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プロローグ
「……やめろ!離せ、離せよ!」
必死の形相で、少年は地面に突っ伏したまま、手を伸ばす。しかし、その手はそれ以上動かず、彼女に触れることも出来ない。
「――いいの、ありがとう。――ずっと好きだったよ」
少女は少年に向かって優しく微笑む。それは、今にも砕けてしまいそうな、儚げな微笑みだった。
「やめろおおおおおおおおおお!」
もはや身体を動かすこともままならない少年は、生命を振り絞って叫ぶ。少女の運命を掻き消すかのように。この事実から、目を背けるために。
――――そこで、意識が途切れた
男は目を覚ます。
吐き気がする。何度も何度も繰り返し見た夢だ。それでも、見るたびに、男は憎悪する。敵を、運命を、そして、非力だった自分を。
男は起き上がってすぐ正面にある青白く光るパソコンの画面を見ながら、首にかけられたロケットを強く握る。
「……もうすぐだ。もうすぐ、会えるよ――」
もう一度、会う。そのために、人生の全てを捧げた。
後悔はない。
「――必ず、取り戻す」




