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8話-4
『…………』
俺は口を閉じて俯いた
口を開けば、何か余計な事を言ってしまいそうで…
グッ……と、言葉を噛み殺していた
(そんなに…気にくわないのかよ…俺がバイトする事が…)
「琥烏君…?
どうしたの?」
俺は横に首を振って、何でもないと伝えた
「そ、そう…?」
璃優は怪訝そうな表情のまま部屋を出て行った
俺は気持ちが落ち着くのを待ってから、一階に降りる事にした
ついでに飲み物を買う為に財布をポケットに突っ込んだ
謹慎中でも、少しくらいの外出は許可されている
そして、階段をゆっくりと降りていると璃優と璃乃の話声が聞こえた
別段、おかしい事では無いがその会話の中に俺の名前が出てきた瞬間、俺は足を止めた
「…兄さんは…やっぱりショックを受けてるか…」
「当たり前と言えば当たり前…ね
琥烏君なりに充実してたはずだから…」
「…璃優姉ぇ…」
「琥烏君はきっと立ち直るよ、きっと」
「じゃなきゃ…嫌だよ
それじゃあ、意味無いもの」
「…うん、それなら知らせないほうがよかった
学校に、なんて…」




