの腕にあたる。それを見かねて結愛の肩を掴んで何とかわたるから離そうとする。

 その度に結愛が力を入れてわたるの腕から離れまいとする。

 わたるは面白がっているのか、胸が当たるのをいい機会だと思っているのか「おお、これが女の子の腕組みか」とふざけたコメントしかしない。

 何度やっても結愛がわたるの腕から離れないので、私は諦めて腕組みした。

「何? 嫉妬しちゃったの? ごめんごめん」と不機嫌であることをアピールした私に結愛が片手で頭を撫でる。

「うん。ありがと」

「この後どうしようか? もう時間遅いから、いっそどこかで泊まる?」と美和子が言った。

「泊まるならホテルより、車でそのまま寝ればいいんじゃない? 駐車代割り勘すれば結構安いと思うんだけど」

「でも駐車場見つけられる?」とわたるの腕を離した結愛が言う。

「俺の家近いから、そこに行く? 家にはちょっと人入れられないんだけど」

「え、わたるの家の近くに車泊めれそうなところとかある?」と美和子が言う。

「あるある」

「助かる。じゃあそこにしようか」

「ごめん人、家にあげれなくて、俺んち友達入れちゃダメって言われてて」

「いいよいいよ。こんな夜遅くにそもそも泊めてくださいなんて言えないし。じゃあ会計するか」

 そう言ってみんなで会計を終わらせて外に出た。店に入る前とは違って、外は少し薄暗かった。ほとんどの店はもう閉まっていて、私たちが最後の客だったのか、後ろを振り返ると店の扉の向こうの電気はもう消えていた。


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