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幽霊オタクレベル99〜俺には効かないぜ幽霊さん?〜【累計10000PV達成!】  作者: 兎深みどり
第二章:七不思議編

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第38話『霊力の鍛錬』

 ばあちゃんは、ノクスの前でぴたりと足を止めた。


 そしてしばらくじっとその姿を見つめ――小さく呟く。


 「……こいつ、根源を喰ったな?」


 その言葉に、俺も愛菜も息を飲んだ。 


「無茶しよって……だが、喰えたという事は、それだけの器を持ってるという事じゃ。いや、こいつだからこそ、喰えたのかも知れん」


 ばあちゃんは膝をつき、ノクスの目を覗き込むようにして言った。 


「この気配……やはり、ただの妖怪じゃないな。――真祖に連なる者、もしくは……」


「にゃう……(見抜くか、ばあさん)」 


 ノクスはふてぶてしく尻尾を振ったが、どこか誇らしげだった。


「なるほど、道理で厄介な気配を引き寄せやすい訳じゃ。だが、喰ったはいいが、まだ力を持て余しておるな」


「……え?」


 俺が問いかけると、ばあちゃんは俺とノクスを交互に見た後、静かに立ち上がる。


「お前ら、これからしばらく“修行”じゃ。――修、お前には、より深い霊力の扱い方と術式を。そしてそこの猫……ノクスと言ったな、お前には喰らった力を“自身のもの”にする鍛錬が必要じゃ。今のままでは暴走の危険もある」


「にゃう……(うげ、マジで?)」 


「おうマジじゃ」


「にゃう……(愛菜以外でおれの喋ってる声が分かる奴がいるとはな……) 」


 ばあちゃんの笑みは、どこか怖いものだった。


「力が満ちれば……いずれ“姿を変える力”も得られよう。自分の力としてな」




 ノクスがピクリと耳を動かす。


 


「にゃう……(つまり、修行の果てに“本来の姿”を得るって訳か)」


 


 俺はノクスを見やった。


「……やるか、ノクス」


 


「にゃう(しゃーねーな)」


 


 ばあちゃんが奥の襖を開ける。

 その向こうには、張り巡らされた封印陣と、見慣れない祭具がずらりと並んでいた。


 長い戦いの、その第一歩。


 俺達は、ただ静かに――頷いた。

 次回予告


 第39話『ばあちゃん式・地獄の霊力修行』


 封印された“悪意の核”と対峙した修とノクス。

それぞれに残された異変と力を前に、修は決意する。

頼るべきは、最強の祓い師――ばあちゃん。

始まる、逃げ場なき霊力修行。

ばあちゃんの笑顔が一番怖いって、知ってたか?


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