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女体化転生から始まる異世界新(神)生活〜TSした元男子大学生、第二の人生はチート能力【創造者】を手にして神の元で働く傍らでいつの間にか『神』扱いされる〜  作者: 霞杏檎
1章 妖精ノ園編

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20 妖精達の英雄

 サラマンダーの討伐、そしてゼニの確保により妖精の園は平和を取り戻した。シンシアからはモリカの国に連絡がついたらしく、残りの闇商人の確保の動きが出てきたという。そこで良いニュースが舞い込んだ。残りの部下のドルの身柄が拘束され、捕まっていたサラを保護したと言うことだった。国の騎士としては大分仕事が早く驚いたがこれでもう大丈夫なのだろう。俺たちはモリカに帰る前にシンシアから渡したい物があると言われ、シンシアのいる奥の玉座の場所にいた。


「皆様、このたびは私たちの居場所を守ってくださりありがとうございました。妖精の園すべての妖精達があなたたちに感謝しています」


 俺たちの周りからたくさんの妖精の歓声が上がった。


「いやいや、当然のことをしたまでだよ」


 ユシリズが照れて頭を掻く。みんなあまり大衆から感謝されることになれておらず変にもじもじしていた。まぁ俺もなんだけどね。


「そしてケルト、あなたに渡したい物がございます。セルフィア! あれを!」


「かしこまりました」


 シンシアの命令によりセルフィアが持ってきたのは1メートルくらいの長さをした、アゲハチョウのような綺麗な模様をした羽だった。


「ケルト、そしてあなたたちははこの森の英雄です。英雄にはそれ相応の報酬が必要です。私たちの宝である先代の大妖精の『妖精の羽』をケルトに渡します」


「「「「「「えぇぇぇーーーー!!」」」」」」


 俺たちは目が飛び出すほど驚いた。俺たちが妖精達の宝を持つなんて身が重すぎる。


「いやいや! 俺たちは人として当たり前のことをしただけで、そんなのもらえませんよ!」


 俺は両手を出して首を横に降り続けた。


「ケルト、妖精が妖精以外の者に妖精の羽を渡すという意味が分かりますか? 妖精の羽を渡すということはすなわち敬意そして信用の証でございます。大妖精である私が渡すのですからこの妖精の園全体の妖精達の敬意と信用の証でもあるのです。私たちの思いを拒む理由などあなた方にはないはずです。どうか受け取ってください」


 シンシアは俺の目の前まで歩いてくると妖精の羽を俺の前に差し出した。俺はその羽を優しくしく受け取った。持つと、質量の概念を忘れるほど軽く、堅い質感だった。そしてシステムが反応すると妖精の羽も光り出した。


<<『大妖精の加護』に反応するアイテムがあります>>

<<アイテムに変化を与えます>>


 妖精の羽は光に包まれ、羽は鋭い刃となり、エメラルド色の長い剣の形状に変化したのだ。


<<アイテムの変化を完了しました>>


「剣に変わった?」


 妖精の羽が変化して出来た剣は羽のような軽さだ。俺は鞘から剣を抜きだし素振りをする。


「やはり、昔の伝承は本当でした」


「伝承?」


「私たち妖精族に認められた選ばれし者が妖精の羽を手にしたとき、神器『深緑の妖刀(ティターニア)』が現れるだろうと。やはりあなたにはその素質がありました」


「神器とは神に近しき者や神が使うとされている伝説の武具のことです。さすがケルト様です!」


 セルフィアは興奮した口調だった。


「ケルトやるやん!」


 ダンが俺の肩に腕を回してくる。


「お前だけうらやましいぞ」


 アマがうらやましそうに剣を見つめている


 喜ぶ俺たちを見てシンシアは微笑む。


「ケルト、いや、我が妖精族はケルト様を我らが英雄、そして我らの神として忠誠する事を誓います」


 ……ん? 今なんて言った?


「神器に選ばれたケルト様はもう神のようなものです。私たちはそれに従い、これからもケルト様を支えていくこと誓います」


「えぇぇぇぇぇーーーーー!?」


 急に言われて状況が理解できなかった。俺が神様? は? なんで? もうそんなことしか考えられなかった。


「えっと……急に言われても……」


 困った顔をしている俺に対してシンシアは手を握ってくる。


「大丈夫です。神様と言われてもあなたは普通の生活と旅をしてください。あなたが変わる必要はありません。神になるとは私たちはあなたを支えるという事です。いつでもあなたの力になります」


 つまりは肩書き感覚で良いと言うことで良いのだろうか。そう思うと安心感が増し、俺の頭の理解も追いついてくる。


「まぁ分かったよ、これからよろしくねみんな」


 そう言うと妖精達はまた大きな歓声を上げた。


「うふふっ、今日は久しぶりの宴です。セルフィア! 皆に宴の準備を!」


「かしこまりました」


 こうしてなんやかんやで妖精達の神になった俺はモリカに帰る前に宴を楽しんだ。

 俺たちの目の前には森の木の実や果実酒、そして俺たちのために焼いた鹿の肉などを出してくれた。みんなは妖精と会話を楽しんだり、お酒や料理を楽しんだりしていた。


 一方で俺はと言うと……


「ケルト様♡ もっとお飲みくださいな♡」


「あ……ありがとうございます」


「ケルト様女性なのに勇敢でかっこよかったです~♡ 私惚れちゃいました♡」


「いやいやそんな……」


「ちょっと! ケルト様はみんなの神様なんだから独り占めはだめよ!」


「こらこら喧嘩しないの……」

 

俺は少しお酒も入ったエルフの俺の取り合いの喧嘩をなだめる。

 俺は今美人なエルフ達に囲まれお酌をされています。こんなこと前にもあったような・・・・・・

 そんな俺を尻目にエルフ達の成長した胸の柔らかい果実達が果実酒よりも俺を酔わせようとする。何度も言うが中身は男だ。この状況になるのは仕方ないとは思うがやはり慣れなかった。いや、慣れたらだめだと思う。


「ケルト様のお肌すべすべです~♡」


 お酒の入ったエルフが後ろから俺の服に手を入れ、俺の貧弱な胸を揉む。


「ひゃあっ!! ちょ!! どこ触って!?」


 あれ?これも前にあったような?


「ずるいわ! 私も~♡」


「私も私も~♡」


「もうゆるひへーーーーーーー!!!!!」


 こうしてとても長く感じた宴を楽しんだのであった。


 一方その頃、都市国家モリカのリベアムール城の神の間にて。


 若い騎士が部屋に入ってくる。


「リベアムール様! たった今すべての奴隷を解放することができました。奴隷商人の方も拘束が完了しています」


「そうか、ご苦労だった」


 リベアムールは机に置かれた大量の資料を読んでいる。


「そういえば、妖精の園のシンシア様から連絡のあった例の一行の件なんですがいかがなさいましょうか?」


 リベアムールは書類を置くと窓の外を見つめる。


「一行をこの城に呼べ。 妾が直々にその者達に礼を言いたいのだ」


「はっ! かしこまりました!」


 若い騎士は回れ右でこの部屋を後にした。


「大妖精が認めた女冒険者一行か……面白そうだ……」


 リベアムールは机の上の紅茶を一口飲み、窓から妖精の園のある森を見つめているのであった。







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