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「い、いつからそこに?」
動揺を隠すこともできず、ただただ慌てるあんずをよそに誠司は行動をおこす。
「あー、百花さんこんにちは。アイスコーヒーでも飲みます?それともアイスティー?」
「アイスコーヒーでもいただこうかしら?」
こんなに暑い夏の日でも、百花の可憐な容姿はかわらない。
空色のノースリーブワンピースのせいなのか、スラリと伸びた白い手足のせいなのか、暑苦しさとは無縁のように思える。
百花のオーダーを受けると、誠司ほさっとキッチンへと行ってしまった。
(この薄情者!)
あんずは心の中で悪態をついた。