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1話-5
…学校
明日からまた、一日の大半を勉強に割かれる日々なんだと
そう思うと憂鬱になる
ましてや2学期は3学期制の中で最も長い期間だ
そして、夏休みは学生にとって一年で最も長い休み
最も堕落しただろう日常から
最も厳しい日常へ
そして、その日常への変換点
それが、今日
始業式なのだ
『はぁ…』
「琥烏、元気ないじゃないか」
『ん?
…ああ、玖竜-クロ-か』
皇 玖竜-スメラギ クロ-
俺の友達だ
なんとなく名前が中国の人っぽいなとか思ってる
俺の知る限り、天才とはコイツの事を言うんだと思ってる
『って…眼鏡やめたのか?』
「あ、うん」
友達ではあるが、夏休み中には会っていなかった
『へぇ、イメチェンか?』
「…まぁ、そんなところ」
『へぇ…
夏休みの間に心境の変化でもあったのか?』
「…まぁ、ね」
そう言った玖竜の表情はこれまでの彼より幾分か大人びて見えた
「…ところで、琥烏は
夏休みどうだったんだい?
二人と楽しく過ごしたりしたのかな?」
『…なに…言ってんだよ
別にそんなんじゃねぇんだよ
二人とは』
二人とは璃優と璃乃の事だ、もちろん