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女体化転生から始まる異世界新(神)生活〜TSした元男子大学生、第二の人生はチート能力【創造者】を手にして神の元で働く傍らでいつの間にか『神』扱いされる〜  作者: 霞杏檎
4章 黄燐ノ竜編

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67 アナンタ村防衛戦 その2

 待機していたワイバーンたちがまるで枷が外れたかのように村へと侵入する。大きな爪で村の家々の屋根を掴み、屋根板を剥がそうとする。

 驚いた村の人々は家から出てきて男たちは先端が三本の刃に分かれた鍬や木を切るための手斧などの簡単な武器でワイバーンに応戦する。女子供は村から出るために必死に逃げようとしていた。


「ケルト!! 行くぞ!!」


「お願いファンロン!!」


 ファンロンは羽を大きく羽ばたき、村の中央にワイバーンの群れをもろともせず強引に押し入り、風圧だけでワイバーンを複数体吹き飛ばした。

 魔物の何体かが一斉に俺たちの方にもその鋭い牙を見せながら襲ってくる。


「食らえぇーーーーーー!!!!」


≪発動:獰猛な大気≫


 前に出した右手から爆発的な衝撃波が生まれ、正面にやってきたすべての敵がその衝撃により吹き飛ばされる。


「ぬおおおおぉぉぉ!!!!」


 ファンロンも後ろからくる敵の群れを自身の巨大な尻尾で薙ぎ払う。その立派な尾は一振りで複数の敵を巻き込み、地面にたたきこむ。

 俺たちを取り巻く魔物を倒している最中、遠くに斧を持った初老の男性2人に対してワイバーンが6体で囲まれているのを見た。あのままではまずい!!

 俺はファンロンから勢いよく降りて、敵が道を塞ぐのをもろともせずに一瞬の隙間を得意の超スピードで潜り抜け、この戦場をかけ走る。


「たあああぁぁああ!!!!」


 一瞬でその場に近づき腰のティターニアを抜く。そのスピードに合わせて囲んでいた6体の魔物の首を掻き切る。その目にもとまらぬ速さに男二人は何が起こったのか分からない様子だった。


「大丈夫ですか?」


「な……何とか!! あんたは何者だい!?」


「私たちはこの村を守りに来ました!! ここは私たちに任せて早く逃げてください!!」


「な……なんでこうなったか知らないけど国の人か!! 助かる!! よろしくなぁ!!」


「お嬢ちゃんも気を付けるんだぞ!!」


 そう言い残して2人は早々とこの場から逃げ出した。辺りを見回すと避難する人々の流れとは逆走行している女性がいた。

 気でも狂ってしまったのだろうかと心配になった俺はその人の元へと向かい正面に立つ。


「ここは危険です!! こっち側は激戦区だから急いで避難を!!」


「息子が!! 息子が出かけてから帰ってきてないんだよ!! 息子を捨てて私だけ逃げるなんてできません!!」


「子供の名前は何て言うんですか!?」


「ノイっていう男の子です!! バカ息子だけど私と亡き夫の唯一の宝ものなんです!! もしここであの子を守れなかったら天国の夫に顔向けできない……ううっ……」


 青い髪の女性は俺の肩を掴み、涙をこぼし始める。

 逆走していたこの人はノイの母親だった。ノイを助けるために探していたみたいだがこの先は危険だそれにノイは今危険な状態である。

 この女性の話しからノイが最後の家族なんだ。ノイのお父さんは早くして死んだ。その悲しみ……俺は咄嗟にエルマさんとラミーさんの事を思い出す。

 その時、考える間もなく言葉がもう口から放たれていた。


「だめです!! あなたは逃げてください!! 私、ノイ君の心当たりがあるんです。だから私達に任せてあなたは逃げてください」


「いやよ!! ノイを置いてだなんて……私……」


「あなたがここで死んだらノイは元気に帰ってこられない!! あなたもあなたのお父さんみたいになったらノイは独りぼっちになっちゃうんだよ!! 悲しんで生きていくノイの顔を天国で見たいですか!? あなたのお父さんはあなたがノイのために死ぬことなんて望んでないはずです!! 今……自分の……命を大切にしてください!!!!!!!!!」


「わた……し……私……は……」


 涙を滝のようにこぼすその女性に俺は優しく手を握って目を合わせる。


「誓います。必ずノイを助けてあなたの元に届けます……だから、私を信じて」


 その時、女性の目にはケルトの様子が光り輝く奇跡の存在に見えた。まるで、自分の前に神が舞い降りたかのように。


「私の名前はカリンです。どこの名も知らぬ旅のお方、どうか息子をよろしくお願いします。神様のようなあなたに天の御加護を……」


 そう言うとカリンは青いポニーテールをなびかせながら俺から逆方向の道へと走り出す。

 走り去っていくその女性の様子を見守りつつ、静かに立ち尽くす自分。

 改めて村の方を振り返る。

 知恵の低いワイバーンは村人ではなく建物を壊すのに必死、村の入り口の魔物は何とか仲間が止めてる。村の人々もどこかに隠れたのだろうが長くはもたないだろう。


 長期戦はよくない……一気に敵を倒すために()()を使うか……


 あれを使うために俺が足りないのは力を制御……コントロールする力だ……あれぐらいのエネルギー正確に操る力が欲しい……欲しい!!


≪【能力制作】のスキルにより以下のスキルを取得しました≫

 スキル名:【能力制御:風】


 種別:一般(ノーマル)スキル


 詳細:能力の使用で莫大なエネルギーを利用する際により正確に力をコントロールすることができるようになる


 制作理由:力をコントロールしたい強い思い。


 きた!! ついでに、あの敵がリスポーンする魔方陣も封じたい!!


≪【能力制作】のスキルにより以下のスペルを取得しました≫

 【暗黒魔法:覚醒】:【魔法封鎖術(ディバインスペル)


 詳細:永続的な魔法を打ち消す。または、対象の術者に使用することで魔法を一時的に使用不可にさせる。


 スキル名:【高速詠唱】


 種別:特殊(ユニーク)スキル


 詳細:詠唱時間のある呪文を瞬時に使用することができるようになる。魔術師最上位スキル。


 制作理由:うざったい魔物の召喚を超早く封じたい強い思い。


 きたきた!! さすが私のスペック!! これなら逆転できる……!! 一度失敗したあの技を使って……


お読み頂きありがとうございました。

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